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第四巻:怒涛の海洋・通商編
第三十三話:【通商】南国の商人と「鑑定」対決。……その真珠、核(芯)がプラスチックじゃない。
海賊船を「構造的欠陥」として物理的に解体し、海を掃除してから数日。リセットを乗せた『シルキー・スリーパー号』は、南洋の貿易拠点である自由都市「カナン」へと入港した。 そこは帝国の厳格な法すら届かぬ、欲望と金が渦巻く極彩色の港町だ。港に降り立ったリセットを待ち受けていたのは、熱帯特有の肌にまとわりつく湿気と、人々の熱狂という名の不純物だった。
「……陛下、一分だけ時間をあげるわ。今すぐこの街の全住民に『黙りなさい』と命令して。……鑑定結果を言うまでもなく、この喧騒と湿気は私の繊細な神経を研磨して、安眠の在庫を底付かせるテロ行為よ」
リセットは、日差しを遮るための特製魔導日傘(紫外線を鑑定して一ミクロンも通さない逸品)を差し、顔をしかめた。 隣を歩くエドワルドは、軽装の軍服を粋に着こなし、周囲の商人たちをその覇気だけでひれ伏させながら、楽しげに肩をすくめる。
「そう言うな、リセット。ここには世界中の『宝』が集まる。君が好む『最高級の寝具の種』や『幻のハーブ』も、この街のどこかに眠っているはずだ」
「宝? 陛下、あなたの目は節穴どころか、不純物が詰まりすぎて機能停止しているようね。……私の瞳に映るのは、虚栄心で塗り固められた偽物と、客を騙して一儲けしようとする薄汚れた欲求(ノイズ)だけよ」
そんな二人の前に、一人の男が立ちはだかった。 極彩色の絹を纏い、十本の指すべてに大粒の指輪をはめた男――この街を牛耳る伝説の豪商、バンダムだ。
「おやおや、帝国の若き皇帝陛下と……そのお飾りのお妃様ですかな? 帝国の『宝石苺』が話題ですが、このカナンの富に比べれば、ただの果実。……どうです、そちらの美しいお嬢さん。この『深海の涙』と呼ばれる、千年に一度しか採れない巨大真珠……これ一つで、あなたの国が三つは買える。興味はありますかな?」
バンダムが差し出したのは、リセットの拳ほどもある、妖しく七色に輝く巨大な真珠だった。周囲の野次馬たちが「おお……!」「本物だ、伝説の真珠だ!」とどよめく中、リセットはピクリとも表情を変えなかった。
「……ねえ、バンダムとかいう守銭奴。一言いいかしら。……あなたのその指、宝石の重みで指の骨が歪んでいるわよ。鑑定する価値もないけれど、健康に悪いから今すぐ海に捨ててきたら?」
「な、なんですと……! この真珠の価値が分からんのですか!」
「価値? ……はぁ。あまりに下劣すぎて、言葉にするのも億劫だわ。……陛下、ちょっと私の目を開かせて。この男の『メッキ』を剥がしてあげる。……鑑定開始」
リセットの瞳が、底冷えのする黄金色に燃え上がった。視界は真珠の表面を透過し、分子結合をスキャンし、その成り立ちという名の「過去」を逆再生していく。
【鑑定対象:自称・伝説の真珠『深海の涙』】 【内部構造:天然物ではない。芯(核)に使われているのは、古代遺跡から発掘された『魔導合成樹脂(プラスチック)』。】 【真実:表面に薄い真珠層を魔術で貼り付け、内部に『発光の魔法』を仕込んだだけの、安っぽい工芸品。】 【評価:千年に一度の宝? 笑わせないで。千円(小銭)の価値もない、環境を汚染する『燃えないゴミ』よ。】
「……いい、バンダム。あなたの言う『千年に一度の涙』って、これを売るためにあなたが絞り出した『嘘の涙』のことかしら? ……この真珠、核に使われているのは古代のゴミ……プラスチックよ。それに発光魔法をかけて、さも高価に見せかけているだけ。……これを宝と呼ぶなら、私の寝室にあるゴミ箱の中身は『神の宝物庫』になっちゃうわ」
静まり返る広場。バンダムの顔から、急速に血の気が引いていく。
