クラス転移で俺だけ勇者じゃないのだが!?~召喚した配下で国を建国~

かめ

文字の大きさ
7 / 41
第一章〜エルガレフト神国〜

第7話防具と疑問

しおりを挟む
「……ここの……ごひゃん……おいひいですね!」

「食べてからしゃべれって、行儀わるいぞ?」

 カンナがリスみたいに頬を膨らませながらご飯を頬張っていた。ちなみにメニューはサンドイッチみたいな感じにパンに野菜やら肉やらを挟んだものだ。結構ボリューミーなんだが、肉の旨みとレタスみたいな葉っぱのシャキシャキ感、トマトみたいな……ってかこれトマトだろ。トマトだよな? まあトマトの酸味が絡みあって、食べ応えがありながらも、あまり重たく感じなく、全部食べ切ることが出来た。

 昨日あの後は、自分の能力や、カンナの能力を把握するために部屋に籠り、その後はご飯食って寝た。ちなみにご飯に呼ばれるまでずっと部屋にいたせいで、例の受け付けの少女にニヤニヤされた。カンナと寝たせいであまり寝れなかったのは言うまでもない。あ、カンナの寝顔を見れたのは儲けもんだったな。

「ところでご主人様、今日はなにをするんですか?」

「そうだな、取り敢えずこの国から出る準備をしないとな。教会に怯えてビクビクしながら過ごすのはゴメンだからな」


 そういえば、昨日の夜は襲われなかったな。てっきり宿にまで襲ってくるもんかと思っていた。まあ、まだ教会が暗殺者を殺されたことに気づいてないだけかもしれないが。流石にいつかはバレるだろうからさっさとこの国から出ないとな。

「じゃあ、ご飯を食べたらまず武器屋にいくぞ」

 おっちゃんには悪いが、さっさと残りの金を払わないとな。あとは防具だ。今の俺の格好は控えめにいってダサいし、防御力も皆無だ。

「おう、らっしゃい!」

「おっちゃんこれ、残りの金だ」

 おーい、おっちゃんー? 固まんなー?

「おっちゃん」

「ああ、すまんすまん、てか坊主これ昨日の今日でどうしたんだよ。盗んできたんじゃねーだろうな?」

「ははは、思わぬ収入があっただけですよ」

 まあ正直暗殺者を殺して奪ったわけだから、盗んだってことも間違って無くはない。

「ッチ、しばらくお嬢ちゃんの可愛い姿が見れると思って店の中でもだいぶ良い装備をかなり安くして売ったのにな。こんなのあんまりじゃねーか」

「代わりと言ってはなんだけど、今日は防具と予備の武器、解体用の短剣を買いに来たんだ。予備の剣と解体用の短剣はおっちゃんに任せるから、俺とカンナの防具を見繕ってくれないか?」

 武器屋と言っても、防具屋も兼ねておりそこまで数が多いとは言えないが、さまざまな防具が置いてあった。

「おう、わかった。取り敢えず坊主からだな。オススメは革の防具だ。多くの冒険者が革の防具なんだが、そんなかでも魔物の革のほうが性能が良くてな。今だと、ワイルドボアか、オークの革で出来た防具があるぞ」

「どんな違いがあるんだ?」

「ワイルドボアはまず毛皮が硬くて剣が通りにくいのが特徴だな。その代わり着てると蒸し暑い。んでオークはワイルドボアより毛皮がない分暑くないし、水を被っても重くなりにくい。ただちょっと高い」

