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中々の売り上げだった
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「3日間、ありがとうございました!」
売り上げは上々だった。
良い品でも売れないこともあるし、買い叩かれることもあると聞いていたけれど、私は運も味方してくれたらしい。1日目と2日目のみの販売にして、3日目は先生の手伝いや、敵情視察に行ったりした。
「また遊びにおいで。売りに来なくても歓迎するよ。……それにしても、その売り上げを持ち歩くつもりじゃないよね?」
じゃらじゃらとお金を持ち歩くことはできない。重たいし、悪い人に盗ってください! と言っているようなものだ。
「銀行に預けます。王都に本店があるので、そこで引き出せますよね」
「それがいい。観光するとしても気をつけるんだよ。可愛い子の一人旅は危なっかしい」
成人していますから、と心の中で呟きながら銀行へ向かう。
売れたのは十点。素晴らしい品物だけどうちにあっても宝の持ち腐れになるのだから好きにしていいと言われている。これだけお金があれば王都での滞在は安宿じゃなくても良いな。
最低限、個室で鍵のある部屋は取らなきゃ。お兄様はセキュリティ万全の高級ホテルに泊まりなさい! と言ってお金を持たせてくれた。
でも、このお金は返して結婚資金にしてもらわなきゃ。もうすぐ結婚するのに妹にお金を使うのではなくシャーリーさんに使って欲しいよ。
そう考えながら歩いていると、ばったりとユーゴ様に出会った。
「どこへ行く」
「……銀行です」
「貸せ。持ってやる」
「大丈夫です」
断ったのに、ユーゴ様は当然のように私のカバンを持って歩き出した。うーん。なんだろ、この人。言葉が圧倒的に足りない。
銀行の窓口へ行くと、なぜか個室へ通される。
「どうしてこんな部屋に?」
「窓口で大金出したら狙われるだろ。……バカか」
「そういうことは、ちゃんと言ってくれないとわかりません! 人にバカって言ってはいけないんですよ!」
「そうかよ」
職員さんがやってくるまでシーン。としていた。そしてお金を預けて書類を書き終了。未だ口を開かないユーゴ様。
一応お礼は言っておこうかな……知らなかったとはいえ、教え方が悪かったとはいえ、ここまで連れてきてくれたのだから。
「ユーゴ様、ありがとうございました」
「…………」
「感じが悪いですよ?」
つい余計な一言が出た。
「失礼なやつとは話さなくていいんだろ」
「……え、私のことですか!?」
「他に誰がいる」
心外だ。
「それなら構わないでください!」
カバンを取り返し、歩き出した瞬間だった。
ドンッと人がぶつかる。
「きゃっ!」
転んだ拍子に、カバンを奪われてしまった。
「待ちなさい!」
立ち上がろうとしたところで、腕を強く引かれた。
「そこで待ってろ。バカ!」
ジャケットを肩にかけられ、ユーゴ様は走り出す。
「足、速いんだ」
ユーゴ様のジャケットを肩に掛けるとなんだが温かみが残っていて落ち着く気がした。
しばらくして、カバンを持ったユーゴ様が戻ってきた。
「ほら。ちゃんと持っとけ」
息を切らし、前髪をかき上げたその顔がはっきり見えた。
──整った顔立ち。
「どうかしたか?」
首を横に振る。
「ありがとうございました。本当に……」
深く頭を下げる。
「素直じゃないか。いつもの威勢はどうしたんだ?」
素直になったらなったでこの仕打ち……っく。
「お礼をさせてください」
「もう遅い。宿まで送る。カバンは斜めに掛けろ」
ジャケットを返そうとすると、
「その上から掛けとけ。目立たない」
言い方は乱暴なのに、やっていることは全部優しい。
そして宿の前に着いた。
「誰が来てもドアを開けるな。お礼は明日の朝な。迎えに来るからそのとき」
「おやすみなさい」
