婚約破棄されて国外追放…?の予定だった

さこの

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ルアン王国での生活

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「ティーナ!やっと会えたわね」

 伯父様の家に来てから一週間が過ぎた頃、ミーナとお茶会をするために、公爵家へ招待しました

「ごめんね、バタバタとしてまとまった時間が取れなかったものだから、もっと早くミーナに会いたかったのだけど…」


「やぁ、オーバリ侯爵令嬢久しぶりだね」

 一緒にミーナを迎えたニコラウスお兄様がご機嫌な様子で挨拶をした


「お久しぶりです、この度はお招きいただきありがとうございます」

 可憐な笑みを浮かべ丁寧な挨拶を返していました。どうやら二人は顔見知りのようです


「伯父様もミーナに挨拶がしたいと言っていたから、顔を出すかも知れないの」
 

「そんな!良かったのに…」
 驚いた顔をしていた。先日わたくしを迎えにきた時に衝撃を受けた。と手紙に書いてあったもの…
 伯父様が成人を迎えている姪を抱っこして連れて帰ろうとしたんですもの…
 伯父様は公爵で貴族代表のような方なのに…イメージが崩れたそうだ


「今日は日差しが心地いいから、庭に席を用意させた、オーバリ侯爵令嬢案内しますよ」

 お兄様の案内の元、ミーナと並んで庭へと行く。お兄様には聞こえないよう小さな声で話をする


『ごめんね、二人でお茶会をしたかったのだけど、叔父様もお兄様もいるなんて、気を使うでしょう…?』
『良いの良いの、これからまたチャンスはあるでしょう?』
『そうね』

 通された庭は見事なもので何十種類と言う花が咲いていた。

「わぁ、とても素敵なお庭ですのね」
 ミーナは喜んでいるようだった

「そうだティーナ、これ良かったら!」
 ミーナがバスケットを渡してきた

「なぁに?」
バスケットを開いて見る

「今朝焼いてきたの。レモンケーキなの」

「凄いですね!ミーナは自分でお菓子を焼くんですか!」
「えぇ、趣味なの」
「わたくしにも出来るかしら?」
「もちろんよ!今度うちで一緒に作らない?楽しいわよ~」
「はい。是非」


「……危なくない?怪我したり火傷したりしない?危険な事はして欲しくないんだけど」
 お兄様が水を差すような事を言いました

「……お兄様、わたくしはもう十七歳です。危険な事の分別はつきますよ?」
 
「そうだけど…この白魚のような手に傷が付くようなことがあったら、どうする?」


 本気で心配するお兄様に呆れてしまいます。甘いと言っても、まだユリウスお兄様やイザークお兄様の方が信頼してくれるような気がします…


 お兄様は二十二歳で婚約者はいません。
権力と金目当ての女性に興味がない。
 俺の顔が札束に見えているんだ。と言いますが、お兄様は紫の瞳にブロンドヘアーの涼しげな顔立ちで、絶対にモテるはずなのに、勿体ないです


「心配しすぎです!ミーナがいるのに恥ずかしい事を言わないでくださいね」
 
 恨めしそうに少し睨んだ

「…分かったよ、もう言わないからそんな顔をしないでくれ。可愛いだけだから」

「分かっていませんね…恥ずかしいでしょう!もうわたくしは成人しているのですよ」


「貴女は同じ女性のわたくしから見ても可愛らしいわ。とても仲がよろしいのですね、微笑ましく思います」
 またミーナに気を遣わせてしまいました


「今日はオーバリ侯爵令嬢を招いているのだった。すまないね。ティーナの事を我が家に連れてきてくれた恩人だったよ」
 お兄様は侍従に声をかけてリボンの付いた包み紙を持って来させた

「ティーナから君の話は聞いたよ。辛い時にティーナの側で支えてくれてありがとう。大したものではないけど、お礼をしたくて、招待したんだ」
 リボンが付いた包み紙をミーナの前へそっと置いた
 

「受け取ってくれ、感謝の気持ちだ」

「ご存知だとは思いますがわたくしにも事情があり、家へ戻ってくるタイミングをはかっていたところに、ティーナと出会って…お礼を言うのはわたくしの方ですもの。戴けません」

 困った顔をするミーナですけど、貰って貰わなくてはこちらとしても困ります

「ミーナ、開けてみて!」
「え!でも……」

「せっかく選んだのに…」
「…ティーナが選んでくれたの?」

「はい、伯父様とお兄様が相談に乗ってくれて、実はね、これお揃いなの。貰ってくれなきゃ私も使えないわね」
 にこりと微笑むとミーナは諦めたように包みを開けてくれました

「わぁ、可愛い。すごく素敵ね」

 選んだ物は万年筆で、クォーツが花の形になっている物と、得意の刺繍を施したペンケース


「ミーナへのお礼なのにわたくしの分もおねだりしたの。クオーツは邪気払いに良いみたい。わたくし達も嫌なことばかりではなくて、新たな道を進むと言う願いを込めて、選んだのよ、ペンケースは…わたくしの作ったものをミーナに使って欲しくて」

 言って恥ずかしくなるけれど、ミーナに渡したくて…
  

「ニコラウス様、高価なものをいただきありがとうございました、大切に使います。ミーナもありがとう、わたくしは刺繍が苦手だから尊敬するわ!」

 ミーナが喜んでくれたようで良かった

「本当は全面宝石がついた万年筆を勧めていたんだけど、却下されてしまった…こんな物では感謝しきれないんだけど、ティーナが選んだものだから遠慮なく受け取って欲しい」




 
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