婚約破棄されて国外追放…?の予定だった

さこの

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フランク殿下の事情

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 最近危険なクスリが入ってきたと噂されている。東の国から入ってきている、それを貴族が買い上げ私腹を肥している…と。


 そのクスリは高価な物から安価な物まであり、安価ものは庶民でも比較的手に入れやすく、命に別状はないが、何度も服用すると中毒症状が出て怒りっぽくなったり、不眠になったりとする副作用があるそうだ。
 高価なものになればなるほど、濃度が強いらしく、廃人になるか最悪は死に至ると聞く


******


 最近入学をしてきた男爵令嬢サーラという生徒が居た。
 きな臭い噂のある男爵が市井に囲っていた愛人の娘だと言う。
 貴族社会に慣れていない子だった。
学園は身分が関係ない。という言葉を真に受けて私に近寄ってきた


「フランク様おはようございますっ!」

「名前呼びを許した覚えはないぞ」


「え~でも学園はみんな平等ですよ!王族の人だからってここではみんなおなじです。あっ!今日ランチ一緒にどうですか?」


 教師や親に平等と言われるのなら納得するが、年下で元平民の男爵の隠し子に言われるとは…


「悪いが私には婚約者がいてな、他の女生徒と必要以上に仲良くするつもりはない」

「けちっ!」


 側近達はもちろんよく思っていないし、私も面倒事はなるべく遠ざけたい…そう思っていた。

 ある日、生徒会の仕事が終わり、茶でも飲んで帰ろう。と思っていたところにサーラが
「お疲れ様です」と言いお茶を出してきた

 いつもは控えている側近もいないし、生徒会のメンバーも帰った後で、おかしいと思ったが、部屋が無性に暑くてその茶を飲んでしまった。


「悪いな、ところでどうしてここに居る?」
「不法侵入ではありませんよ!はい、これ預かってきました」

 顧問から承認された書類だった



「廊下を走っていて…注意をされまして、そこで渡すように言われました!
 ノックしたんですよ?返事がなかったので開いていたから入ってきました。そうしたら、ここにお茶を淹れるセットがあったので淹れました」

 いつもは面倒なサーラだったが何故か今日は可愛く思えた。


 次の日は何故サーラが可愛く思えたのか分からなかった。
 私の婚約者で幼馴染のヘルミーナは銀髪の美少女であったから、サーラのような娘はハッキリ言って好みではなかった。


 しばらくはサーラと会うこともなく平穏な日々を過ごした。


 ある日、新聞を読んでいると市井ではクスリにおける中毒者が増えてきていると記事を読んだ

 中毒者によるといつの間にか服用をしていて、気がつくと意識が混濁し財産を失っていた。医者によると服用期間が短かった為意識を取り戻したと言う。
 その後も体調不良が続いているから、安易にクスリに手を出さないように。と体験談が書かれていた。


 こんなあやしいクスリが市井で蔓延っている。貴族社会にも入ってきているのではないか?と思い調査をすることにした


 中々尻尾が掴めないが、仲介人らしき人物を脅し話を聞くことができた。

 やはり貴族が絡んでいる。名前こそ出なかったが特徴からしてサーラの男爵家と国境付近の男爵家が怪しい動きをしていると、調査の結果一致した。



 学園で久しぶりにサーラを見かけたので声を掛けた。


「サーラ嬢久しぶりだな」
「王子殿下、ご機嫌よう」

「おや?どうしたんだ?随分と令嬢らしくなったね」
「お恥ずかしいですわ、非礼をお許しくださいませ」

 ふーん…どうしたものか


「少し話をしないか?」
「私が王子殿下とお話をするなんて、婚約者様に失礼ですもの」
「私の側近もいるから二人きりではない、どうだ?」
「…はいそれでしたら」

 ニヤリと嗤ったサーラに気がつかなかった


 前回ウッカリ飲んだお茶は危険だと思いお茶はこちらで用意した。

 風上にサーラが座った。不思議な甘い香りがしたんだ…またサーラが可愛く見えた


 それをきっかけに、よくお茶をするようになった。甘い香りに媚薬効果があるとは知らずに…。茶を飲む時もこれと言って警戒しなくなってしまった。


 サーラが虐められていると聞いた。
 私がサーラに構うのだからヘルミーナが嫉妬して虐めたんだ。と泣かれ虐めを止めるように言った。

 生徒会のメンバーもサーラに対して苦言を呈していた。
 今思えば、苦言を呈してくれる人こそ信頼できる友であるのに…

 そしてヘルミーナはそんな虐めをするような愚か者ではない…


 王妃主催の舞踏会での失態…あれには心から非礼を詫びたい。しかも国外追放とは…

 ヘルミーナの兄マティアスは、妹は絶対虐めなどしないと調査を始め、ヘルミーナの冤罪やクスリの売買に実態、犯人や売人まで全てを掴み陛下に報告をした。


 短い期間であっという間に犯人を挙げて、陛下から感謝と謝罪を受けた。
 マティアスは優しい顔をしているが、法務大臣について仕事をしている。現在は秘書官で最年少大臣もあり得るほど優秀な男


 それに私を敵視している。ヘルミーナを国外追放した元凶だ…そりゃそうだ


 クスリの影響と言うことで、私はお咎めはなかったのだが…周りの視線は冷たいものだ

 この件を知っているのは一部の人間だけ
 冤罪を作り、婚約者を信じず、話も聞かず、か弱き令嬢を国外追放にしたのだから、自分で言うのもなんだが…クソだ
 


 因みにサーラとの男女の関係は無かった、これは神に誓ってもいい。
 噂を広めたのはサーラ本人。これに関しては冤罪だ!






 
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