クラス転移で俺だけ勇者じゃないのだが!?~召喚した配下で国を建国~

かめ

文字の大きさ
19 / 41
第二章〜フューズ王国〜

第16話 護衛依頼

しおりを挟む
「俺は『ドラゴンファング』のリーダーのライアンだ。よろしく頼む」

「こちらこそよろしくお願いします」

 俺たちは、護衛依頼を受けていた。
 まだ、カンナたちには言ってはいないが、どっちにしろラノリア王立学園がある王都に向かう予定だったので、王都行きの商人の護衛依頼を受けることにしたのだ。
 ライアンさんは20代後半の190はある長身にがっしりとした体つきで、背中にはハルバードという槍と斧を合わせたような物を背負っていた。

「では、よろしく頼むぞ」

「おう、任せてくれ」

 そう商人であろう、おじさんが言うとライアンさんが自信を持って答える。

 俺たちと一緒に護衛依頼を受けているのはDランクパーティーのドラゴンファングだ。
 護衛依頼は基本的にはCランク以上じゃない限りは、2つのパーティーでやらないといけない決まりのため、ドラゴンファングと一緒に護衛依頼を受けている。
 ライアンさんから紹介されたメンバーは、皮鎧をして腰に短剣を携えた斥候役であるノーマン、スケイルアーマーをして腰には大盾と長剣を背負っているビル、怪しげなローブを着て、右手には杖を持っているベンの、むさ苦しい男パーティーだった。

「君、もしかして昨日ファウンダー辺境伯の息子に絡まれていた子かい?」

「ええ、そうです。見ていたんですか?」

「ああ、ちょっと女の子……じゃない。ちょっと買い物をしててね」

「おい、ノーマン!お前昨日遅いと思ったらまた女をナンパしてたのか」

 ノーマンは何処吹く風と聞き流すように顔を逸らす。

「取り敢えず出発しますよ、御二方」

「ああ、そうだったな。すまん」

 そうベンがいうと二人はバツが悪そうに笑っていた。

「そういえばさっきの話の続きなんですけど、ファウンダー辺境伯の息子を殴って大丈夫だったのか?」

「ええ、屋敷に呼び出されましたけど、逆にバカ息子をお灸を据えてくれてありがとうって言われましたよ」

「まあ、あのクソ貴族も幾度なく旅人をいびっていたからな。それにしてもスカッとしたぞ!あれはカッコよかったな」

 結構ガッツリ見られていたようだ。持ち上げられるのは嬉しいのだが、ちょっと恥ずかしい気もする。

「にしても、ほんとに可愛いお嬢ちゃんを連れてんなぁ。羨ましさで血の涙が出そうだよ」

「ばっ、お前がそれを言うかよ。散々女遊びをしてる癖によ」

「ハイハイ、喧嘩しないで下さい。みっともない」

 またまたベンさんが止めに入る。いつもこうなのだろうか?

「すまないね、いつもこんな感じでこの2人は喧嘩ばっかなんだよ。ビルは面倒くさがって放置しとけって言うけど、いつまでたっても終わらないからね。私が仲裁しないといけないのだよ」

 どうやら、ベンさんは苦労人のようだ。あれだな、多分パーティーの財布の紐とか握ってる人だな。見た感じ1番しっかりしてるのはベンさんだしね。

「はぁ、戦闘のときはもっと真面目だし、連携もちゃんと出来るのに何故こうも言い争いばっか起きるのか……」

 ベンさんお疲れ様です。

「フォッフォッフォ。賑やかでいいのう」

 まさかの商人はフォッフォッフォおじさんだった。
 いやー、現実にはいない、物語のなかでしか出てこないからある意味感動だな。

 王都までは10日間ぐらいかかるようで、間に街が2つほどあるらしい。
 幌馬車と呼ばれる、荷馬車に布の屋根がついたようなものを馬が運んでいる。
 この馬もファンタジー所以なのかわからないが、非常に便利な動物になっている。
 普通、馬は一日に飼料(草)を10キロくらい食べ、水は30~40キロほど飲むため、集団を作り、飼料専用に駄馬を用意しなければならないのだが、この世界の馬は木も食べることが出来るため、林が茂っている街道ではそこらじゅうで食事することが出来るうえ、あまりエサを必要としないため非常に物を運ぶ手段として重宝されている。

 ✳ ✳ ✳ ✳

「今日はここぐらいまでにしておこうか」


「ええ、そうですね」


 一応同じ依頼を受けているため臨時パーティーとなるのだが、あちらのほうがランクが高いため、リーダーはライアンさんがやっている。まあ、まだこっちは正式なパーティーは組んでいないのだが。

「篝火 《トーチ》!!」


 暗い森の中に火が3つ。
 現在俺たちは森の中の道の外れで野営の準備を進めていた。
 周りにある石などで石垣を作り、木などを集めて、篝火 《トーチ》の魔術で引火する。
 毎回これをすると、小学生のころのキャンプを思い出すものである。
 おじさんが、キャンプをするなかでサバイバル方法を色々教えてくれたりしたっけな。
 いつもどおり、カンナに指示を仰ぎつつ、野菜やら肉やらを分担して切っていく。そのおかげなのか最近料理スキルがついた。

