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王宮へ来ました
王子殿下の迎えによりまた王宮へと来てしまった決してお菓子に釣られた訳では……ない。
「いらっしゃいアイリス」
「本日はお招きいだだきありがとうございます」
「今日は私のサロンへ行こう」
すっと腕を出されたので、躊躇しながら手をそっと添える。
添えなきゃ前に進まない。この前学んだ!
「この前の話の続きだけど、あまりベタベタされるのも好きじゃないんだよね……」
エヴァンに言われた
……そっか、それならばと、エヴァンの腕に自分の腕を絡めてみた。
ちょっと距離が近いような気がするも、こう言う女は好きではないのだろう。
腕を絡めたままエヴァンのサロンへと着いた。サロンからは庭が見渡せて、数々の花が咲き乱れていた。
「わぁっ素敵です……」
風がさぁーっと吹き、花の良い香りがした
「気に入った?」
「はい、見た事のないお花がいっぱい……」
うっとりと庭を見るアイリス
「あとで案内してあげるよ」
「はい、嬉しいです……」
席につき、お茶の用意がされる。
優雅な仕草でカップに口をつけるエヴァンにアイリスもカップを手に取るとふわっと良い香りがする。
「ミルクティーですよね?良い香りがします」
「茶葉に花が入っているんだ。ミルクに合うでしょ?」
はぁ…っと呼吸する鼻から抜ける香りが堪らない。
「はい、良い香りでとても美味しいです、カップも可愛いです」
白とピンクのグラデーションで持ち手に特徴があった。
「このカップはね、試作のものだったんだけど、気に入ったから購入したんだ、今日初めて出したんだよ」
嬉しそうなエヴァンの顔
「へー。それは素敵な工房なんですね」
改めてカップを見る
お茶に舌鼓をうっているとケーキが切り分けられアイリスの前に出された。
「わぁっ!キレイ……」
ブドウが艶々で宝石のようにキラキラとしていた。
ケーキを前に目を輝かせ、ソワソワするアイリスの姿を楽しそうに見るエヴァン。
「どうぞ、召し上がれ」
「はいっ、それでは失礼して」
ブドウをスプーンですくって、口に入れる
「んんっーっっ」
悶絶するアイリス
「美味しそうに食べるねアイリス」
……そうだ!エヴァンはよく食べる女は苦手だと言っていた。
ぱくぱくと夢中でケーキを頬張る!
「そうだ私のことは名前で呼んでくれる?」
「いえ、それは畏れ多いので……」
ケーキを食べる合間に答える
食べ終えてふぅっ、と一息ついた所で、ブドウゼリーが出された。
「こ、これは……芸術品ですね!」
うっとりとゼリーを見つめる。
スプーンを取り、ゼリーに手を出そうとしたところエヴァンに取り上げられたっ!
「いい加減さ名前で呼んでくれる?」
「えぇっと……それは……畏れ多くて」
「ゼリー食べたくないの?」
「でも……」
「馴れ馴れしいのは苦手だけどアイリスは私に好かれたいのか……そうか」
「……エヴァン殿下とお呼びしてもよろしいですか?」
「殿下はいらないかなぁ」
にこりと微笑むエヴァン
「……エヴァン様」
「はい、どうぞ召し上がれ」
ゼリーがアイリスの元へ返ってきた
「はぁ……喉越しが爽やかでとっても、美味しいですっ」
「ブドウの種類によって味が違うんだよ。おすすめはもう少し後に収穫されるものなんだ……ジュースにすると美味しいんだよね」
「ブドウの種類で味が……」
ゴクリと喉を鳴らす
「あっ、そうだこのオレンジのショコラも美味しいんだよ」
「ありがとうございます、殿下」
すっとショコラを没収される
「なんで、意地悪するんですか! もうショコラの口になっているのに…」
頬を膨らませるアイリス
「名前で呼んでくれる?」
「エヴァン様……」
「はい、覚えておいて」
ショコラを渡された
「チョコがビターでオレンジと合いますね、これも初めて食べましたっ」
新しくお茶が淹れられたので遠慮なくカップに口をつける。
「はぁ……。美味しいです」
ふと微笑むアイリス
「喜んでくれたみたいだね」
「でん、エヴァン様ありがとうございました」
「どういたしまして、そろそろ庭に行く? 散歩しようか」
「はいっ」
エヴァンに手を出されたので手を取り立ち上がる。そして腕を組んで歩き出した。
「わぁかわいいお花ですね」
ピンクや白の小さい花が咲いていた
