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第二章〜フューズ王国〜
閑話 クラスメイト
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私の名前はジェシカ、ラノリア王立学園の冒険科Sクラスの生徒よ。
今日も授業が終わり帰ろうとしていたのだけれど……
「あら?何用かしら?ここをラノリア王立学園と知ってのことかしら?」
何やら学園をずっと見つめている怪しげな三人組を見つけた。王立学園に入学したいのなら、試験はもう1か月前に終わったですし、アホでもない限り間違えないわ。あるとしたら編入生なのですけど、どうみても冒険者のような身なりなのでとても貴族の推薦状を持っているとは思えませんわ。
「ええ、実はファウンダー辺境伯にラノリア王立学園への推薦を受けたんです。推薦状をお渡ししたいんですけど、どうすればいいかわからなくて」
驚きましたわ。あのファウンダー辺境伯が推薦状を渡すなんて。あの方が少々変わっていますが、一代で男爵から辺境伯へと成り上がった天才と聞いておりますわ。
これは丁重に案内しないと行けませんわね。
「そうだったのね、ついてらっしゃい」
私は動揺を悟られないように声をかけ、その三人組を学園内の学園長室へと案内した。
──コンコンッ
私はドアノブを捻り、ドアを開ける。
──ガチャ
「失礼します」
「フォッフォッフォ、なにようじゃ?」
「学園長先生、この人達がファウンダー辺境伯から推薦状を貰って来たそうです」
「おう、どれじゃ?ほれ、見せてみぃ」
「えっと、商人の……おじさん?」
商人のおじさん……ああ、学園長の弟さんと間違えているのね。弟さんと面識があるのに学園長を知らないのは不思議だけれど、もしかしたら、この三人を驚かそうとしていたのかしらね?
「フォッフォッフォ、お主らはローガンにあったのか。あれは儂の弟じゃ。儂の名前はモーガン・フルーマンじゃ」
1回だけ見かけたことがあるけど、凄い似ているから間違えるのも無理ないわ。
「そうだったんですか!? すみません。あ、これ推薦状です」
「ふむふむ、確かにファウンダー辺境伯直筆のようじゃな。よし、軽い試験をやってから見極めてやろう」
さて、これで私の仕事は終わりかしらね。三人は学園長に連れられて演習場へと連れてかれた。
✳ ✳ ✳ ✳
「おーっす、ジェシカ」
「おはようございます、フィリップ」
「おいおい、今日もお堅いなぁ、敬語じゃなくていいってのに」
「じゃあ、うるさいから黙ってくださる?話しかけないでほしいわ」
私は笑顔でフィリップに言う。
「うっ……そういうことじゃないよ……」
目に見えるようにフィリップがシュンとする。
はぁ、朝から疲れますわね。フィリップは魔術も座学も出来て優秀なのですけど、たまにうざいですわね。
「おはようございます、ユーユ」
「おはよ……これ」
「これは……なんですの?」
「……魔物と話す道具……」
「相変わらず、凄いですわね」
「……作ったけど、魔物いない……理論上は可能なはず……」
この子はユーユ、小柄で可愛いらしい女の子だけれど、見た目に反して、かなり魔物の研究にのめり込んでるわね。その上魔術士としても一角の才能がある天才だわ。まあ、本人は魔物の研究にしか興味がみたいだけれど。
「そういえば、今日編入生が来るらしいね、ジェシカ君」
彼はそう言いながらメガネをクイッとあげる。彼の名前はグラッグ、同じクラスメイトにして、このクラスの委員長的存在だわ。性格は真面目な方でこのクラスの数少ないまともな人ね。
「あら? もしかしたら昨日私が案内した人たちかも知れませんわね?」
「え? ジェシカはもう会ったのか? どんな奴だったんだ?」
「えっと、男1人、女2人の三人組でしたわね。見た目は冒険者っぽくて、ファウンダー辺境伯の推薦を受けたと言っていましたわ」
「女……女の子かぁ……楽しみだなぁ」
そう、フェルトが言う。
「あら、貴方が付け入る隙は無さそうだったわよ?」
「フェルトだったら、無理やり奪いかねないなー」
「失礼なっ!俺は紳士だからちゃんと口で口説いてみせますよ!」
「はいはい、そう言って成功した試しがないでしょ?」
「……ダメだよジェシカ、現実見せたら可哀想……」
「うぅ、なんで皆そんなこというんだよぉぉー!!!」
そう言いながらフェルトは廊下へと走っていった。
「にしても遅いな」
「ええ、もしかしたら迷ってるのかしらね?」
「ああ、そうかも知れないな。すまないがジェシカ君が連れてきてくれないか?僕達はみんな面識がないから分からないのでね」
「ええ、分かったわ」
確かにこの学園は迷路みたいになっているし、迷うのも無理ないわ。ホームルームまでに連れてこないといけないわね。
