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ビルト家の祖父の話(間話)
しおりを挟む父上の再婚は祖父の紹介によるものだった。
「フリーダさんは現バシュ子爵の妹君で、ご主人が亡くなられて辛い立場にある方でな、うちも古くから付き合いのある家柄だ。質素で慎ましい性格で主人を立てる理想的な妻の鏡だよ」
祖父がそう言って義母と義妹を連れてきた
「はじめまして、ラウロお義兄さま…ライラと申します」
ちょこんと挨拶をする姿が愛らしかった。私には兄妹がいなかったので、義理とはいえその存在が嬉しく感じた。
「ラウロ様、どうぞよろしくお願い申し上げます」
義母が挨拶をしてきた。
中々美しい人ではあったが、若干貧乏くさい…苦労してきたと祖父が言っていたから、我が家に嫁いできたのだろう。
父と領地経営をする為、領地に下がるそうだ。それは大変好ましいと思った。しゃしゃり出てこられるのも面倒だからな
ライラはこれから、王都の邸にてマナーの教育、貴族としての社交活動をして、そこそこの家に嫁いで行くという義務がある。ライラの結婚相手を見つけてから、私は婚約者のシルヴィアと結婚式を挙げることになる。
ある日シルヴィアと約束をしてきた舞台を見に行こうと思っていたら、ライラが行きたいと強請るので、こう言う場面も練習させておかねばと、ライラを連れて行くことにした
シルヴィアには後で説明をすればよかろう
シルヴィアとデートの為動物園へ行こうとしてきたら、ライラが行ったことがないと言った。それならライラを連れて行こう
ある日祖父が知り合いの家に用事があるらしく、別邸からタウンハウスへとやってきた。
ライラと私とお茶をしていた時に、由緒ある伯爵家の嫡男として、成金伯爵家に劣ることはない、うちは歴史あるビルト家だ!と教えてもらった。
貴族とは、歴史が長い方が重宝されて当然!一方シルヴィアのベック伯爵家は先代で陞爵したばかりの歴史が浅い伯爵家だった
あんな商人のような成金伯爵家!と祖父はあまりベック家のことをよく思っていないようだった。それに比べて義母の家は歴史が古く、慎ましい女性だと褒めていた。
ライラも母親を褒められていたので、とても嬉しそうだった。
そうか…我が家の方が上なのか!と祖父の言葉は心に刺さった。
シルヴィアの事は美しく会話も楽しく好ましく思っているが、なんせ金がかかる女だ。
ドレスや宝石は一流品、パーティーを開けば飲み物・食事に至るまで金がかかり過ぎていると思っていた。
金に物を言わせて、人を惹きつけている成金の発想だ。
父親を見ていればわかるな。
へらへらとして愛想を振り撒き、金をばら撒いている。我が家にも金を援助と言う形で渡してきているが、有り余っている金だ。それで優位に立ったつもりなんだろうな
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