クラス転移で俺だけ勇者じゃないのだが!?~召喚した配下で国を建国~

かめ

文字の大きさ
18 / 41
第二章〜フューズ王国〜

第15話 再び

しおりを挟む
「次の方どうぞ」

「これお願いします」

「えっと、こちらは……ワイルドボア討伐依頼ですね。少々お待ち下さい」

 俺が村長から貰った依頼票クエストシートを渡すと受け付けのお姉さんはカウンターの奥へはいっていき、しばらくしてお金を持ってきた。

「依頼達成を確認致しました。こちらが報酬の5000ゴールドですね」

「すみません、ワイルドボアの素材が取れたんですけど、ここで換金って出来ますか?」

「はい出来ますよ!ここに出してください」

 俺は言われた通りに、籠の中にワイルドボアの毛皮やら牙やらを出していく。

「ちょ、ちょっと待ってください。なんか量多くないですか?それにこの毛皮……綺麗すぎるし……」

「え? そうなんですか?」

 やっぱ、ワイルドボア多かったのかよ。解体はカンナがやってくれたしなぁ。水魔法で血を洗い流すとか手伝いはしたけど、カンナの手際が良すぎてほぼカンナに任せてしまった。
 にしても解体するって結構大変なんだな。
 20匹近いイノシシが木に吊るされて、地面が血だらけになっている様子は猟奇的だった。

「アイテムバッグ持ちなんですね。ちょっと、お聞きしますが、ワイルドボアは何匹いましたか?」

「20匹くらい居たわね」

「えっ、よく無事でしたね……大半のEランクの冒険者なら命落としてますよ」

 確かにあの数に囲まれたらきついだろうな。まあカンナが強かったから逃げ出してたけれどな。

「大変でしたよ(追いかけるのが)」

「ですよね(死闘が)」

 ここに盛大な勘違いがあったのは誰も知る由もなかった。

「結構なお金になったな」

「そうね。まさか6万ゴールドにもなるとは思わなかったわ」

 どうやら毛皮の状態が良かったようで、いいお値段になったらしい。だいたい20匹だったから1匹3000ゴールドくらいか。ゴブリンが確か1匹500ゴールドだったから、そう考えると結構ワイルドボアの買取価格は高めだったんだな。

「結構稼げたし、なんか買うか!」

「そうですね!」

「服とかどうかしら?」

「いいんじゃないか?」

 親とか姉とかに荷物持ちとして連れ回されるショッピングは嫌いだが、可愛い子のファッションショーが見れるなら大歓迎である。まあ四〇元ポ〇ットがある今なら荷物持ちも全然苦じゃないんだけどな。

「いらっしゃいませー!」

 俺たちが入った店は大通にある小洒落た店だった。
 店にはチェックや、ストライプの柄のシンプルな服や、ビシッと決めるようなジャケットなどが売られていた。
 異世界にもこんな服あるんだなーとか思いながら店内を見渡す。
 どうやら試着も出来るようでカンナとリアンは試着室的なところでゴソゴソしている。

「見て下さい! これとかどうですかっ!?」

 そう言いながら、スカートを履いたカンナがクルリと一周する。

「良く似合ってると思うよ」

 そういうとカンナは嬉しそうにニヤニヤしている。尻尾も左右に揺れている。

「これはどうかしら?」

 リアンのほうを向くと、ドレスみたいなフリフリが付いた服を着ている。白い服がリアンの綺麗な赤い髪を際立たせている。

「可愛いよ。良く似合ってる」

「うぅ……うるさい! ばかっ」

 え?褒めたつもりだったんだけどな。
 でもこれはほっぺ赤いし照れてるのかな?

 カンナとリアンのファッションショーを楽しんでいた訳だが、ある服が目に留まった。
 そう、執事服だ。どうしてもこれを着てみたいと思った。

「すみません、これ試着してもいいですか?」

「もちろんいいですよ。ただ汚したら代金払ってもらわないといけないので気を付けてくださいね」

 俺は許可を貰うと、いそいそしながら着替えていく。

 服を着終わったその瞬間俺は気を失った。

 * * * *

「──にちは、斗真さん」

 ん……ここはどこだ?確か俺は執事服を着ようとしてたはずだったんだが……。
 ここは白い空間……?どこかで見た気がする。
 目の前には女神様が……。あっ!そうかここ女神様に前呼ばれたところか。

「ええ、そうよ。今日はちょっと話があったから呼び出させてもらったわ」

「……話ですか?」

「ええ、ちょっと説明が不十分だったので。前回の時間の関係で説明出来なかった部分と、あなたの質問に答えたいと思ってね。まず、人類の滅亡について原因は教えたけれど、いつ起こるかは教えてなかったわね」

 確かに前はいつ起こるかを教えて貰ってない。思えば結構大事な情報だな。
 今まで気づかなかった自分に軽くショックを受ける。

「時期としては女神の私でも正確には分からないけれど、未来予知によるとだいたいあと3年から6年くらいの間に起きるわ」

 早くてあと3年か……割と時間ないな。こりゃ、学園に行く暇もなさそうだ。
 そう思っていたのだが。

「だけど、学園には行った方がいいわよ。あそこには本もいっぱいあるし、学べることが沢山あると思うわ。あなたにはまだこの世界についての知識が全然足りないようだから、学びの場である学園が最適だと思うわ」

 確かに独学で学ぼうとしても、いろいろな人に聞いてまわらないといけないし、本だって、この世界では目当てのものを探すのは大変だ。その点学園は本も沢山あるし、教えてくれる人だっているだろう。
 まあ、勉強するとなると若干行きたくはなくなるが……。
 そういえば原因についてはもっと細かな情報はないのだろうか?

