強面で寡黙な騎士団長が実は婚約者です。

水無月瑠璃

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5話

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不機嫌そうに呟いたイザークの昂ったものが押し当てられた。グチュ、と濡れた音を立てながら張り出した亀頭が泥濘に沈んでいく。

「あ…っっ!!」

まず最初に感じたのは圧迫感だ。メリメリと聞こえるはずのない擬音が聞こえ、何者も受け入れたことのないマリアの中を押し広げながら奥へと進む。

「…きついな」

額に汗を滲ませながら眉間に皺を寄せるイザークは、マリアの頬を撫でる。自己申告した通り彼のものは大きい。ヌチ、ヌチと粘膜同士が擦れ合う音を立てながら負担をかけないようにゆっくりと進んでいる。ふと視線を下げたら赤黒い陰茎は全て収まっておらずマリアは瞠目した。

「まだっ…!?」

衝撃のあまりそうマリアは呟いてしまった。イザークはその呟きを聞き逃さなかった。

「ああ、まだ全部挿ってない…俺の形、ちゃんと覚えておけ」

「え…ああああっ!!」

今の発言に違和感を覚えたが、そんなことを気にする余裕は失せた。残りを一気に埋め込まれたからだ。ズン、と腹の奥からビリビリと痺れるような衝撃と痛みが襲う。恐らく今の一突きで処女膜が破れたのだろう。痛みに悶えるマリアの口をイザークが噛み付くように塞いでくる。

「んんんっ…」

苦しい、どこもかしこも。何かに縋るようにマリアはイザークの背中に腕を回した。隘路をみっちりと満たす陰茎は留まったままだが、ドクドクと脈打つものの大きさ、形をはっきりと感じでしまい身体が勝手に食い締めた。唇を解いたイザークが苦しげに呟く。

「っ…急に締まった…興奮したのか」

表情はやはり変わらないが、声音に嗜虐的な響きが含まれている。マリアを見下ろす琥珀色の瞳には獰猛な光が宿りゾクゾクとしてきた。イザークはマリアの中が馴染んできたと判断したらしい。マリアの腰を掴む手に力が入り、己のものをギリギリまで引き抜くと思い切り腰を打ち付けてきた。一突きが重く、マリアの身体がもたらされる快感で痺れてしまい「ひぃっ…!」と喉から絞り出したような声が漏れる。

視線を下にやるとマリアの下腹部は大きすぎるモノを受け入れたせいで、パンパンに膨れていてあまりの卑猥さに目を逸らした。初めてのマリアを慣らそうと時間をかけていたイザークはどこに行ってしまったのか、パンパンと生々しい打擲音を鳴らし容赦なく陰茎をゴリゴリと最奥に打ち付ける。子宮口に亀頭がキスをするように捻じ込まれ、マリアは身も世もなく叫んだ。未知の体験だった。異性に興味がないと言いながら、マリアは同僚の経験談など赤裸々な話を聞く機会が多いため耳年増な節があった。性行為について知識はあったものの所詮知識。実体験に勝るものはなかったのだ。

イザークは座学しか履修していないと言っていたのに、何故こうも的確にマリアの良いところを責めてくるのか。今までのマリアの反応を見て学習したとしたら、習得する速さが凄まじい。優秀な人間は閨事においても優秀さを発揮するのかと恐ろしくなった。マリアは軽率な真似をするなというイザークの警告を身を持って実感していた。

「あ…やぁぁっっ!!」

「っ…!」

マリアが軽い絶頂を繰り返し、一際大きな波に身体と意識が持って行かれた時イザークが奥歯を噛み締めて唸る。腰がブルブルと震え、捩じ込まれた陰茎から熱いものが吐き出された。ビュルビュル、と勢いよく注がれるものはマリアの胎の中を満たしていく。イザークは射精している時もグリグリと奥に突き入れてきた。達したばかりのマリアは凄まじい気持ち良さに泣いて、これ以上は無理だと懇願するもイザークには届かない。白濁を塗り込めるようにゆるゆると腰を動かす。

