【研磨】追放されたゴミ拾い令嬢、実は原子レベルの【磨き上げ】で世界を新生させる ~ボロ屋敷を神殿に、錆びた聖剣を究極の神器にリセットしたら、

小林 れい

文字の大きさ
6 / 8
第1巻:追放と開拓・聖域生成編

【第 6 話】汚された銀のリボンと向日葵の幻影 ~聖域を守るための真の能力~

しおりを挟む
「まったく、あのクズ王子がどんな悪巧みを仕込んでるか分からない… 手に汗握って聖剣が滑りそうだし、リボンの破片に宿った彼の魔力が私の能力を邪魔するんじゃないか… 母がくれた初めてのプレゼントをこんな風に汚されるなんて、悔しい限りだ」
アイリスは向日葵の花畑の端に立ち、指先で聖剣の柄を擦りながら内心をざわつかせていた。クラウスが水筒を差し出して、眉をひそめて吐槽した。「緊張しすぎると能力が暴走するぞ、前回の地面で俺が三回落ちたのを忘れたか? 今回はぜひ自分たちが滑らないように調整してくれ」
肩の上に止まってるルナが羽根を煽り、元気よく叫んだ。「アイリスちゃん、大丈夫! 私が王子さんの装置をまぶしさ MAX で目隠しする! 彼がボタンを押す前に、羽根の閃光で視界を奪う!」
正当その瞬間、空に激しい爆音が響いた。帝国の魔導戦艦が一斉に砲撃を開始し、黒い弾丸が聖域に向かって落ちてくる。アイリスは反射的に手を前に出し、「汚れを消せ…!」と呟いた。大半の弾丸は黄金色の向日葵の種に変わって地面に落ち、一瞬で花畑が広がったが、三つの弾丸だけが黒い花に変わって咲いた。
「なにこれ! 魔力が汚れてる!」
アイリスが黒い花に指を触れた瞬間、指先が麻痺して能力が暴走した。足下の地面が突然鏡面になり、クラウスが滑り込んでバックリ転がり、ルナも肩から落ちて花に埋もれた。「くっ! アイリス、何をしてる! これで敵が来たら逃げられないぞ!」
その時、王子クリストファーの旗が立つ旗舰から大きな声が響いた。「アイリス! 見てみろ! これがお前の幼少期のリボンで作った『能力封印装置』だ! お前の純粋な気持ちを汚して、能力を俺のものにする!」
旗舰の船首には銀のリボンが纏わった黒い魔導装置が設置されていて、リボンが黒い煙を吐きながら輝いた。アイリスの頭には幼少期の記憶が蘇った ——7 歳の時にお城の庭でリボンをつけて遊んでいたら、王子が突然走ってきてリボンを引っ張り取り、「無能な令嬢にはこんな高級なものは似合わない」と捨て去った場面だった。
「あの時の悔しさ… 絶対に忘れてない! 今度は逃げない!」
アイリスは歯を食いしばり、ポケットに入れてる母のハンカチを取り出した。ハンカチの端にはリボンと同じ銀の刺繍が施されていて、母の温もりが残ってた。彼女は指先で刺繍を磨き、「私の真の気持ちで…!」と呟いた。
すると、銀の刺繍が輝き始め、装置から出てる黒い煙が瞬時に消えた。アイリスの能力が正常化し、鏡面の地面が少しだけ粗さを増して歩きやすくなった。「やった! 自分の純粋な気持ちで能力をコントロールできる!」
彼女は指先を旗舰の装置に向け、「汚れを全部削ぎ落とせ!」と叫んだ。黒い装置は銀の光りに包まれて、一瞬で純銀のリボンに変わり、風に乗ってアイリスの手元に飛んできた。同時に、帝国全軍の戦艦の船底の摩擦がゼロになり、船同士が滑り込んで衝突し合い、爆音と叫び声が空に響いた。
「船が滑る! 衝突するぞ!」
「お前たち、操舵しろ! エンジンが止まった!」
王子の旗舰も傾き始め、クリストファーが怒鳴りながら脱出艇に乗り込んだ。「アイリス! これで終わりじゃない! 俺はお前の能力を絶対に手に入れる!」
脱出艇が空に上がって逃げるのを見て、アイリスは長い息を吐き出した。クラウスが歩いてきて、剣を鞘に収めた。「今回は運が良かったが、王子はまた何かを準備してるだろう。聖域の防御を強化する必要がある」
ルナが花から飛び上がって肩に戻り、リボンを見て嬉しそうに叫んだ。「アイリスちゃんのリボンまっぴら! 母さんの気持ちが宿ってるから、絶対に汚されない!」
アイリスは手の中のリボンを撫で、内心で复盘した。「まったく、あのクラウス王子がこんなに早く逃げるなんて… リボンを取り戻せて良かったけど、彼の目的はただ私の能力を奪うだけじゃない気がする… なぜ突然母のリボンを使って装置を作ったのか? 何か大事なことを見落としてるのか?」
彼女はリボンを髪につけて、向日葵の花を摘もうとした。すると、花の中心に母の幻影が映り、「アイリス、自分の気持ちを信じて… 大事なものは永遠に消えない」と囁いた。アイリスは目を丸くして「母さん?」と叫んだが、幻影はすぐに消えた。だけど、花の実が銀の光りを放ち始めた。
「あれは何だ? 花の実が銀に輝いてる」
クラウスが指差すと、アイリスは実を摘んで開いた。中には小さな銀の魔導具が入っていて、母の名前のイニシャルが刻まれてた —— これは母が魔導戦争で使ってた「記憶の結晶」だった。
「これは… 母の遺物? 王子がこれを探してたのか?」
正当その時、王子が逃げた方向から黒い煙が立ち上がり、激しい爆音が響いた。ルナが空を見て叫んだ。「あの方向で何か爆発した! 王子さんがまた何か悪巧みをしてる!」
アイリスは記憶の結晶を手に握り、聖剣を振り上げた。「まったく、また大変なことになった… だけど、これからもクラウスさんとルナちゃんと一緒に、聖域と大事なものを守る!」
空は夕暮れに染まり、向日葵の花畑が銀の光りを放ち始めた —— これがアイリスたちの新しい試練の始まりだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

