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学園でのアルベルティーナ
しおりを挟む「アルベルティーナ嬢、私が持とう。重たい物を令嬢に持たせる事は出来ない」
「いえ、王子殿下にお持ちいただくのは……あっ…!困ります」
日直の仕事をしていた時でした。
授業で使った資料を図書室に返すようにと教師に言われました。たった三冊の本です
「図書室に戻すんだね?指示してくれる?」
「わたくしが…」
「良いから行こう」
並んで歩くことに躊躇を感じましたので、一歩後ろを歩く事にしました
「今日のランチもヘルミーナ嬢と取るの?」
「はい、ヘルミーナ様とお話をしていると楽しくて時間が過ぎるの早いんですよ」
「…私のランチの誘いはいつ受けてくれるのだろうか?友達との付き合いは大切だけど、クラスの人とももっと交流をした方が良いよ。せっかく留学をしているのだから」
優しい顔に、口調、行動、どれを取っても何も知らなかったら勘違いしてしまいそうですわね
「クラスの皆さんもとても良くしてくださって感謝致します。わたくしもこちらにきて一ヶ月経ちますし、忙しい王子殿下の手を煩わすのも心苦しいので、そろそろ世話役はお断りしようと思っていたところです」
世話役だと言って友達との関係に口を出されるのが嫌ですもの。
学園内も案内してもらいましたし、席もお隣、ランチ以外はこんな感じで話しかけてこられます
ミーナの言う通り見目はよろしいのです
黒髪で濃い紫の垂れた瞳は優しそうな面持ちなのに、気になることが…少々…?距離が近いと言うか…
一歩離れていたはずなのに、いつのまにか隣に立って居ます。肩が触れそうな距離ですもの。また一歩離れましょう
「どうした?歩くのが早かったか?世話人の話だが、私の事は気にしなくて良い、留学をしていると心細いことも多々あると思う、私を頼って欲しいと思っているよ」
…意図が分かりません
勘違いするような言動は控えてくださいな
「その時は宜しくお願いしますわね。図書室まで親切に運んでいただきありがとうございました、後はわたくしにお任せください、それでは、」
図書室に着いたので、お帰り願おうと思っていたのに!
「ここまで来たんだ。手伝うよ」
「わたくしが頼まれた事ですので、王子殿下にお手伝いいただく事は出来ません」
やんわりと断った
「教室へ行っても皆からは腫れ物に触るような態度だ。自分のしでかした事への代償だけどね。ヘルミーナ嬢にもちゃんと謝りたい。
謝って済む問題ではないけれど、ヘルミーナ嬢が戻ってきてくれて少し救われた。
聞くところによるとアルベルティーナ嬢が説得してくれたのだろう?感謝するよ」
「いいえ。わたくしは、事情があってルアン王国へ来たんです。救われたのわたくしの方で、ヘルミーナ様にこそ感謝しています」
頭を左右に振ります。わたくしは説得なんてしていません。自分のことばかり考えていました
「どんな事情があっても、君がルアン王国へきてくれた事は嬉しいよ」
「王子殿下…そろそろ急がないと次の授業が…遅刻はいけませんね」
「そうだな、早く終わらせよう」
******
~フランク視点~
「皆さま初めまして、シーバ国から留学のために転校してまいりました、アルベルティーナ・カルムと申します」
美しい令嬢は優雅な仕草で、挨拶をした。女神の祝福と言われるピンクの髪の毛はウェーブがかかっていて、高貴な証と言われる紫の瞳はキラキラと宝石のように輝いていた。
室内だよな?まるで後光が差しているような感覚だ
「席は…あそこが空いているね」
教師が差した場所は私の隣の席だった。
結婚の為学園をやめた令嬢の席が丁度空いていた。
カルム公爵令嬢は軽やかな足取りで席に着き私に向かって微笑んだ
「お隣よろしいでしょうか?」
「あぁ、もちろん」
美しい顔だけではなくて、鈴を転がすような美しく澄んだ声をしていた
「宜しくお願いいたします」
カルム公爵令嬢が言った
「あぁ、こちらこそよろしく。私はフランク・ルアンだ」
名前を名乗ったら、笑顔が少し引き攣ったような気がした。
「王子殿下でしたか…お名前は存じ上げていましたがお顔を拝見したことがなかったので、ご無礼を…」
「いや、ここは学園で身分は関係ない。私もカルム公爵は知っているがその令嬢までは知らないのだからお互い様だよ」
夫人に良く似た美しい令嬢がいると言う噂は聞いた。夫人はルアン王国の公爵家出身
確か第三王子メイナードの婚約者だったはず。何か事情がありそうだが、ファルク公爵と親戚だから来たのだろうか…
「転校してきたばかりだから不安だろう、誰か世話役を…殿下よろしいですか?」
考え事をしていたら教師に世話役を申しつけられた。ヘルミーナとの婚約破棄騒動のおかげで私は肩身が狭い…。
いつもなら面倒な世話役だが、喜んで引き受けよう
「かまわない、カルム公爵令嬢後で学園を案内するよ」
「…はい、お手数おかけします」
眉をひそめる顔はとても可愛い
「カルム公爵令嬢」
「ここは学園ですもの、どうぞ宜しければ名前で呼んでくださいませ」
「では、アルベルティーナ嬢と呼ばせてもらうよ」
「はい、殿下」
笑顔で返事をするアルベルティーナ嬢は、
………可憐だった
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