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最終話
しおりを挟む「無理?そうか…なら止めてやろうか?」
グチュ…と蜜壺からリリの蜜とライアンの精液がまとわりついた赤黒い陰茎を半分まで引き抜いた。コポリ、と精液がシーツにこぼれ落ちる。するとリリはいやいや、と首を振り腰を押し付ける。ライアンは口角を上げ、こう囁いた。
「首を振るだけでは分からないぞ。どうして欲しいかちゃんと言え」
「…らいあんさま、もっと、ほしい」
舌ったらずな甘えたような声はライアンの脳髄に響き思考力を容易く奪う。グルルル、と唸りリリをひっくり返し、うつ伏せの姿勢にしたリリの腰を高く上げ一気に貫いた。プシュ、と潮がシーツを濡らす。
「あああっ!そこっ!」
さっきと違うところに当たって気持ちいいのか一撃でリリは達してしまい、ライアンもまた絶頂した。リリの腹はライアンの逸物とたっぷりと注がれた精液のせいで膨らんでいる。
「こっちの方が好きかっ!はっ、本当の獣みたいだ」
艶然と笑うライアンはリリの顎を掴み強引に後ろを向かせて口付ける。だらしなく開いた唇を喰み舌を絡めながら陰茎を子宮口に突き入れ、棘のついた先端でグリグリと奥に擦り付けると甘い声で啼き、それがまたライアンの興奮を煽るのだ。
2人は発情した獣のように交わり続けた。
ライアンは最早意識があるのか危ういリリから陰茎を抜くと「あぅ…」と感じ入ったような声が聞こえた。辛うじて意識はあるようだ。ライアンの太い陰茎を長時間咥え込んでいた膣はぽっかりと口を開け、ゴプリと大量に注がれた子種が流れ出す。何と淫靡な光景だろうと、散々出した癖にまた熱を持ち始めるが流石にこれ以上は駄目だと肩を竦める。
ライアンはぐったりとしたリリを仰向けにし、顔や身体に口付けると愛情を滲ませた笑顔でこう告げる。
「リリ…いやリリアナ、愛してる。王都に戻ったら私と結婚して欲しい。君と、家族になりたいんだ」
リリの目が大きく見開かれる。が、すぐに彼女は涙でぐちゃぐちゃになっても愛らしい笑顔で頷いたのだった。
*************
リリアナの人生は最初から詰んでいた。
家は名ばかりの伯爵家で貧乏、政略結婚の両親の仲は悪くリリアナを高く売り飛ばす方法しか考えてない。
デビュタントで公爵子息に見初められ、両親はリリアナの意思を聞かずに承諾したが、彼はとても優しく自分を好きだと言ってくれる。これで幸せな人生が送れる、と信じていた。
まさか夫となった彼が異常なほど独占欲が強く、リリアナが男の使用人と話しただけで激昂する人だとは想像も出来なかった。鎖で繋がれ、外出は許されなくなった。少しでもリリアナと親しくすると当主に折檻される。誰も彼もリリアナを腫れ物扱いした。唯一義母だけは時折顔を見せてくれたが、彼女も息子には逆らえずそして義父に怯えていた。
夫は閨で乱暴にリリアナを扱い、少しでも嫌がるそぶりを見せると頬を打たれるので彼を愛している演技を必死でした。時折死ぬのでは、と言うほどの力で首を絞められたが「お前が俺だけを見ないから、こうしないといけない」とこちらが悪いように言われるのでリリアナが悪いのか、と考えることを放棄した。
それから数年後、義母が突然部屋にやってきて鎖を外し「あなたはこれから死にます」と告げられ、「やっと解放される」と安堵したがどうにも違う。リリアナを死んだことにしてここから逃すと聞かされたのだ。公爵家は数々の罪を犯しており、国王陛下も関係してると聞かされ何も知らなかった自分を恥じるも、義母は必死で慰めてくれた。
夫は中々に旺盛な人で、リリアナのことは愛してるらしいのでリリアナで出来ないことを買ってきた女性で試してると聞き、嫌悪感でどうにかなりそうだった。
「オーラン公爵家は終わらせます。何も出来ずにごめんなさい、あなたはもう自由になりなさい」
義母は謝っていたがリリアナが妊娠しなかったのは彼女が食事に混ぜていた薬のおかげだと教えられた。義母はこれからどうするのか、聞けなかった。
死んだことになり、自由になったリリアナだが今まで何一つ自分で決めずに流されていたと気付かされる。フラフラと彷徨いながら隣国との境にある森に迷い込み、魔物に襲われても「生き延びたい」とは思わずこのまま死んでも良いか、と投げやりになっていた。
そんなリリアナの前に紅い目の獅子が現れた。雷に打たれたような衝撃が全身に走る。その瞬間、虚なリリアナの中に強烈な欲求が生まれた。
この美しい獅子のことを知りたい、と。
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