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アルベルティーナ
しおりを挟む「すまない、アルベルティーナ嬢の前で醜態を晒してしまった…」
頭を押さえて恥ずかしそうに顔を染めていた
「ヘルミーナ様と殿下の関係性が垣間見れて楽しかったですよ」
思い出しながら笑ってしまいました
「ところで君は…言いにくいが。その、シーバ国の第三王子メイナードと婚約をしていたよな?」
「……何故ですか、急に?」
声のトーンが落ちてしまいました、殿下は申し訳なさそうな顔をしていました
「公爵が君には婚約者はいないと先日のパーティーで言っていたから…」
「聞いていらしたんですね。婚約はおそらく解消されていると思います。わたくしはその後どうなったかわからずに、ルアン王国へと来ました。家族や伯父様達は知っているのだと思いますが、わたくしの耳には入ってきません」
「解消の理由を聞いても良いだろうか?」
「…メイナード様の愛する方はわたくしだけではなく他にもおられました。平等に愛してくださると言われましたが、わたくしには受け入れることが出来なくて
…そうしましたら、我儘な女だと言われ、頭を冷やして考えるようにと言われました。
女性と親しくしているという事は、噂で聞きましたが目の当たりにすると現実から目を背けたくなって、顔を見せるなと言われ逃げてきました…」
「そこでヘルミーナと?」
「はい。殿下とのお話も聞きました。
その話が自分に重なってしまって…でもあらかじめ分かっていたので準備はしていて、それから国を出ました。ヘルミーナ様があの時一緒にいてくれて、どれだけ心強かったか」
あの時のことを思い出して涙が溢れてきました
「辛いことを聞いてすまなかった」
殿下はすっとハンカチを出してくれました
「いえ、自分のものが、」
「良いから使ってくれ」
肩に手を置かれ、ハンカチを渡されました
そして立ち上がり、殿下は自らお茶を淹れてくださりました
「温かいお茶は気持ちが落ち着くよ」
「はい、いただきます」
殿下は涙が落ち着くまで何も言わずに隣に座っていました
思っていたより悪い人では無さそうです
******
秋から冬に季節が変わろうとしていました。学園では、年に二回ある後期試験が控えていました。テストの範囲が張り出され、帰りの準備をしていたところ
「アルベルティーナ嬢どうかした?」
隣の席の殿下に声をかけられました
不安が顔に出たのかも知れません。
「ルアン王国に来て初めてのテストですから、少し緊張しまして。ルアン王国の歴史はまだ覚えることが多くて、歴史を重点的に勉強しようと思っています」
「そうか、それなら、」
「アルベルティーナ様」
「あら?」
「私のことは気にしなくて良い、行っておいでよ」
「?殿下少し失礼しますね。皆さんお揃いでどうされましたの?」
声をかけられた先にはクラスメイトの令嬢が三名いました
「はい、突然声をおかけして失礼します。
殿下とお話をされていたようなので…あまり殿下と親しくするのはよろしくないかと」
「ヘルミーナ様がいらっしゃるのに、あんな女に熱を上げて…しかもその、ふしだらな関係性まで…」
「アルベルティーナ様が殿下といますと、ありとあらゆる噂が立ってしまいますよ」
まぁ…!あまりことを荒立てたくはありませんが…。
「わたくしは留学で来ているもので、詳しい内容までは存じ上げませんが、殿下は案内役をしてくださったり、とても感謝しています」
「ヘルミーナ様と仲良くされていらっしゃるから殿下の事はお聞きでしょう?」
「えぇ、そのことについては存じ上げておりますけれど、わたくしが口出しをする立場ではありませんもの。ヘルミーナ様も殿下も私にとっては友人に違いありません」
「そうでしたか?差し出がましいマネをして申し訳ございませんでした」
一人の令嬢が言いました
「いいえ、とんでもございませんわ。こちらこそお気にかけてくださってありがとうございます。それでは」
皆さんに礼をして、お待たせしていた殿下の元へ戻ります。
悪い人たちではないようで、ホッとしました。殿下の地に落ちた信頼が少しでも取り戻せるようにお手伝い出来たかしら?
ボソッ「八方美人」
「聞こえるわよっ。でも良い子ぶって…公爵家だからって隣国の、でしょ…」くすくす…
分かっていただけなかったようです…。
「殿下お待たせしました。先程の、」
「いや、なんでもないよ。勉強頑張って」
「…え、えぇ、ありがとう存じます」
どうしたのでしょうか?殿下が、席を立って教室から出ていかれました。帰りの挨拶もせずに行かれるなんて珍しいです事
「あら、殿下の忘れ物かしら…?」
大事なものだと困りますわよね…この時間だと生徒会室でしょうか?
まだ時間はありますし、お届けにいきましょう。
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