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フレデリック
最終話
しおりを挟む「どうしたのリリ?」
王宮から実家に帰り、学園に行って週に3回王宮に来る。そしてまじめに妃教育を受け、周りからの評判もとても良い。
今まで避けられていたのはなんだったのだろうかと言う程素直になった。嬉しくもあり、疑問を抱いていたのは内緒だ!
「リック、少し庭に出ませんか?」
珍しい! ティータイムの途中だ。リリアンが目の前にある菓子より私との時間を取るなんて!
「あ、うん。リリが庭に出たいと言うなら喜んでお供するよ!」
最近は手を繋いでも躊躇されなくなったし、側から見たら仲の良い婚約者同士に見えると思う。
「あっ、ふふっいた!」
「誰かいるの?」
「ほら、あそこ!」
リリアンが指を差す方向を見るとネコが日向ぼっこしていた。
「あのネコのこと?」
「えぇ。相変わらずネコちゃんはあの場所が好きみたいね」
「リリ、覚えていたの? 忘れたのかと思っていた」
嬉しかった。リリアンは私との思い出を思い出したくないのかと思っていたから。意地悪をした覚えはないこともないけれど、リリアンの事を大好きだと言うことは間違いない。
「実は忘れていたの。リックとの良い思い出もたくさんあったみたい。でも忘れていたの」
「リリはまだ小さかったからだよ。でもあの時からリリの事を好きだったんだ」
ふふふっと笑うリリアン。
「急にリックがいなくなったから寂しかったんだと思う。だからリックを悪く仕立てたのかもしれない。ごめんなさい」
「いや! 謝らなくて良い。それがあって今がある! 私には今が大事だから、」
「そうね。私もそう思うの」
「え!」
「マリーとお庭の散策をしていたらたまたまネコちゃんがいて、どこに行くのかついて行ったの。不思議とネコちゃんの歩調がゆっくりで私を待ってくれていて、ここに着いたの」
ここは私のサロンから見える庭だった。
「あそこの木にネコちゃんがいたのよね? 確か」
「そうだよ。リリが目敏く見つけたんだ」
あぁ。懐かしい……そしてリリと思い出の共有ができるなんて夢のようだ!
「木に登って怒られたのは仕方がないわよね。子供だったんだもの」
「まさか本当にリリが登ってくるとは思わなかったんだけど、そう言う所にも惹かれたんだ。男勝りなところもまた可愛かった」
うん。うんと頷くフレデリック
「やっぱりリックは変なのね。普通の令嬢は木に登らないからね!」
呆れたような口調ではあったけれど、懐かしそうにも見えた。
「そうだろうね。リリの可愛いくて魅力的なところだよ。虫は怖いのにお化けは怖くない所も変わっていて可愛い。故にリリは何をしても可愛い! それを全て受け入れる私は変わっているのかもしれないね」
そっと肩を抱き寄せた。するとあろう事かリリアンがこてんと頭を預けてくれた!
「ふふっ、やっぱり私にはリックしかいないみたいね。こんなに優しい人をどう変換したら意地悪で嫌な人になっていたのか不思議ねー」
「どうしたの? 妃教育で教師から辛い事を言われていたりとか、ないよね!」
「皆さんとても熱心に教えてくださるし、楽しいわよ。今まで知らなかった事が知れたりもするから」
「そう。良かった。辛い事があったら相談に乗るからすぐに言ってほしい」
リリアンの頭にキスを落とした。するとリリアンは頭を上げて私を見てきた。
「リック……」
と呟くリリアンの口元を見る。あれ? もしかして……
リリアンの肩に手を当て顔を近づけてみた。あれ? もしかしていけんじゃないか?
なんて思っていると、リリアンが目を瞑ってきた! めちゃくちゃ可愛いその顔に吸い込まれるようにさらに顔を近づけて唇にそっと触れた。
まさに幸せの絶頂! 触れるだけのキスだった。唇を離して
「リリ好きだよ、大好きだ」
と言うとリリアンは顔を真っ赤にさせて答えてくれた。
「うん、私も」
やったぞ! ようやくリリアンに気持ちが通じた!! リリアンは無自覚に私を煽っているのではないか? キス1つでこんなに嬉しいのだから困ったものだ……
甘くなる2人の雰囲気を感じたので、もう1度キスしようと顔を近づけようとした。
「にゃぁぁぁーーーー!」
と言ってネコが邪魔をしてきた!
なんとなく残念だけど、それもまた笑って思い出にしようと思った。
遠くでは温かい目で護衛やメイドが見ているんだけど、今は2人の世界だ。おい! 拍手なんてするんじゃない!
リリとの思い出は面白いものがたくさんあった方が良い。これからもそうなれば楽しい人生が送れそうだ。
フレデリック視線【完】
******
これにて【完】となります。今月末か来月の初めに新作を投稿いたします。
またお時間ございましたからよろしくお願いします( .ˬ.)"
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