「私には視ることは出来ないわね。あくまで何かがあるとしかわからないわ」

 視るというのは未来を見ているということだろうか。それにしてもまるで心を読まれてるみたいだな。原因のことについて質問してないのにその答えが返ってきたからな。

「あら? 言ってなかったかしら、私は心を読むことが出来るのよ」

 やっぱりそうだったか。

「そういえば、カンナを召喚したときカンナはやけに従順だったんですけど、なんか理由があるんですか? てっきり、最初はあまりコミュニケーションも取れないレベルなのを覚悟していたんですけど」

「ええ、そうね。実は神聖召喚魔術ホーリーサモンは普通の召喚魔術と違って、召喚したものに最初から好意を持たせやすくなっているのよ。多分それが原因だと思うわ」

 なるほど、カンナが最初から好意的だったのはそういうことだったのか。ってことは、あのフォレストウルフも好意的だったからこそ、言う事を聞いてくれていたのだろうか。でも、あれは普通の召喚魔術だったけどなぁ。

「実は神聖召喚魔術ホーリーサモンを持っていると、普通の召喚魔術も同じような補正がかかるのよ。具体的に言えば、最初から好意的とか、自分の想像どおりの魔物や人が出てくるとかかしらね。普通の召喚魔術だとなかなか狙った魔物を召喚するというのは難しいのよ」

 普通の召喚魔術にも補正がかかるのか、便利だな。

「ちなみに神聖召喚魔術ホーリーサモンの補正がなかったら今頃あなたはフォレストウルフに噛み殺されていたわね。確かに魔力量は圧倒的だけれど、総合的にみたらフォレストウルフのほうが強いから従ってくれないと思うわ」

 まじか、無事だったからよかったけれど、一歩間違えたら大惨事だったのか。

「他に質問あるかしら?」

「そうですね……カンナと同じキツネ獣人は絶滅したんですか?」

「そうね、約500年前にほぼ絶滅したわね。今でも残ってなくはないけど、そんなにいないし、隠れて過ごしているから会うのはなかなか難しいと思うわ」

「その絶滅した原因ってなんだったんですか?」

「それはちょっと答えられないわ。ごめんなさいね」

 ふむ、答えられないのか。どこが境界線かは分からなかったけれど、言えない理由があるのだろう。
 取り敢えずはこんなところだろうか。

「他に質問はないようね。それじゃあ、頑張って下さいね!」


 * * * *

 ────ガンッ

 痛ってぇ。どうやら俺は気を失っていたようだ。気づいたときには全身の力が抜けており、壁に頭をぶつけてそのまま倒れ込んでいた。

 シャーァァ──

 カーテンが空き、カンナとリアンの顔が見える。

「大丈夫ですか!!」

「ああ、大丈夫だよ。ちょっと滑っただけだから」

「ほんとですか? 体調が悪いなら宿で休んだほうがいいですよ?」

「そうよ。無理は良くないわ」

 そうして俺は宿で休養を取らされる羽目になった。
 まあ美少女二人が看病してくれるのでむしろ嬉しいけどな。まあ別に病気でもなんでもないんだが。
 ちなみに夜ご飯はカンナがお粥みたいなものを作ってくれたんだが、相変わらず美味しかった。
しおりを挟む
感想 32

あなたにおすすめの小説

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》 楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。 理由は『最近流行ってるから』 数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。 優しくて単純な少女の異世界冒険譚。 第2部 《精霊の紋章》 ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。 それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。 第3部 《交錯する戦場》 各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。 人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。 第4部 《新たなる神話》 戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。 連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。 それは、この世界で最も新しい神話。

異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。

お小遣い月3万
ファンタジー
 異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。  夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。  妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。  勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。  ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。  夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。  夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。  その子を大切に育てる。  女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。  2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。  だけど子どもはどんどんと強くなって行く。    大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

二度目の勇者は救わない

銀猫
ファンタジー
 異世界に呼び出された勇者星谷瞬は死闘の果てに世界を救い、召喚した王国に裏切られ殺された。  しかし、殺されたはずの殺されたはずの星谷瞬は、何故か元の世界の自室で目が覚める。  それから一年。人を信じられなくなり、クラスから浮いていた瞬はクラスメイトごと異世界に飛ばされる。飛ばされた先は、かつて瞬が救った200年後の世界だった。  復讐相手もいない世界で思わぬ二度目を得た瞬は、この世界で何を見て何を成すのか?  昔なろうで投稿していたものになります。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!

菊池 快晴
ファンタジー
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは 「まだ、死にたくない」という願いの通り異世界転生に成功する。  同じ病気で亡くなった親友のヴェルネルとレムリもこの世界いるはずだと アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう  最初の武器は木の棒!?  そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。  何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら 困難に立ち向かっていく。  チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!  異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。  話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい! ****** 完結まで必ず続けます ***** ****** 毎日更新もします *****  他サイトへ重複投稿しています!

処理中です...