【研磨】追放されたゴミ拾い令嬢、実は原子レベルの【磨き上げ】で世界を新生させる ~ボロ屋敷を神殿に、錆びた聖剣を究極の神器にリセットしたら、

小林 れい

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第1巻:追放と開拓・聖域生成編

【第 5 話】魔導装置から咲いた花と失くした子供のおもちゃ ~聖域の守り人たちの過去~

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「まったく、この土の不純物を全部削ぎ落とすのは大変だ… 指先が痛いし、また何か暴走させちゃうかも…」
アイリスは膝をついて地面を指先でなぞり、土の分子を整列させて聖域の防御層を強化していた。周りにはルナの羽根を目当てに集まった小さな森の精霊たちが飛び回り、「まぶしい!太陽よりまぶしい羽根だ!」「アイリスちゃんの手で私たちの葉っぱを磨いてくれ~」と囲まれていた。クラウスは傍で剣を磨いていたが、アイリスが不意に彼の鎧に指を触れてしまった —— 瞬間的に鎧の摩擦係数がゼロになり、クラウスは足元を滑らせてバックリ転がり、剣を空中に飛ばしてしまった。
「くっ!アイリス!またそれだ!この鎧は何度滑らせるんだ!」
「すみませんすみません!無意識に触れちゃったんだ!今すぐ摩擦を戻すから!」
アイリスは慌ててクラウスの鎧を撫で、鎧の表面が少し粗くなって滑り止めができた。クラウスは苦労して立ち上がり、剣を拾って眉をひそめた。「まったく、この能力は便利だけど、暴走すると俺たちが被害者になるよ…」
正当その瞬間、空に激しい爆破音が響いた。アイリスは上を見上げると、帝国の先遣隊の魔導戦艦が空から降ってきて、黒い砲身を聖域に向けていた。砲身からは黒い煙が立ち上がり、「汚染魔導砲」の銘が刻まれていた —— これは聖域の清らかな空気を汚染し、アイリスの能力を封印するための兵器だった。
「アイリス卿! 王子様の命令で、この聖域を汚染してお前を捕らえる! 抵抗しても無駄だ!」
先遣隊の隊長が叫ぶと、魔導砲から黒い弾丸が飛んできた。アイリスは反射的に手を前に出し、弾丸を包み込んだ。すると、黒い不純物が瞬時に消えて、弾丸は黄金色の向日葵の種に変わり、地面に落ちて一瞬で大きな向日葵の花畑になった。先遣隊の兵士たちは目を丸くして花畑を見つめ、声を震わせた。
「何だこれ! 魔導弾が花になった?」
「あの令嬢の能力は本当に魔術だ!」
アイリスは慌てて手を振った。「すみません! ただ汚れを落としただけなのに…」
隊長は怒って兵士たちを指揮した。「銃で撃て! 花畑なんて関係ない!」
兵士たちが銃を構えると、アイリスは無意識に地面を撫でた —— すると、兵士たちの靴底が瞬時に滑りやすくなり、全員が向日葵の花畑に滑り込み、パッと転がってしまった。クラウスは剣を抜いて隊長に飛びかかり、彼の腕を捕まえた。
「王子様の次の計画は何だ? 早く言え!」
隊長は顔を真っ赤にして叫んだ。「くっ! 王子様は『アイリス卿の能力を封印するための装置』を用意している! それは… 卿が子供の時に失くした銀のリボンを核心にした魔導装置だ! リボンには卿の幼少期のエネルギーが宿っているから、能力を封じ込めることができる!」
アイリスはその言葉を聞いて、足元がくらんだ。「銀のリボン… 私が 7 歳の時にお城の庭で失くしたあのリボンだ… 王子さんが拾っていたの?」
彼女の心には幼少期の記憶が蘇った —— 母親からもらった銀のリボンをつけて庭で遊んでいたとき、突然王子が走ってきてリボンを引っ張り取り、「無能な令嬢にはこんな高級なものは似合わない」と言って捨てたと思っていたが、実は彼が拾って保管していたのだった。
「まったく、あのクズ王子… 私のリボンを使って私の能力を封じ込めようとするなんて、下劣だ!」
アイリスは歯を食いしばり、聖剣を握りしめた。クラウスは彼女の肩を押して、堅い声で言った。「アイリス、大丈夫だ。俺がその装置を破壊する。あなたは聖域を守ってくれればいい。」
ルナは頭上から羽根を煽り、叫んだ。「私も王子さんの目をまぶしくする! 彼が装置を操作するのを邪魔する!」
アイリスは二人の顔を見て、少し安心した。だけど内心では不安がよぎった —— 自分のリボンが使われた装置には、本当に自分の能力を封じ込められるのか? もし能力を失ったら、この聖域と仲間たちを守れなくなるのではないか…
正当その時、遠くに帝国全軍の角笛の音が響いた。空には無数の魔導戦艦が集まり、王子クリストファーの旗が風になびいていた。アイリスは先遣隊の隊長のポケットから、銀のリボンの破片が見えた —— それは彼女が子供の時につけていたリボンの一部だった。
「それは… 私のリボンだった…」
アイリスは指先を震わせて、リボンの破片に手を伸ばした。その瞬間、彼女の能力がリボンの中の「王子の不純物」を感知した —— 傲慢、虚栄、そしてリボンを汚すような邪悪な魔力が宿っていた。
彼女は聖域の向日葵の花畑を見つめ、内心で叫んだ。「… まったく、あのクラウス王子。今まで私を追い出して無能と呼んでいたくせに、今度は私のリボンを使って私を捕まえようとする… だけど、この聖域と仲間たちを守るためなら、何をしてもいい。王子さんの装置なんて、絶対に破壊する!」
アイリスはクラウスとルナに向かって、力強く叫んだ。「準備はできたか? 帝国全軍との戦い、始めましょう!」
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