「こっちから良い香りが….」
「金木犀が植えてあるんだ」
「へー」
思いっきり空気を吸い込む
「秋を感じさせる良い香りだ」
「はい」
「花言葉は初恋だって」
「エヴァン様はお花の事もよくご存知なんですね」
「そう?お茶にも入れると良い香りがするよ」
「へー、それは飲んでみたいです」
「四季折々の花が植えてあるから、季節によって違う顔が見れるんだよ。夜になると咲く花もあるし、香りが強くなる花もあるよ」
「うちに植えてあるお花とは違って見ていて楽しいです」
その後も花の説明をしてくれて、とても楽しい時間を過ごしてしまった。
「あっ、ここは少し影になる所で滑りやすいから気をつけて」
「はい」
返事と共に見事に足を滑らせてしまった
「危ないっ」
エヴァンに背中を支えられて転ばずにすんだ。
「すみませんでした」
離れようとするが、まるで抱きしめられたような体勢になり、髪がエヴァンのボタンに絡みついて離れられなくなる。
苦笑いするエヴァン
「助けてもらったのに、こんな事になるなんて……」
今日は王子殿下が好きではないと言うふわふわのウェーブヘアーに仕上げてきたので、髪がボタンに絡まってしまった。
エヴァンの服にはボタンが多い
こんな面倒な女はもう嫌われただろう。
エヴァンが絡まった髪を解こうと苦戦している。
「エヴァン様、この際、髪を千切ってくださって構いません……」
上目遣いでエヴァンに提案する
「こんなキレイな髪なのに、千切るだなんて……少し大人しくしていて」
数分後エヴァンのボタンから髪が解放された。
「ありがとうございました、ご迷惑をおかけしました」
申し訳なさそうに礼をする
「どういたしまして、あっちのバラ園にも行こうか?」
「えっ! バラ?」
「バラは好き?」
「はいっ」
「じゃあ行こうか、また滑ったら困るからちゃんと、腕を掴んでてくれる?転ばれたら困るんだけど……」
すっと腕を出されたのでまた腕を組む形になった。
バラ園に着くと散歩を楽しむ数人の女性の姿が見られた。
「あら? エヴァンじゃないの?」
とても美しい女性に声をかけられた
「そちらのお嬢さんはどなた?」
こちらに向かって立ち止まる
「あぁ、母上ではないですか?」
にこりと微笑むエヴァン
「いらっしゃいアイリス」
「本日はお招きいだだきありがとうございます」
「今日は私のサロンへ行こう」
すっと腕を出されたので、躊躇しながら手をそっと添える。
添えなきゃ前に進まない。この前学んだ!
「この前の話の続きだけど、あまりベタベタされるのも好きじゃないんだよね……」
エヴァンに言われた
……そっか、それならばと、エヴァンの腕に自分の腕を絡めてみた。
ちょっと距離が近いような気がするも、こう言う女は好きではないのだろう。
腕を絡めたままエヴァンのサロンへと着いた。サロンからは庭が見渡せて、数々の花が咲き乱れていた。
「わぁっ素敵です……」
風がさぁーっと吹き、花の良い香りがした
「気に入った?」
「はい、見た事のないお花がいっぱい……」
うっとりと庭を見るアイリス
「あとで案内してあげるよ」
「はい、嬉しいです……」
席につき、お茶の用意がされる。
優雅な仕草でカップに口をつけるエヴァンにアイリスもカップを手に取るとふわっと良い香りがする。
「ミルクティーですよね?良い香りがします」
「茶葉に花が入っているんだ。ミルクに合うでしょ?」
はぁ…っと呼吸する鼻から抜ける香りが堪らない。
「はい、良い香りでとても美味しいです、カップも可愛いです」
白とピンクのグラデーションで持ち手に特徴があった。
「このカップはね、試作のものだったんだけど、気に入ったから購入したんだ、今日初めて出したんだよ」
嬉しそうなエヴァンの顔
「へー。それは素敵な工房なんですね」
改めてカップを見る
お茶に舌鼓をうっているとケーキが切り分けられアイリスの前に出された。
「わぁっ!キレイ……」
ブドウが艶々で宝石のようにキラキラとしていた。
ケーキを前に目を輝かせ、ソワソワするアイリスの姿を楽しそうに見るエヴァン。
「どうぞ、召し上がれ」
「はいっ、それでは失礼して」
ブドウをスプーンですくって、口に入れる
「んんっーっっ」
悶絶するアイリス
「美味しそうに食べるねアイリス」
……そうだ!エヴァンはよく食べる女は苦手だと言っていた。
ぱくぱくと夢中でケーキを頬張る!