「じゃあな」
部屋に入り、鍵をかけてから気づいた。
「あ……ジャケット」
売り上げは上々だった。
良い品でも売れないこともあるし、買い叩かれることもあると聞いていたけれど、私は運も味方してくれたらしい。1日目と2日目のみの販売にして、3日目は先生の手伝いや、敵情視察に行ったりした。
「また遊びにおいで。売りに来なくても歓迎するよ。……それにしても、その売り上げを持ち歩くつもりじゃないよね?」
じゃらじゃらとお金を持ち歩くことはできない。重たいし、悪い人に盗ってください! と言っているようなものだ。
「銀行に預けます。王都に本店があるので、そこで引き出せますよね」
「それがいい。観光するとしても気をつけるんだよ。可愛い子の一人旅は危なっかしい」
成人していますから、と心の中で呟きながら銀行へ向かう。
売れたのは十点。素晴らしい品物だけどうちにあっても宝の持ち腐れになるのだから好きにしていいと言われている。これだけお金があれば王都での滞在は安宿じゃなくても良いな。
最低限、個室で鍵のある部屋は取らなきゃ。お兄様はセキュリティ万全の高級ホテルに泊まりなさい! と言ってお金を持たせてくれた。
でも、このお金は返して結婚資金にしてもらわなきゃ。もうすぐ結婚するのに妹にお金を使うのではなくシャーリーさんに使って欲しいよ。
そう考えながら歩いていると、ばったりとユーゴ様に出会った。
「どこへ行く」
「……銀行です」
「貸せ。持ってやる」
「大丈夫です」
断ったのに、ユーゴ様は当然のように私のカバンを持って歩き出した。うーん。なんだろ、この人。言葉が圧倒的に足りない。
銀行の窓口へ行くと、なぜか個室へ通される。
「どうしてこんな部屋に?」
「窓口で大金出したら狙われるだろ。……バカか」
「そういうことは、ちゃんと言ってくれないとわかりません! 人にバカって言ってはいけないんですよ!」
「そうかよ」
職員さんがやってくるまでシーン。としていた。そしてお金を預けて書類を書き終了。未だ口を開かないユーゴ様。
一応お礼は言っておこうかな……知らなかったとはいえ、教え方が悪かったとはいえ、ここまで連れてきてくれたのだから。
「ユーゴ様、ありがとうございました」
「…………」
「感じが悪いですよ?」
つい余計な一言が出た。
「失礼なやつとは話さなくていいんだろ」
「……え、私のことですか!?」
「他に誰がいる」
心外だ。
「それなら構わないでください!」
カバンを取り返し、歩き出した瞬間だった。
ドンッと人がぶつかる。
「きゃっ!」
転んだ拍子に、カバンを奪われてしまった。
「待ちなさい!」
立ち上がろうとしたところで、腕を強く引かれた。
「そこで待ってろ。バカ!」
ジャケットを肩にかけられ、ユーゴ様は走り出す。
「足、速いんだ」
ユーゴ様のジャケットを肩に掛けるとなんだが温かみが残っていて落ち着く気がした。
しばらくして、カバンを持ったユーゴ様が戻ってきた。
「ほら。ちゃんと持っとけ」
息を切らし、前髪をかき上げたその顔がはっきり見えた。
──整った顔立ち。
「どうかしたか?」
首を横に振る。
「ありがとうございました。本当に……」
深く頭を下げる。
「素直じゃないか。いつもの威勢はどうしたんだ?」
素直になったらなったでこの仕打ち……っく。
「お礼をさせてください」
「もう遅い。宿まで送る。カバンは斜めに掛けろ」
ジャケットを返そうとすると、
「その上から掛けとけ。目立たない」
言い方は乱暴なのに、やっていることは全部優しい。
そして宿の前に着いた。
「誰が来てもドアを開けるな。お礼は明日の朝な。迎えに来るからそのとき」
「おやすみなさい」
「じゃあな」
部屋に入り、鍵をかけてから気づいた。
「あ……ジャケット」
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