「な、何を馬鹿な……! 私の鑑定に間違いはない! この女、デタラメを――」
「デタラメかどうか、今すぐ『研磨』して確かめてあげましょうか? ……陛下、剣を貸して。不純なものを斬るには、あなたのその無駄に鋭い刃がちょうどいいわ」
リセットはエドワルドの腰から長剣を奪い取ると、重いはずのそれを軽々と扱い、真珠の「ある一点」を正確に突いた。 パキィィィィィィィン!! という不快な音が響き、七色の真珠が真っ二つに割れた。中から現れたのは、乳白色をした、現代の技術では再現不可能なほど「安っぽい質感」の樹脂の塊だった。
「……あら。私の鑑定通りね。……バンダム。あなたの誇る『富』なんて、このプラスチックと同じくらい軽くて、中身が空っぽだわ。……こんなゴミを私に見せた罪、どう償ってくれるのかしら?」
リセットは、恐怖で腰を抜かしたバンダムを見下ろし、冷酷に微笑んだ。
「……陛下。この街の通商権、鑑定の結果『管理者(この男)が腐敗しすぎている』と出たわ。……今すぐ、この港の全利権を帝国が没収しなさい。……ついでに、この偽造品を売っていた倉庫を全部、私の安眠のための『アロマ工房』に作り替えましょう。……この不潔な海風を、私の好きなジャスミンの香りに書き換えてあげるわ」
「……ククッ、やはり君に商談を任せると早いな。……バンダム。君は、帝国で最も怒らせてはいけない女性を怒らせた。……リセットの安眠を邪魔した代償は、君の全財産でも足りないぞ」
エドワルドが背後からリセットの肩を抱き、勝ち誇ったように笑う。
「……ちょっと、陛下。勝手に私の成果を『商談』として処理しないで。私はただ、目の前のゴミが視神経に触るから掃除しただけよ。……あーあ、鑑定眼を使いすぎて、もう限界だわ。……今すぐこの男の館を接収して、最高級のシルクでベッドメイキングさせなさい。……私の二度寝、邪魔する不純物は……全員、このプラスチックと一緒に海の底へ沈めてあげるから」
(((……鑑定結果:大漁。……偽物を暴いたら、街一つ分の利権が転がり込んできたわ。……でも、これって結局、私が『管理』しなきゃいけない仕事が増えただけじゃないかしら……? ……私の隠居生活、水平線よりも遠くへ逃げていっている気がするわ……!)))
伝説の豪商を指先一つで失脚させ、自由都市カナンの胃袋を掴んだリセット。 彼女の「本物を見抜く力」は、南洋の貿易バランスを根底から覆し、帝国に莫大な富をもたらすことになる。 しかし、彼女を待っていたのは、安眠ではなく、さらなる「世界の不純物」からの挑戦状だった。
「……陛下、一分だけ時間をあげるわ。今すぐこの街の全住民に『黙りなさい』と命令して。……鑑定結果を言うまでもなく、この喧騒と湿気は私の繊細な神経を研磨して、安眠の在庫を底付かせるテロ行為よ」
リセットは、日差しを遮るための特製魔導日傘(紫外線を鑑定して一ミクロンも通さない逸品)を差し、顔をしかめた。 隣を歩くエドワルドは、軽装の軍服を粋に着こなし、周囲の商人たちをその覇気だけでひれ伏させながら、楽しげに肩をすくめる。
「そう言うな、リセット。ここには世界中の『宝』が集まる。君が好む『最高級の寝具の種』や『幻のハーブ』も、この街のどこかに眠っているはずだ」
「宝? 陛下、あなたの目は節穴どころか、不純物が詰まりすぎて機能停止しているようね。……私の瞳に映るのは、虚栄心で塗り固められた偽物と、客を騙して一儲けしようとする薄汚れた欲求(ノイズ)だけよ」
そんな二人の前に、一人の男が立ちはだかった。 極彩色の絹を纏い、十本の指すべてに大粒の指輪をはめた男――この街を牛耳る伝説の豪商、バンダムだ。
「おやおや、帝国の若き皇帝陛下と……そのお飾りのお妃様ですかな? 帝国の『宝石苺』が話題ですが、このカナンの富に比べれば、ただの果実。……どうです、そちらの美しいお嬢さん。この『深海の涙』と呼ばれる、千年に一度しか採れない巨大真珠……これ一つで、あなたの国が三つは買える。興味はありますかな?」
