失格冒険者の傭兵戦記

Wolf cap

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第5話 冒険者、旅を始める

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その後で『旅の必須道具セット』なるものを銀貨5枚で購入した。
これ大丈夫かな?

マップをチェックして行き先を決めよう。
俺はデバイスのスイッチを入れる。
すると俺の視界に様々なアイコンが現れた。

「……すごい、これもゲームみたいだ」

視界に文字が浮かび上がった。
どうやらこのデバイスは念じて操作するそうだ。

「じゃあ、装備を確認してみようかな」

すると装備が表示される。


【防具】     
狩人の鎧

【武器】    
 ボルトアクション・エトロイル
  オートマチック・テミウス

【その他】  
携帯食×6
サバイバルセット×1
 応急処置セット×1
 聖水×3

【お金】
金貨 3枚
銀貨40枚

よし、装備の確認完了。
武器の動作不良なし。

デバイスを操作して地図を出す。

※地図は順次更新



とりあえず、次は【王都】ホープホルムに言ってみるとするか。
地図で確認したところ、【王都】ホープホルムはここ、【聖堂街】リルトンと湾を挟んだ対岸にある。船を使って最短ルートで行こう。



ー【聖堂街】リルトン・船着場ー

船着場には中型のボートが泊まっていた。
船長らしき人が荷物を積み込んでいる。話しかけてみよう。

「この船はどこに?」

「これから王都にいくんだよ」

これは都合がいい。

「俺も王都に行くんだけど、乗せてってくれません?」

「いいぜ、今回は荷も多くないし乗せってってやるよ」

「ありがとう」



ー数分後ー


「じゃあ、頑張ってな」

「アキラくん頑張ってね~」

「アキラお兄ちゃん頑張ってねッ!」

俺が街を発つ時、ベニーの親父とダレンとエデンが見送りに来てくれた。

「ありがとうみんな、頑張るよ!」

俺は大きく手を振ってから船に乗り込んだ。

「んじゃ、いくぜ」

船長が船を港につなぐロープをほどいて飛び乗る。
大きな帆が風を受け、船は太陽の光を受けてキラキラと乱反射している水面を走り出す。

「きれいだな……」

目に入る景色全てが新鮮で、見とれてしまった。




出航してから1時間ほど経った時、突然船体が激しく揺れた。

「何が起こったんだ!」

「あれだッ!」

船長が指を指した方向には黒い物体が1つ、海面を進んでいた。
デバイスを起動してデータを出す。
『洋上のバンディット』、バンディットの水上タイプ。
……あれが……バンディット。
冒険者が倒すべき敵。

「くそう!まさかここで出くわすとは……」

船長が悔しそうに俯いている。

「アイツは俺が退治する、船長は極力真っ直ぐ船を進めてくれ」

「でもお前さんじゃ……」

「俺は冒険者だ、駆け出しだけど、任せてくれ」

俺はライフルを担いで船の縁に移動した。
コッキングをして初弾を薬室に装填する。
船縁にライフルを固定、バンディットに照準を定める。
かなりすばしっこく泳いでいるが、この程度なら当てられるな。

引き金を引き、発射。
ボルトアクション・エトロイルの射撃音が湾に広がる波の音を切り裂く。
弾丸はバンディットをかすめて水中に消えていった。
コッキング、廃薬口から勢いよく薬莢がはじき出される。
次は外さない。
息を吐き、止める。集中しろ。

引き金を引く。
射撃音と共に打ち出された弾丸はバンディットのど真ん中に命中。

バンディットは被弾部から紫色の体液を噴水のように撒き散らしながら水中に沈んでいった。






ー【王都】ホープホルム・港ー

王都に着いた時、空は紅く染まり始めていた。

「ここまでありがとう船長」

桟橋に降りて言った。

「なに、いいってことよ」

そう言って船長は布の巾着を渡してきた。
チャリと金属が触れ合う音がする。

「この船と、俺の命と、荷物を守ってくれたお礼だ」
「それじゃあな冒険者さん」

「ありがたく受け取っておくよ、帰りは気をつけて」

ヒラリと手を振って俺は船長と別れた。

港から夕暮れ空の下に広がる王都を眺めた。
国王がいるであろう巨大な城を囲む街はたくさんの光に灯されて綺麗に輝いている。

「さてと、今日は疲れたし宿で休憩するか」
初めての戦闘で疲れきった体を引きずるように歩き、光り輝く街へと向かった。
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