夢でも良いから理想の王子様に会いたかったんです

さこの

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その45(フランソワとアラン)

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フランソワは不貞腐れている。
今日は兄の誕生日会だというのに

姉様に嫌われた。
あれから話もしてない。
目も合わせてくれない。

もう誕生日会は始まっているのに会場に入る事が出来なく、庭のベンチに座っている。


「よぉ!フランソワ」

「…なんですか殿下?」

「お前、俺じゃなかったら王族に対して不敬罪だぞ!」

「お好きにどうぞ」

「姉様なら、会場にいるでしょう?早く行ってくださいよ!」

「少し、話をしないか?」

「話なんてありません」

「こっちはあるんだよ!少しは聞けよ」

「姉様の話?」

「喧嘩したんだろ?」

「聞いたの?」

「まぁな」

「僕とは話をしてくれないのに」

「お前どうせ、俺にマリーを取られると思って嫉妬してんだろ?」

「ムカつく!なんであんたなの?僕が姉様とずっと一緒にいるはずなのに!僕の気持ちなんてわかんないだろ?消えてよ!」

「あぁ、俺には妹にそんな感情はない!お前らが異常なだけだよ」

「姉様を取るくせに!ぽっと出てきたのに!」

「ぽっと。ねぇ……。」

「なに?」

「四年前だよ」

「はぁ?なんの話だよ」

「四年前に、お前らの母親がマリーを連れて王宮に来たんだよ。その時から好きだったんだよ!一目惚れだな」

「はぁ?本気で言ってんの??母上にも会ったの?」

「美しい人だったぞ。」

「僕、記憶にないんだよ。ズルイよ」

「そうだろうな。でもな、マリーの方に気を取られて俺もあまり覚えていない」

「へー。気持ち悪いね、王子なのに」

「その辺はお前らと同じだな」

「なにも知らないくせに!」

「ユーリウスの婚約が決まったぞ!相手はガルシア公爵のシャルロット嬢だ!」

「え?そうなの?」

「嫉妬するか?」

「するわけないでしょ!」

「マリーの相手は俺じゃ不満か?ぽっと出じゃないぞ!俺も拗らせてんだよ。マリーじゃないとダメなんだよ。だから今口説いてる最中で、婚約も了承を得た」

「認めない」

「だろうな!だからマリーが俺を好きになったら、お前は俺のことを認めろよ」

「なにそれ?バカなの?」

「お前マリーにもバカって言ったろう?」

「………怒ってた?」

「いや?売り言葉に買い言葉ってやつだろ?キライっていうのも、言い過ぎたって反省してたぞ」

「姉様は悪くないのに?姉様は鈍くて、天然で、人の気持ちも分からない人だもん」

「まぁ、大まかには間違っていないが、人の気持ちは分かってるみたいだぞ。お前と一緒だよ。ユーリーがシャルロット嬢との婚約話が出たときに、お兄様が取られちゃうって言ってたぞ!似てるな、お前ら」
苦笑いしながら、アランは続ける
「でもな、ユーリーの事もシャルロット嬢の事も好きだから応援するんだとさ」

「へぇー。ブラコンなのに?」

「あぁ。私にだけ優しかったお兄様がとられるって言った時は、腹がたったな!あのシスコンも相手が出来ると変わるんだな、あいつの顔を見てこいよ、驚くぞ」

「兄上め!裏切ったな!」

「お前もシスコンを卒業しろとは言わんが、他にも目を向けろ。勉強でも剣術でもやる事はやってんだろ?」

「姉様は母上に似ているから、僕母上の思い出がないから……」

「それは、お前の親父もそうだろう?あんなに愛しあってたんだろ?お前の親父はどうやって克服した?」

「姉様が居たから……」

「あいつも自分の顔が母親に似ていて辛かったんだよ!だからあいつなりにがんばったんだろ?違うか?」

「それは……違わない」

「じゃあ認めてやれよ、バカなところは仕方ないけどな、それも含めてな」

「でもまだ、あんたが婚約者って認められないよ?」

「だから、惚れさせるっていってんだろ?時間をくれよ。」

「あんた王子なのに口悪いよね?」

「王子ってわかってるなら、お前の口調もどうかと思うぞ!お前猫被ってんな!大変そうだな。だが今の方がいい。話しやすい」

「怒らないの?」

「今は二人だけの会話だ。誰も咎めるものはいない」

「あんた意外と良い人なんだね」

「あぁ。俺の本性を知ってるのはお前とその
姉くらいだな」

「姉様が?へー。意外だ。」

「どういう意味だ?」

「キラキラした王子様が好きなんだよ、姉様は」

「だから猫被ってんのか?」

「あんたも被ってるよね」

「フランソワ、俺の前では猫を被るなよ」

「はぁ?」

「数少ない一人になってやるよ」

「ねぇ、兄上もあんたのその姿知らないの?」

「ここまでは知らないだろうな」

「ふーん、分かったよ。あんたと話してたら疲れるから会場に行くよ。」

「あぁ、そうしろ」


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なんだよ、王子様本当にやるじゃないか!
あのフランを丸め込むなんてな。

面白い男だな。笑いが込み上げる

「おや?旦那様はまだ庭で隠れんぼですか?」
「リエムか、驚かせるなよ!」
「いい話が聞けたようですけど、盗み聞きは良くないですね!」
「お前もな!……戻るぞ」
「これから忙しくなりそうですね」
「そうだな、頼んだよ」
「かしこまりました」

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