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学園祭最終日
「セイラ様、先程のリスって何のことですの?」
フローラ様に聞かれましたが……
「バザーに出す為に刺繍をしていたんです。お花ばかりではなくて動物もモチーフにしようとしていたんです。仲の良い侍女が私の刺繍の先生なんですけれど、どうも目つきが悪かったらしくてクマに見えたようで……
その事をウィルベルト様にお話ししたら、欲しいとおっしゃって、失敗作だからお断りしたんですけれど……私のリスを見ていつも笑っているそうです。酷いですよね」
「まぁ! そんな事があったのですね。セイラ様は凄いですわよ……内緒ですけれど、私のハンカチはメイドが刺繍しました。
私は刺繍が苦手なんですもの。ですからセイラ様が刺繍されるものは凄いと思いますわ。クマだなんてオリバス様は失礼なお方ですわね」
「持ってこなければ良かったと後悔しています。もし上手にできるようになったら、フローラ様にプレゼントしてもよろしいですか?」
「ふふっ。おねだりしたみたいですわね。嬉しいですわ」
******
学園祭は最終日になり、舞踏会があります
「セイラ素敵ね、綺麗よ」
ドレスに着替え両親にお披露目です。優しい色合いの黄色がメインで白いレースがふんわりと軽やかなデザインでした。
少しおめかしをして、髪の毛に緩くウェーブをかけてもらいました。
「ドレスを仕立ててくださってありがとうございます」
お父様に感謝の気持ちを伝えました。お父様もお母様も私のドレス姿を見て喜んでくれました
「セイラは学園生活を楽しんでいるようだし、安心したよ」
レオのことで心配をかけたから、学園祭に来てくださったのだろう。ちゃんと気持ちを伝えないといけません。
「これもお父様やお母様のおかげです。お兄様も一緒にいてくださるのでとても心強いです」
「セイラは舞踏会で特定の誰かと踊るのかい?」
「えっ! 誘われていませんよ。ちゃんとしたダンスはお兄様としか踊ったことありませんし、下手だし」
しどろもどろと答えました。誰にも誘われていないのは本当ですもの。
「セイラ、ちょっとおいで」
お兄様に手招きされたので、近くに行きました
「何か?」
すると付けていた首飾りと耳飾りを取られて、リサがすっとトレーを差し出してきました。
「私達からのプレゼントだ」
新しい首飾りと耳飾りを、お兄様がつけてくださいました。リサに鏡を出されたので、鏡で確認しました
「わぁ! 素敵。誕生日でもないのにこんな高価そうなものを……よろしいのですか?」
ドレスやアクセサリーまで。大袈裟ですがお姫様になった気分でした。
「うちはな、好きでケチっているわけではない。娘の一人くらい飾れなくてどうするんだ……。使うときは使うんだよ」
お父様は苦笑いでした
「そうよ。年頃の娘ですもの。今は使うときですよ。まだ足りないくらいですけれどね、あなた」
お母様は楽しそうにお父様を見ました
「楽しんでおいで、リサ頼むよ」
「はい、それではセイラ様行きましょう」
「うん」
******
「セイラ様とても素敵ですわね」
フローラ様に言われましたが、フローラ様は堂々としていて、ザ・侯爵令嬢という貫禄がありました。
「フローラ様なんて美しいのでしょう」
フローラ様に見惚れてしまいました。フローラ様が一番美しいです……! このように美しい人を間近で拝めるなんて……最高です!
「セイラ様のアクセサリーとても素敵ですわね」
「ありがとうございます。両親と兄からプレゼントとしていただきました」
「とてもお似合いですわ。ドレスにも合わせてあるのですね」
お互いのドレスやアクセサリーの褒め合いをしていました。
舞踏会は始まっていて、いろんな方に話しかけられるのですが疲れてきてしまいました。ダンスにも誘われるのですが……。
フローラ様は婚約者様のご親戚の方に話しかけられ、申し訳なさそうに離れていかれました。
会場を見渡してもウィルベルト様は見当たりませんでした。どこかに隠れているのかな……?
少し冷たい風が浴びたくて、会場を抜けると風が心地よく吹いていました。
「セイラ?」
「……レオ」
無言でした。話す事が出来ないと言うか、気まずいというか……
「そのドレス、似合っている」
「ありがとう、レオもタキシード似合っているね」
再び無言になりました。お兄様にレオとは近寄るなと言われていますし、話すことが思い浮かびませんでした
「えっと、私行くね、」
「待ってくれ!」
そう言われ腕を掴まれました。嫌な予感がします
「離して、」
「悪かった。全部俺が悪い、許してくれとは言わないが、俺は将来セイラと結婚するからと安心していたんだ……」
「もう、いいよ。だから離して」
腕をぶんぶんと振り回しました
「俺はセイラが好きなんだ。ずっと子供の頃から。今年セイラが入学してきてこんな姿を見たら軽蔑されると思って、昔と変わらないセイラを真っ直ぐ見られなくなったんだ。自分が恥ずかしくて……」
「もう。いいから」
後ろを振り向き会場へ戻ろうとしました
「好きなんだよ、セイラ」
急に後ろから抱きつかれてしまいました。耳元にレオの吐息が聞こえてきて、恐ろしく感じました。
「………離して……」
震える声でレオに言いました。こんなレオ知らないから
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