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第11話 失格冒険者、傭兵になる
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暫くして、廊下から足音がした。
ここに来る。
足音が止まってドアが開いた。
「ん?おお!誰だお前!?」
最初に入ってきた男が驚いたように声を上げた。
「なーにビビってんだよ、シャキッとしろよ」
次に入ってきたのは白髪でガタイのいいい大男だ。
最後に入ってきたのは華奢な女だ。
綺麗な長い金髪をなびかせる彼女はこの惨劇後の現場には2人の男達とは違い場違いに見える。
彼女は部屋に入るなり「おおッ!?」と驚いていた。
3人は同じような黒を基調とした服装をしている。
機動性を重視しているのか、鉄製の部分は極力少なくし、黒色のフード付きのマントが隠密性を高くしている。
金髪の女が口を開いた。
「……君がやったのか」
俺は黙って頷く。
すると女は「事情は把握している」と冷ややかに言った。
「私は傭兵団【黒い窓】の団長、フリーデルだ」
「……おれはアキラ」
そういって手を差し伸べてきたので握手をした。
「突然だがアキラ、うちの傭兵団にはいらない?」
は?
「まず君はこのままだと死刑は確定だ」
「王位がヨゼフィーネに変わってから兵士の地位が上がりすぎてるからな」
「どこかの街に入った瞬間『新法典第4条違反によりこの場で極刑と処する!』なんて言われてもおかしくない」
フリーデルは大袈裟に演じた。
地面に転がる兵士の死体を見る。
「俺は……間違ったことをしたのか?」
「まあ法典上はな、だから冒険者の肩書きも無効になる」
フリーデルは壁にもたれ掛かって「失格冒険者だ」と付け足した。
「……だが人道的には正しい事をしたと私は思うよ」
「まあ私に何が正義とか言う権利は無いけどね」
フリーデルはあらたまったかのように俺の正面に立つ。
「なあ、アキラ」
「君の願望はなんだ?」
「『本物の強さを手に入れる事』だ」
間髪を入れずに答える。
これは俺の願望であり使命だ。
「フフッ、そうか」
「じゃあそれを私達と一緒に叶えないか?」
「……ひとつ確認をさせてくれ」
「なに?」
「【黒い窓】での仕事内容だ」
「人を殺すのがメインなのか?」
「必要があれば」
静かに言ったフリーデルの暗い目に一瞬圧倒される。
「だけど基本的には殺害が目的の仕事は受けない」
「私人殺すのあんまり好きじゃないし」
「……そうか、それを聞いて安心したよ」
まあ、『本当の強さ』を手に入れられる日まで【黒い窓】の団員になっているのも悪くない。
でもひとつ気がかりなことがある。
「それと、俺は立派な犯罪者だ」
「【黒い窓】に迷惑をかけることになる」
そう言うとフリーデルは胸を張って自慢気に言った。
「その点に関しては大丈夫、私達はアキラの罪をなかったことに出来る」
「我々はこの国の公安組織【宵の明星】と親密な関係を持っているからだよ」
「でも公安って事は国王の傘下じゃないのか?」
「いや、【宵の明星】は前国王が創った王権から独立した組織だ、だから新国王の影響も無い」
そんな組織があったのか。
まあ、俺は人殺しだ。捕まった時はそれを受け入れるとしよう。
「傭兵団【黒い窓】だっけか……入団させてもらう」
「フフッ、オーケーこれで交渉成立だ」
フリーデルは思い出したかのように言った。
「おっと忘れてた」
「『冒険者デバイス』持ってるよね、まずそれを破壊してほしい」
俺はポケットからデバイスを出した。
「これを?」
「うん、それヨゼフィーネが王位に着いてから冒険者に配られ始めた冒険者を監視する為のやつだから」
「他にもヤバい機能とか搭載してるらしいし」
……そんな目的だったのか。
俺は「撃ちます」と断ってからテバイスを破壊した。
すると念じても視界にテキストが表示されなくなった。
「デバイスの機能停止、完全に破壊した」
「オーケー、それじゃあ自己紹介いきますか!」
「オイラはフリーデルお嬢の傭兵団員、アルフレッドだ」
気さくな口調で話す、陽気な兄さんと言った感じだ。
次は俺かと言って白髪の大男が頭を痒く。
「俺はエーベルハルト、【黒い窓】の副団長だよ」
「呼びにくいからクラウンって呼んでくれ、よろしくー」
ニヤニヤと笑いながらゆっくりと話し、手を差し伸べてきた。
彼の腕についた傷跡がこれまで越えてきた戦いを暗示している。
俺はクラウンと握手した。
「傭兵団って言ってたけど、他のメンバーはいるの?」
「他は先行して新勤務地にいるよ」
フリーデルは続ける。
「今我々は次の勤務地に移動中でね」
「その途中で宵の明星から依頼が入ってここに来た」
「依頼?」
「『兵士が監禁している村人の救出』だ」
「で、到着したら俺がいたと」
「フフッそうだ」
フリーデルは笑いながら言った。
「いやー、ほんと驚いたよ」
「で、次の勤務地はね……」
フリーデルは一呼吸置いてから言った。
「学園都市ケイレスだ!」
ここに来る。
足音が止まってドアが開いた。
「ん?おお!誰だお前!?」
最初に入ってきた男が驚いたように声を上げた。
「なーにビビってんだよ、シャキッとしろよ」
次に入ってきたのは白髪でガタイのいいい大男だ。
最後に入ってきたのは華奢な女だ。
綺麗な長い金髪をなびかせる彼女はこの惨劇後の現場には2人の男達とは違い場違いに見える。
彼女は部屋に入るなり「おおッ!?」と驚いていた。
3人は同じような黒を基調とした服装をしている。
機動性を重視しているのか、鉄製の部分は極力少なくし、黒色のフード付きのマントが隠密性を高くしている。
金髪の女が口を開いた。
「……君がやったのか」
俺は黙って頷く。
すると女は「事情は把握している」と冷ややかに言った。
「私は傭兵団【黒い窓】の団長、フリーデルだ」
「……おれはアキラ」
そういって手を差し伸べてきたので握手をした。
「突然だがアキラ、うちの傭兵団にはいらない?」
は?