出した白濁の量が多かったのか結合部からポタポタと溢れ落ちる。直視出来ない淫靡な光景だ。これで終わりか、とベッドの上で脱力したマリアの身体は倦怠感に襲われていた。しかし、ある違和感に気づく。埋め込まれたイザークのものが全く萎えていないのだ。たった今射精したはずなのに、心なしかさっきよりも膨張している気がした。困惑するマリアをイザークは熱を孕んだ目で見下ろしている。

「…勿体無いな」

不機嫌そうにそう呟くイザークはまた、腰を打ちつけ始めた。注がれた精液が硬さを保ったままの肉棒で掻き混ぜられるグチュン、グチュンという聞くに耐えない卑猥な音が鼓膜を犯す。マリアは甲高い悲鳴を上げ、突き上げるイザークに喘ぎ混じりで問いかけた。

「やぁっ!んんっ!終わってっ!」

「…誰も一度で終わるとは言ってない」

ほんのり口角を上げたイザークの放った言葉にマリアの背筋は冷たくなった。イザークはマリアの片脚を肩に乗せ、律動を更に速める。先程よりも深く繋がり、違う場所にイザークのモノが当たるのでマリアは逃れられない快楽に苦しむ。肉と肉のぶつかる音、女のあられもない声と男の荒々しい息遣いが部屋に響く。再びマリアが深く絶頂し、プシュと生暖かい液体が吹き出しシーツや2人の身体を濡らす。イザークのモノを食い食い締めると彼が苦しげに唸り、ぶるりと震えると白濁を大量に注いだ。ポタポタと汗がイザークの額からマリアの胸元に落ちる。流石に2回も射精して疲れたのか汗で張り付いた髪を掻き上げながら、荒く息を整えていた。壮絶な色気を放つイザークにマリアは疲れ切っているはずなのに、彼から目を離せない。

ぼんやりとしているマリアだったが、ムクムクと硬さを取り戻す陰茎に我に返る。まだ続くのだと本能的に察し、困惑し切った声でやんわりと止めるように告げた。

「え…あの、流石に」

無理ですと言い終わる前にバチン、と最奥まで突き入れられて背中が仰け反った。ガツガツと犯され、マリアは喉が枯れても喘ぎ声が止められない。

「…悪い、治まらない。もう少しだけ付き合ってくれ」

殊勝な言葉と裏腹に、全く悪びれてないイザークは手加減なしに突き上げてくる。喉を晒しビクビクとシーツの上で小刻みに震えるマリアを決して逃がさないと、指が食い込むほど腰を掴まれ媚肉を雄槍で抉られる。だらしなく開きっぱなしの口からは戯言のように、声にならない「あ…あ…」と掠れ声が漏れ続けた。

遂にイザークが3度目の射精を果たすとマリアの腹は注がれた精液で膨らみもう飲み込めないと溢れた白濁が、シーツを白く汚していく。これ以上はマリアが限界だと思ったのかズルリ、とイザークが引き抜かれた。虚な目でその様を見ていたマリアはずっと自分の中にいたものがいなくなる、喪失感に襲われていたが同時に安堵していた。

(…終わった…?もう、無理…死んじゃう)

指一つ動かせないマリアは天井を眺めている。長時間イザークのモノを咥え込んでいた膣は彼の形にいやらしく開き、飲み込み切れなかった白濁がゴポリと溢れ出す。イザークはその淫猥な光景を黙って見ていたが、突然右手を伸ばしシーツにシミを広げる精液を指で中に押し戻し始めたのだ。

「ああぁぁぁっ!!」

絶頂の余韻から戻って来れないマリアは、蜜口に触れる指の感触と動きだけで愉悦に悶えてしまう。グチュリと精液を蜜壺に押し込みながらカリカリと引っ掻かれると、堪らない。

「…子種が溢れてしまう…全部飲め」

命令口調で掠れたイザークの声にすら感じてしまったマリアは、また達して全身を震わせる。その反応に更に興奮を煽られたらしいイザークは、白濁を蜜壺に押し戻しながらGスポットを擦りマリアを幾度も絶頂に追いやった。マリアが意識を飛ばすまで、遂に止めることはなく延々と責め続けたのであった。

強面で寡黙な騎士団長は、ベッドの上ではドSだった。
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