バンダムが差し出したのは、リセットの拳ほどもある、妖しく七色に輝く巨大な真珠だった。周囲の野次馬たちが「おお……!」「本物だ、伝説の真珠だ!」とどよめく中、リセットはピクリとも表情を変えなかった。
「……ねえ、バンダムとかいう守銭奴。一言いいかしら。……あなたのその指、宝石の重みで指の骨が歪んでいるわよ。鑑定する価値もないけれど、健康に悪いから今すぐ海に捨ててきたら?」
「な、なんですと……! この真珠の価値が分からんのですか!」
「価値? ……はぁ。あまりに下劣すぎて、言葉にするのも億劫だわ。……陛下、ちょっと私の目を開かせて。この男の『メッキ』を剥がしてあげる。……鑑定開始」
リセットの瞳が、底冷えのする黄金色に燃え上がった。視界は真珠の表面を透過し、分子結合をスキャンし、その成り立ちという名の「過去」を逆再生していく。
【鑑定対象:自称・伝説の真珠『深海の涙』】 【内部構造:天然物ではない。芯(核)に使われているのは、古代遺跡から発掘された『魔導合成樹脂(プラスチック)』。】 【真実:表面に薄い真珠層を魔術で貼り付け、内部に『発光の魔法』を仕込んだだけの、安っぽい工芸品。】 【評価:千年に一度の宝? 笑わせないで。千円(小銭)の価値もない、環境を汚染する『燃えないゴミ』よ。】
「……いい、バンダム。あなたの言う『千年に一度の涙』って、これを売るためにあなたが絞り出した『嘘の涙』のことかしら? ……この真珠、核に使われているのは古代のゴミ……プラスチックよ。それに発光魔法をかけて、さも高価に見せかけているだけ。……これを宝と呼ぶなら、私の寝室にあるゴミ箱の中身は『神の宝物庫』になっちゃうわ」
静まり返る広場。バンダムの顔から、急速に血の気が引いていく。
「な、何を馬鹿な……! 私の鑑定に間違いはない! この女、デタラメを――」
「デタラメかどうか、今すぐ『研磨』して確かめてあげましょうか? ……陛下、剣を貸して。不純なものを斬るには、あなたのその無駄に鋭い刃がちょうどいいわ」
リセットはエドワルドの腰から長剣を奪い取ると、重いはずのそれを軽々と扱い、真珠の「ある一点」を正確に突いた。 パキィィィィィィィン!! という不快な音が響き、七色の真珠が真っ二つに割れた。中から現れたのは、乳白色をした、現代の技術では再現不可能なほど「安っぽい質感」の樹脂の塊だった。
「……あら。私の鑑定通りね。……バンダム。あなたの誇る『富』なんて、このプラスチックと同じくらい軽くて、中身が空っぽだわ。……こんなゴミを私に見せた罪、どう償ってくれるのかしら?」
リセットは、恐怖で腰を抜かしたバンダムを見下ろし、冷酷に微笑んだ。
「……陛下。この街の通商権、鑑定の結果『管理者(この男)が腐敗しすぎている』と出たわ。……今すぐ、この港の全利権を帝国が没収しなさい。……ついでに、この偽造品を売っていた倉庫を全部、私の安眠のための『アロマ工房』に作り替えましょう。……この不潔な海風を、私の好きなジャスミンの香りに書き換えてあげるわ」
「……ククッ、やはり君に商談を任せると早いな。……バンダム。君は、帝国で最も怒らせてはいけない女性を怒らせた。……リセットの安眠を邪魔した代償は、君の全財産でも足りないぞ」
エドワルドが背後からリセットの肩を抱き、勝ち誇ったように笑う。
「……ちょっと、陛下。勝手に私の成果を『商談』として処理しないで。私はただ、目の前のゴミが視神経に触るから掃除しただけよ。……あーあ、鑑定眼を使いすぎて、もう限界だわ。……今すぐこの男の館を接収して、最高級のシルクでベッドメイキングさせなさい。……私の二度寝、邪魔する不純物は……全員、このプラスチックと一緒に海の底へ沈めてあげるから」
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