 そう言いながらおっさんは親指と人差し指で輪っかを作って、名前を知らんからあれだが、お金のポーズみたいなのをしている。

「んじゃ、オークのほうで」

「お、おう。即決かよ。お嬢ちゃんのほうはどうするんだ?」

「カンナも同じでいいか?」

「はい! もちろんいいですよ!」

「他になんか注文とかあるか?」

「カンナのほうは尻尾を出せるようにしてくれ」

「ん?お嬢ちゃん獣人だったのか?」

「ああ、今はちょっと隠してるんだ」

「そうなのか、まあ分かった」

 おっちゃんが適当な性格で助かった。言い訳も考えてたんだけどな。カンナも変化を使っていると地味にMP減ってくしな。尻尾も出せるようにしないといろいろと不便だよな。

「んじゃ、奥で採寸するから来てくれ」

「カンナの採寸もおっちゃんがやるのか?」

「流石に俺はやんねーよ。奥でウチのカミさんが測ってくれるから安心しな」

 まあそれなら安心か。

「よろしくお願いします」

「ああ、よろしく頼むよ。そっちのお嬢ちゃんは獣人らしいけど、耳も尻尾も見当たらないじゃないか」

 やっぱり、変化は解かないと測れないよなぁ。ちなみにおばちゃんは大阪のおばちゃんっぽい気がする。偏見なのかもしれないけど笑。

「実は理由あって獣人ってことを隠してるんですけど、今から言うことを内緒にできますか?」

「ああ、わたしはお客の情報は一切漏らさないよ。商売ってのは信頼で成り立ってるからね」

「実はカンナはキツネ獣人なんです」

「キツネ獣人? 聞いた事ないねぇ」

 一般的に知られてないってことはだいぶ昔に滅びたのだろうか?

「カンナ変化を解いてくれ」

「はい!」

 そう言うとカンナはゴニョゴニョとなにかを唱えている。最初は声が小さすぎて気づかなかったのだが、魔術を行使する際には詠唱をしないといけないらしい。

「おお、こりゃ驚いたね。変化を使える獣人がタヌキ獣人以外にもいたのかい」

 どうやらタヌキ獣人も変化を使うことができるらしい。カンナの体が青白く輝き、キツネ耳とキツネ尻尾が生えてくる。

「ふむ、なるほどねぇ。ここら辺にしっぽがあるのかい」

 そう言いながら、何やらメモを取っている。ちなみに俺は部屋を追い出されたので聞き耳を立てていた。

「っ……ひゃぁ」

 おばちゃんがカンナの尻尾に触れるたびに、カンナが艶っぽい声を出す。

「ん?どうしたんだんだい?」

「んっ、しっぽはちょっと敏感なんです。触られるとなんか変な感じがするんです」

「ああ、そういうことかい」

 これは獣人共通なのだろうか? そうこうしているうちに採寸が終わる。

「おし、これで終わりだね。この紙をもってあのジジイのとこに行っておいで」

 ようやく終わったので次は冒険者ギルドに行くことにした。ちなみに防具は3日後に出来るらしい。オーダーメイドなのに思ったより早く出来そうだな。ちなみに予備の武器と短剣は合わせて2万5000ゴールドだった。

「こんにちは。今日はどうされましたか?」

「街かギルドの中かどっちでもいいんですけど、図書館みたいなのありませんかね?魔物の情報とか地図とか見たいんです」

「それなら2階に行っていただければ見つかると思います」

「ありがとうございます」

 2階には酒場があり、周りの壁には本棚があって色々な本が置いてあった。果たして、こんな賑やかな場所が本を読む場所に適しているのだろうか?笑

 魔物の情報が書かれた本、地理について書かれた本、魔術の種類が書いてある本などさまざまな本があった。その中でも獣人について書かれている本を探す。

「ありました!」

 どうやらカンナが見つけたようだ。そこには色々は獣人の種類が書かれていた。ネコ獣人、イヌ獣人、ウサギ獣人、クマ獣人などいろいろいるがその中にキツネ獣人は載っていない。やはりだいぶ昔に滅んでしまったのだろうか、それにしても全く情報がないというのはおかしい。大陸の右上の方に獣人の国があるらしいのでそこに行ってみるとわかるかも知れない。そんなことを思いながら本を読み漁っていった。獣人だけの本ではなく、魔物の本や、地理について書かれている本なども読んでいく。

「行くとしたら王国が1番近いよなぁ」

 ここ、エルガレフト神国の副神都バルエルはエルガレフト神国の中でも南の方に位置しており、そのまま南に進むとフューズ王国がある。やはりこの国から出ようとしたらフューズ王国だろうか。一通り調べ物が終わったので、昼食を取る事にした。

