侯爵令嬢リリアンは(自称)悪役令嬢である事に気付いていないw

さこの

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マデリーン

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 テストを受けてから、数日休んでいたけれど学園には行きたい。クラスにいる間は令嬢しかいないから楽しく過ごせる。


 しかし一歩教室を出ると子息がうじゃうじゃしていて視線が気になる。

 王太子であるフレデリックの婚約者となったのだから当然といえば当然なのだけど。


 子息達からの視線は鳥肌が立ってしまって下を向いてしまう。

 なんとなく気まずい思いをしていたら、バッタリと廊下でキリアンに会って声をかけられた。


「リリアン嬢、カサール侯爵令嬢、今帰り?」

 キリアンは1人のようだった。優しく気をつかうように声をかけられた。

 もしかしてフレデリックから何かを聞いているのかも知れない。



「はい。キリアン様も今からお帰りですか?」

 マデリーンがいてくれて良かった。学園とは言え一対一で話をするのはちょっと……


「あぁ、今から王宮に行って父の仕事の手伝いだよ。人使いが荒くて困っている」


「公爵様も安心ですね! 公子様のテスト結果は学年トップでしたもの」


 マデリーンはいつの間にかキリアン様と仲良くなっているように見えた。元より顔見知りではあったらしいので当然よね。

 こうして何気ない会話をしていると学園生活も悪くないと思えるのだけど……


「お、キリアン。美女2人を独り占めか?」

 キリアン様の友人らしき人が、がしっとキリアン様の肩を組む。そしてこっちを見てくる。

 どうしよう。怖い……すっと気づかれないように目を逸らし震える手をスカートを掴んで誤魔化した。

 自意識過剰なのかもしれないけれど、学園といえど不特定の子息とは関わりたくない。するとキリアン様は何もなかったように


「そんなんじゃないさ。2人とも足を止めてしまって悪かったね、じゃ私は行くよ」

 キリアンは声をかけてきた友人を  引きずりながら連れていった。


「おい、キリアン、紹介してくれよぉ」
「うるさい! 行くぞ」










「公子様って相変わらず良い人ね」

「いつもお世話になりっぱなしで申し訳ないわ」

「いつか……お返しできると良いわね、そろそろ行こ! 殿下が待っているんでしょう」

「うん。遊びに来てくれるんでしょう。久しぶりだから嬉しい」


 マデリーンはリリアンの腕を組んでふふっと微笑む。


「王宮のお菓子は美味しいし庭園は美しいからリリアンが居ると好きな時に行けるものね」

「マデリーンなら歓迎だってリックも言っていたわ」


 殿下とマデリーンはたまに連絡を取り合っているみたい。でもやましい事は一切ないと言っていた。マデリーンの婚約者も公認だとか。


 馬車の待合場に行くと一際豪華な馬車が止まっていた。なんでこの馬車を選んだんだろう……すごく目立つわ。


「リリ、迎えに来たよ」

「リック、迎えに来てくれてありがとう」

 フレデリックはリリアンに近寄り頬にキスを落とした。



「殿下わたくしもいますのよ。お迎えくださりありがとうございます!」

「マデリーン嬢、久しぶりだね、さぁ乗った乗った!」


 馬車の中では、いつも通りにフレデリックの隣に座った。フレデリックがピタッとくっついてくるけれどそれも日常だ。


「……仲がよろしい様で何よりですわね。忙しい王太子殿下がわざわざ迎えに来てくださるくらいだもの」

 あ! そうよね。王太子殿下と言う立場からしたら自由な時間は減ったのに……


「まぁこれくらいはね。仕事も片付けてきたから問題ないよ」

「お話があるってお聞きしましたけれど?」

「ここではちょっと……王宮に着いたら話をするよ。リリがマデリーン嬢にも相談したいと言うから」


「リックはマデリーンの事を名前で呼んでいるの?」

「あぁ。リリの友達だからね。それ以上でもそれ以下でも私の中ではないよ」


「失礼ね! 候補の時は紳士的な良い人だと思っていたけど、リリーのことしか眼中にないんだから!」

「君の婚約に口添えしただろう? 上手くいっているらしいじゃないか!」


「喧嘩するほど仲がいいって言うものね」

 2人の関係性は悪くないみたいだ。



「リリの友達だから許しているんだぞ! 普通は不敬だからね」

「特別扱いありがとうございます!」

「誤解を招く言い方はよせ!」


 フレデリックもマデリーンも紳士淑女の仮面をどこに置いてきたのかしら……


「ふふっ。マデリーンも本性を見せるなんて珍しいわね」

「リリーの婚約者だから特別よ。飾る必要ないもの」

 馬車内は楽しくてあっという間に王宮へ着いた。



 執務室はまだ働いている人がいるらしく、フレデリックの応接室でお茶会をすることにした。いつもは落ち着いた印象の応接室だけど、年頃の令嬢を呼ぶのだからとメイド長が張り切って準備をしてくれて、落ち着きながらもお洒落な空間に変わっていた。

 
 カラフルな花を飾ったり、レースがあるだけで華やかだ。クッションも白やピンクのリリアン好みの物が置かれていた。

 最近お気に入りのミルクティーを用意してくれたり、小さいサイズのお菓子もたくさん用意してくれて、マデリーンも喜んでいた。

 お茶とお菓子を堪能してから、本題へと入る。でもまだ心の傷は癒えてないから思い出すだけでも恐ろしい。


「さて、今から話す内容は他言無用で頼むよ。もし人に話すようならマデリーン嬢の事を決して許さないし、リリとの関係も考え直して貰う事になるけれど、それでも聞く?」


「えぇ。勿論! リリーとは親友です。一筆書いても構いませんわよ」


 堂々としたマデリーンの態度に、うんと頷くフレデリック。リリアンの隣に腰掛けてマデリーンに話を始めた。


「リリの代わりに私が話をしよう」




 いつの間にかこの部屋にはフレデリックの執事、メイド長、リリアンの侍女マリーがいた。護衛は扉の外で待機していた。



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