「そうだ私のことは名前で呼んでくれる?」
「いえ、それは畏れ多いので……」
ケーキを食べる合間に答える
食べ終えてふぅっ、と一息ついた所で、ブドウゼリーが出された。
「こ、これは……芸術品ですね!」
うっとりとゼリーを見つめる。
スプーンを取り、ゼリーに手を出そうとしたところエヴァンに取り上げられたっ!
「いい加減さ名前で呼んでくれる?」
「えぇっと……それは……畏れ多くて」
「ゼリー食べたくないの?」
「でも……」
「馴れ馴れしいのは苦手だけどアイリスは私に好かれたいのか……そうか」
「……エヴァン殿下とお呼びしてもよろしいですか?」
「殿下はいらないかなぁ」
にこりと微笑むエヴァン
「……エヴァン様」
「はい、どうぞ召し上がれ」
ゼリーがアイリスの元へ返ってきた
「はぁ……喉越しが爽やかでとっても、美味しいですっ」
「ブドウの種類によって味が違うんだよ。おすすめはもう少し後に収穫されるものなんだ……ジュースにすると美味しいんだよね」
「ブドウの種類で味が……」
ゴクリと喉を鳴らす
「あっ、そうだこのオレンジのショコラも美味しいんだよ」
「ありがとうございます、殿下」
すっとショコラを没収される
「なんで、意地悪するんですか! もうショコラの口になっているのに…」
頬を膨らませるアイリス
「名前で呼んでくれる?」
「エヴァン様……」
「はい、覚えておいて」
ショコラを渡された
「チョコがビターでオレンジと合いますね、これも初めて食べましたっ」
新しくお茶が淹れられたので遠慮なくカップに口をつける。
「はぁ……。美味しいです」
ふと微笑むアイリス
「喜んでくれたみたいだね」
「でん、エヴァン様ありがとうございました」
「どういたしまして、そろそろ庭に行く? 散歩しようか」
「はいっ」
エヴァンに手を出されたので手を取り立ち上がる。そして腕を組んで歩き出した。
「わぁかわいいお花ですね」
ピンクや白の小さい花が咲いていた
「こっちから良い香りが….」
「金木犀が植えてあるんだ」
「へー」
思いっきり空気を吸い込む
「秋を感じさせる良い香りだ」
「はい」
「花言葉は初恋だって」
「エヴァン様はお花の事もよくご存知なんですね」
「そう?お茶にも入れると良い香りがするよ」
「へー、それは飲んでみたいです」
「四季折々の花が植えてあるから、季節によって違う顔が見れるんだよ。夜になると咲く花もあるし、香りが強くなる花もあるよ」
「うちに植えてあるお花とは違って見ていて楽しいです」
その後も花の説明をしてくれて、とても楽しい時間を過ごしてしまった。
「あっ、ここは少し影になる所で滑りやすいから気をつけて」
「はい」
返事と共に見事に足を滑らせてしまった
「危ないっ」
エヴァンに背中を支えられて転ばずにすんだ。
「すみませんでした」
離れようとするが、まるで抱きしめられたような体勢になり、髪がエヴァンのボタンに絡みついて離れられなくなる。
苦笑いするエヴァン
「助けてもらったのに、こんな事になるなんて……」
今日は王子殿下が好きではないと言うふわふわのウェーブヘアーに仕上げてきたので、髪がボタンに絡まってしまった。
エヴァンの服にはボタンが多い
こんな面倒な女はもう嫌われただろう。
エヴァンが絡まった髪を解こうと苦戦している。
「エヴァン様、この際、髪を千切ってくださって構いません……」
上目遣いでエヴァンに提案する
「こんなキレイな髪なのに、千切るだなんて……少し大人しくしていて」
数分後エヴァンのボタンから髪が解放された。
「ありがとうございました、ご迷惑をおかけしました」
申し訳なさそうに礼をする
「どういたしまして、あっちのバラ園にも行こうか?」
「えっ! バラ?」
「バラは好き?」
「はいっ」
「じゃあ行こうか、また滑ったら困るからちゃんと、腕を掴んでてくれる?転ばれたら困るんだけど……」
すっと腕を出されたのでまた腕を組む形になった。
バラ園に着くと散歩を楽しむ数人の女性の姿が見られた。
「あら? エヴァンじゃないの?」
とても美しい女性に声をかけられた
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「あぁ、母上ではないですか?」
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