「よし、これで完成かな?」

「おおー、いい匂いだなぁ」

 横の薪で干し肉と黒パンを食べていた、ライアンさんが犬のように鼻をひくつかせている。

「こっちは、野郎パーティーで料理をまともに出来るやつがいねーんだよな。てか、どっからその食材出したんだ?まさかずっと背負ってたのか?」

「いえ、実はアイテムバッグを持っていまして、その中に入れていたんですよ」

「かぁー、まだEランクの駆け出しなのにそんな物を持ってるのか。羨ましいじゃねーか!コノヤロウ」

 俺がカンナとリアンに目配せをすると二人はいいよ、と言うように頷く。

「良かったら一緒に食べますか?」

「遠慮なく頂きます!」

「あ、他の皆さんもいいですよ」

「よっしゃぁ!」

「フォッフォッフォ、美味そうじゃのう」

 今日のメニューはソーセージみたいなものが街で売っていたのでポトフみたいなものにした。
 俺たちはこれまた街で売っていた木の容器にポトフを入れていく。

「熱いので気をつけてくださいねー」

 カンナがそう言うと、冷ましもせずに口の中に放り込もうとしていたライアンさんが恥ずかしそうに頭をかいていた。

「「いただきます!!」」

「ん?なんだ?それは」

「ああ、これは俺の故郷での風習で、食べ物に感謝をする挨拶なんだ。この肉とか野菜とかは何らかの動物や植物が犠牲になってるだろ?命を頂き、自らの命にさせて頂きますという気持ちを込めて『いただきます』というんだ」

「なるほど、そうなのか。じゃあ俺たちも言わないとな」

「ああ、そうだな」

「じゃあ、せーの」

「「「いただきます!!!」」」

 ──モグッ

 うまい!ソーセージはパリッとしていて、噛む度に肉汁が溢れていく。うむ、こちらのジャガイモもどきも美味しいな。よく火が通っていてホクホクしている。

「「「うめぇ!!」」」

 ライアンさんたちは我を忘れたようにパクパクとポトフを食べていた。



「はぁ、食った食った」

「ああ、美味しかったな。街の中でもないのにこんな美味しい料理を食えるなんてな」

「街の中でもこんな美味しい料理なかなかないだろ」

「あ、そうだ。そういえばどんくらいお金を払えばいいんだ?」

「いや、別にお金は要らないですよ。ほら、一緒にご飯を食べるほうが美味しいじゃないですか?だから別にお金は要らないです」

「おう……そうか、悪いな。かわりといってはなんだが、なんか俺らに出来ることはないか?」

「そうですね……あ、そうだ。良ければ王都や王都にある学園についての話をしてくれませんか?」

「ああ、それくらいならおやすい御用だ」


 それから寝るまでのあいだ、ライアンさんたちが色々な話をしてくれた。
 王都についてや、王族についての話などから、行きつけの店の話などの細かなところの話まで色々聞くことが出来た。

「あ、そういえば見張りの順番はどうしますか?」

「ああ、今日はご馳走して貰ったから俺たちがやっておくよ。どっちにしろ俺らのパーティーは4人いるからそこまで1人の負担は大きくないからさ」

「ありがとうございます!」


 寝る前に俺は日課の魔術の練習する。

「ッチ、また失敗かぁ」

「もっと、イメージを明確にしないとだめよ。こう水を帯状に持ってなにかを切り裂くイメージで」

 俺は水魔術Lv3の水刃ウォーターウィップを練習していた。魔術のレベルが上がるにつれて、当然制御するのも難しくなっていく。今はリアンに教わりながら練習中だ。もう2日も掛かっているため非常にもどかしく感じている。まあ普通はこのレベルに達するまで早くて半年はかかるそうだがな。

「こうやるのよ。水刃ウォーターウィップ!!」

 リアンがそう詠唱をすると2本のムチのようなものが木を切り裂く。

「うーん、難しいなぁ」

「まあ、練習あるのみよ。逆にそんなすぐに出来たら私が泣くわよ」


 魔術もなかなか難しいものである。

 名称:楠木斗真  年齢:17歳

 種族:人族

 職業:召喚士

 状態:平常

 ステータス レベル:6

 HP:352 MP:10858 腕力:138 体力:135 敏捷:220 知力:317 魔力:690 器用:82

 スキル
 剣術Lv2,火魔術Lv3、水魔術Lv2,浄化魔術Lv1,召喚術LvMax,魔力回復上昇Lv5、詠唱短縮、料理Lv1


 ユニークスキル
 鑑定LvMax、鑑定偽造


 エクストラスキル
 アイテムボックス(異)


 固有魔法
 神聖召喚魔術ホーリーサモンLv1


 称号
 異世界人、救世主、Eランク冒険者


 オークのレーザーアーマー
しおりを挟む
感想 32

あなたにおすすめの小説

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》 楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。 理由は『最近流行ってるから』 数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。 優しくて単純な少女の異世界冒険譚。 第2部 《精霊の紋章》 ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。 それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。 第3部 《交錯する戦場》 各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。 人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。 第4部 《新たなる神話》 戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。 連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。 それは、この世界で最も新しい神話。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

二度目の勇者は救わない

銀猫
ファンタジー
 異世界に呼び出された勇者星谷瞬は死闘の果てに世界を救い、召喚した王国に裏切られ殺された。  しかし、殺されたはずの殺されたはずの星谷瞬は、何故か元の世界の自室で目が覚める。  それから一年。人を信じられなくなり、クラスから浮いていた瞬はクラスメイトごと異世界に飛ばされる。飛ばされた先は、かつて瞬が救った200年後の世界だった。  復讐相手もいない世界で思わぬ二度目を得た瞬は、この世界で何を見て何を成すのか?  昔なろうで投稿していたものになります。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。

お小遣い月3万
ファンタジー
 異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。  夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。  妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。  勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。  ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。  夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。  夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。  その子を大切に育てる。  女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。  2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。  だけど子どもはどんどんと強くなって行く。    大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。

処理中です...