「まず君はこのままだと死刑は確定だ」
「王位がヨゼフィーネに変わってから兵士の地位が上がりすぎてるからな」
「どこかの街に入った瞬間『新法典第4条違反によりこの場で極刑と処する!』なんて言われてもおかしくない」
フリーデルは大袈裟に演じた。
地面に転がる兵士の死体を見る。
「俺は……間違ったことをしたのか?」
「まあ法典上はな、だから冒険者の肩書きも無効になる」
フリーデルは壁にもたれ掛かって「失格冒険者だ」と付け足した。
「……だが人道的には正しい事をしたと私は思うよ」
「まあ私に何が正義とか言う権利は無いけどね」
フリーデルはあらたまったかのように俺の正面に立つ。
「なあ、アキラ」
「君の願望はなんだ?」
「『本物の強さを手に入れる事』だ」
間髪を入れずに答える。
これは俺の願望であり使命だ。
「フフッ、そうか」
「じゃあそれを私達と一緒に叶えないか?」
「……ひとつ確認をさせてくれ」
「なに?」
「【黒い窓】での仕事内容だ」
「人を殺すのがメインなのか?」
「必要があれば」
静かに言ったフリーデルの暗い目に一瞬圧倒される。
「だけど基本的には殺害が目的の仕事は受けない」
「私人殺すのあんまり好きじゃないし」
「……そうか、それを聞いて安心したよ」
まあ、『本当の強さ』を手に入れられる日まで【黒い窓】の団員になっているのも悪くない。
でもひとつ気がかりなことがある。
「それと、俺は立派な犯罪者だ」
「【黒い窓】に迷惑をかけることになる」
そう言うとフリーデルは胸を張って自慢気に言った。
「その点に関しては大丈夫、私達はアキラの罪をなかったことに出来る」
「我々はこの国の公安組織【宵の明星】と親密な関係を持っているからだよ」
「でも公安って事は国王の傘下じゃないのか?」
「いや、【宵の明星】は前国王が創った王権から独立した組織だ、だから新国王の影響も無い」
そんな組織があったのか。
まあ、俺は人殺しだ。捕まった時はそれを受け入れるとしよう。
「傭兵団【黒い窓】だっけか……入団させてもらう」
「フフッ、オーケーこれで交渉成立だ」
フリーデルは思い出したかのように言った。
「おっと忘れてた」
「『冒険者デバイス』持ってるよね、まずそれを破壊してほしい」
俺はポケットからデバイスを出した。
「これを?」
「うん、それヨゼフィーネが王位に着いてから冒険者に配られ始めた冒険者を監視する為のやつだから」
「他にもヤバい機能とか搭載してるらしいし」
……そんな目的だったのか。
俺は「撃ちます」と断ってからテバイスを破壊した。
すると念じても視界にテキストが表示されなくなった。
「デバイスの機能停止、完全に破壊した」
「オーケー、それじゃあ自己紹介いきますか!」
「オイラはフリーデルお嬢の傭兵団員、アルフレッドだ」
気さくな口調で話す、陽気な兄さんと言った感じだ。
次は俺かと言って白髪の大男が頭を痒く。
「俺はエーベルハルト、【黒い窓】の副団長だよ」
「呼びにくいからクラウンって呼んでくれ、よろしくー」
ニヤニヤと笑いながらゆっくりと話し、手を差し伸べてきた。
彼の腕についた傷跡がこれまで越えてきた戦いを暗示している。
俺はクラウンと握手した。
「傭兵団って言ってたけど、他のメンバーはいるの?」
「他は先行して新勤務地にいるよ」
フリーデルは続ける。
「今我々は次の勤務地に移動中でね」
「その途中で宵の明星から依頼が入ってここに来た」
「依頼?」
「『兵士が監禁している村人の救出』だ」
「で、到着したら俺がいたと」
「フフッそうだ」
フリーデルは笑いながら言った。
「いやー、ほんと驚いたよ」
「で、次の勤務地はね……」
フリーデルは一呼吸置いてから言った。
「学園都市ケイレスだ!」
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