私は来た道を戻って入口まで歩く。
(いたわね……さてどうやって話しかけようかしら。ここはやっぱり偶然を装って話しかけるのがいいかしらね)
「あら? 昨日の……。どうかしましたの?その様子を見ると無事編入出来たみたいですわね」
今日も授業が終わり帰ろうとしていたのだけれど……
「あら?何用かしら?ここをラノリア王立学園と知ってのことかしら?」
何やら学園をずっと見つめている怪しげな三人組を見つけた。王立学園に入学したいのなら、試験はもう1か月前に終わったですし、アホでもない限り間違えないわ。あるとしたら編入生なのですけど、どうみても冒険者のような身なりなのでとても貴族の推薦状を持っているとは思えませんわ。
「ええ、実はファウンダー辺境伯にラノリア王立学園への推薦を受けたんです。推薦状をお渡ししたいんですけど、どうすればいいかわからなくて」
驚きましたわ。あのファウンダー辺境伯が推薦状を渡すなんて。あの方が少々変わっていますが、一代で男爵から辺境伯へと成り上がった天才と聞いておりますわ。
これは丁重に案内しないと行けませんわね。
「そうだったのね、ついてらっしゃい」
私は動揺を悟られないように声をかけ、その三人組を学園内の学園長室へと案内した。
──コンコンッ
私はドアノブを捻り、ドアを開ける。
──ガチャ
「失礼します」
「フォッフォッフォ、なにようじゃ?」
「学園長先生、この人達がファウンダー辺境伯から推薦状を貰って来たそうです」
「おう、どれじゃ?ほれ、見せてみぃ」
「えっと、商人の……おじさん?」
商人のおじさん……ああ、学園長の弟さんと間違えているのね。弟さんと面識があるのに学園長を知らないのは不思議だけれど、もしかしたら、この三人を驚かそうとしていたのかしらね?
「フォッフォッフォ、お主らはローガンにあったのか。あれは儂の弟じゃ。儂の名前はモーガン・フルーマンじゃ」
1回だけ見かけたことがあるけど、凄い似ているから間違えるのも無理ないわ。
「そうだったんですか!? すみません。あ、これ推薦状です」
「ふむふむ、確かにファウンダー辺境伯直筆のようじゃな。よし、軽い試験をやってから見極めてやろう」
さて、これで私の仕事は終わりかしらね。三人は学園長に連れられて演習場へと連れてかれた。
✳ ✳ ✳ ✳
「おーっす、ジェシカ」
「おはようございます、フィリップ」
「おいおい、今日もお堅いなぁ、敬語じゃなくていいってのに」
「じゃあ、うるさいから黙ってくださる?話しかけないでほしいわ」
私は笑顔でフィリップに言う。
「うっ……そういうことじゃないよ……」
目に見えるようにフィリップがシュンとする。
はぁ、朝から疲れますわね。フィリップは魔術も座学も出来て優秀なのですけど、たまにうざいですわね。
「おはようございます、ユーユ」
「おはよ……これ」
「これは……なんですの?」
「……魔物と話す道具……」
「相変わらず、凄いですわね」
「……作ったけど、魔物いない……理論上は可能なはず……」
この子はユーユ、小柄で可愛いらしい女の子だけれど、見た目に反して、かなり魔物の研究にのめり込んでるわね。その上魔術士としても一角の才能がある天才だわ。まあ、本人は魔物の研究にしか興味がみたいだけれど。
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「あら? もしかしたら昨日私が案内した人たちかも知れませんわね?」
「え? ジェシカはもう会ったのか? どんな奴だったんだ?」
「えっと、男1人、女2人の三人組でしたわね。見た目は冒険者っぽくて、ファウンダー辺境伯の推薦を受けたと言っていましたわ」
「女……女の子かぁ……楽しみだなぁ」
そう、フェルトが言う。
「あら、貴方が付け入る隙は無さそうだったわよ?」
「フェルトだったら、無理やり奪いかねないなー」
「失礼なっ!俺は紳士だからちゃんと口で口説いてみせますよ!」
「はいはい、そう言って成功した試しがないでしょ?」
「……ダメだよジェシカ、現実見せたら可哀想……」
「うぅ、なんで皆そんなこというんだよぉぉー!!!」
そう言いながらフェルトは廊下へと走っていった。
「にしても遅いな」
「ええ、もしかしたら迷ってるのかしらね?」
「ああ、そうかも知れないな。すまないがジェシカ君が連れてきてくれないか?僕達はみんな面識がないから分からないのでね」
「ええ、分かったわ」
確かにこの学園は迷路みたいになっているし、迷うのも無理ないわ。ホームルームまでに連れてこないといけないわね。
私は来た道を戻って入口まで歩く。
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