「いらっしゃい! 今日は新鮮なレッドボアが入ってるよ~」

「病みつきになること間違いなし! 病みつき鳥の串だよ~」

 まるで市場みたいに様々な屋台が立ち並んでいる。ちなみに今はカンナフィーバー(仮)は起こっていない。どうやら皆がカンナに一目惚れしてしまうのは、固有スキル「キツネの魅了」の効果であったらしい。どうやら任意で抑えることが出来るので抑えてもらった。こんな人が多いとこで騒ぎになったらまともに身動き取れないしな。ちなみにキツネの魅了がなくてもカンナが可愛いのかチラチラ見てるやつは結構いる。

 異世界だと結構食料事情がアレでそんな美味しいものは食べれないと思っていたが、結構美味しいものが多い。塩気があるものは少ないが、素材自体が美味しいので全然いける。適当に串など買いながら食べ歩きをした。

 午後からはなにをしようか。戦闘練習もしなきゃいけないし、外で泊まるようの野営セットも買わないと行けない。

「カンナ、午後は戦闘練習か、他の買い物をしようと思うんだがどっちがいい?」

「ご主人様が決めたものだったらどっちでもいいのですが、出来れば体を動かしたいです!」

 じゃあクエスト受けつつ、戦闘訓練でもするか。正直昨日は相手が雑魚過ぎてカンナの力が強いってことしか分かんなかったしな。森の中だったので火も木に燃え移らないよう、火矢ファイヤーアロー しか使えなかったしな。

「こんにちは、どうされましたか?」

「この依頼クエスト をお願いします」

「かしこまりました」

 ちなみに受けたのは薬草採集だ。近くの草原に自生している魔力草というMP回復ポーションの元になるものらしい。けっこう他の雑草と似ていて、慣れていないと見分けるのが結構難しいらしい。
 依頼主は結構高齢の錬金術師らしく、最近腰が痛くなってきたので採集を頼みたいとのことだった。腰の痛み、ポーションで治んないんだろうか…とツッコミそうになった。
 草原なら多少、火魔術を使ってもそんなに燃え広がることはないだろう。俺達はさっそくその草原に歩いていくことにした。近いっていってもこの世界の感覚だから30分くらい歩くんだよなぁ。歩いている間にカンナに出来ることを聞いたり、野営するときにいるものをリストアップしないとな。
しおりを挟む
感想 32

あなたにおすすめの小説

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》 楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。 理由は『最近流行ってるから』 数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。 優しくて単純な少女の異世界冒険譚。 第2部 《精霊の紋章》 ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。 それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。 第3部 《交錯する戦場》 各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。 人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。 第4部 《新たなる神話》 戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。 連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。 それは、この世界で最も新しい神話。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

二度目の勇者は救わない

銀猫
ファンタジー
 異世界に呼び出された勇者星谷瞬は死闘の果てに世界を救い、召喚した王国に裏切られ殺された。  しかし、殺されたはずの殺されたはずの星谷瞬は、何故か元の世界の自室で目が覚める。  それから一年。人を信じられなくなり、クラスから浮いていた瞬はクラスメイトごと異世界に飛ばされる。飛ばされた先は、かつて瞬が救った200年後の世界だった。  復讐相手もいない世界で思わぬ二度目を得た瞬は、この世界で何を見て何を成すのか?  昔なろうで投稿していたものになります。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。

お小遣い月3万
ファンタジー
 異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。  夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。  妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。  勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。  ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。  夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。  夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。  その子を大切に育てる。  女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。  2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。  だけど子どもはどんどんと強くなって行く。    大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!

菊池 快晴
ファンタジー
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは 「まだ、死にたくない」という願いの通り異世界転生に成功する。  同じ病気で亡くなった親友のヴェルネルとレムリもこの世界いるはずだと アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう  最初の武器は木の棒!?  そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。  何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら 困難に立ち向かっていく。  チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!  異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。  話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい! ****** 完結まで必ず続けます ***** ****** 毎日更新もします *****  他サイトへ重複投稿しています!

処理中です...