自業自得じゃないですか?~前世の記憶持ち少女、キレる~

浅海 景
恋愛
前世の記憶があるジーナ。特に目立つこともなく平民として普通の生活を送るものの、本がない生活に不満を抱く。本を買うため前世知識を利用したことから、とある貴族の目に留まり貴族学園に通うことに。 本に釣られて入学したものの王子や侯爵令息に興味を持たれ、婚約者の座を狙う令嬢たちを敵に回す。本以外に興味のないジーナは、平穏な読書タイムを確保するために距離を取るが、とある事件をきっかけに最も大切なものを奪われることになり、キレたジーナは報復することを決めた。 ※2024.8.5 番外編を2話追加しました!

地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした

阿里
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!

寿明結未(ことぶき・あゆみ)
ファンタジー
夏祭り中に異世界召喚に巻き込まれた、ただの一般人の桜木ユリ。 皆がそれぞれ素晴らしいスキルを持っている中、桜木の持つスキルは【石を出す程度の力】しかなく、余りにも貧相なそれは皆に笑われて城から金だけ受け取り追い出される。 この国ではもう直ぐ戦争が始まるらしい……。 召喚された3人は戦うスキルを持っていて、桜木だけが【石を出す程度の能力】……。 確かに貧相だけれど――と思っていたが、意外と強いスキルだったようで!? 「こうなったらこの国を抜け出して平和な国で就職よ!」 気合いを入れ直した桜木は、商業ギルド相手に提案し、国を出て違う場所で新生活を送る事になるのだが、辿り着いた国にて、とある家族と出会う事となる――。 ★暫く書き溜めが結構あるので、一日三回更新していきます! 応援よろしくお願いします! ★カクヨム・小説家になろう・アルファポリスで連載中です。 中国でコピーされていたので自衛です。 「天安門事件」

妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~

サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――

聖女解任ですか?畏まりました(はい、喜んでっ!)

ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私はマリア、職業は大聖女。ダグラス王国の聖女のトップだ。そんな私にある日災難(婚約者)が災難(難癖を付け)を呼び、聖女を解任された。やった〜っ!悩み事が全て無くなったから、2度と聖女の職には戻らないわよっ!? 元聖女がやっと手に入れた自由を満喫するお話しです。

【完結】無能聖女と呼ばれ婚約破棄された私ですが砂漠の国で溺愛されました

よどら文鳥
恋愛
エウレス皇国のラファエル皇太子から突然婚約破棄を告げられた。 どうやら魔道士のマーヤと婚約をしたいそうだ。 この国では王族も貴族も皆、私=リリアの聖女としての力を信用していない。 元々砂漠だったエウレス皇国全域に水の加護を与えて人が住める場所を作ってきたのだが、誰も信じてくれない。 だからこそ、私のことは不要だと思っているらしく、隣の砂漠の国カサラス王国へ追放される。 なんでも、カサラス王国のカルム王子が国の三分の一もの財宝と引き換えに迎え入れたいと打診があったそうだ。 国家の持つ財宝の三分の一も失えば国は確実に傾く。 カルム王子は何故そこまでして私を迎え入れようとしてくれているのだろうか。 カサラス王国へ行ってからは私の人生が劇的に変化していったのである。 だが、まだ砂漠の国で水など殆どない。 私は出会った人たちや国のためにも、なんとしてでもこの国に水の加護を与えていき住み良い国に変えていきたいと誓った。 ちなみに、国を去ったエウレス皇国には距離が離れているので、水の加護はもう反映されないけれど大丈夫なのだろうか。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

処理中です...