【完】婚約してから十年、私に興味が無さそうなので婚約の解消を申し出たら殿下に泣かれてしまいました

さこの

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バザーのお菓子


「セリーナお嬢様は、型抜きをしてくださいますか?」


 週末は王都の屋敷に帰ってきます。家族に学園の話をしたりして、過ごしました。


 そして侍女とお菓子作りの練習をしようとしたところ、数人のメイドとコック長が手伝ってくださる事になりました。

 私が言い出しっぺなのですが、お菓子を作った事はありませんしプロに習いましょう。


 見た目は可愛らしいお菓子ですけれど、作るには大変で、材料を計ったり、刃物を使ったり、力仕事もあるのですね。
 知りませんでした! 発見ですわ!


 椅子に座って作り方を見学しているだけでも、とても面白くて勉強になりますわね。



 と言うところで、クッキーの生地が出来たようで声が掛けられたのです!



「型抜きってどうすればいいのかしら? 教えて貰える?」

 まずエプロンをつけて、手を洗いました。


「クッキーになる生地を伸ばしているので、端からこのように、」


 侍女が人の形になっている型を生地に押し付けました。

「こうして、ぽんぽんぽんっと押していくのです。生地にもう型がおけなくなりましたら、余った生地を取って丸めて伸ばして型を抜く、数回この作業を繰り返します」


「そう言う仕組みなのね! 余すことなく使えるという事ね!」

 侍女に習って型を押し付けました。


「お上手ですよ! お嬢様」


 型を抜き始めて数十分、ようやく全ての型抜きは終わり、オーブンに入れて焼き上がりを待つのだそうです。


「楽しみね!」


「はい。焼き上がりを待つ間、お茶に致しましょう。その後はラッピングの練習を致しましょうね! 可愛らしくラッピングをして販売した方が喜ばれる事でしょう」


 そこまで考えが及びませんでした。

 そうだわ! クッキーを焼いてサムさんとダニエルさんにお渡ししましょう。当日は販売をして貰わなくてはいけませんものね。

 どんなクッキーを販売するか実物を見ておいた方がよろしいですわね。



 週明けに学園へ行きました。


「サムさん、ダニエルさん、おはようございます。昨日クッキーを作ってみましたの! ……と言っても私は型抜きをしただけですけれども。当日はクッキーとアップルパイを販売しようと思います。宜しかったらご試食してみてくださいな」

 ラッピングをしたクッキーをお渡ししました。


「え! セリーナ様がお作りに……」
「光栄です! 僕たちがいただいてもよろしいのですか!」


「もちろんですわ。当日は販売をお願いするのですから、どんなものか知っておいた方が宜しいでしょう?」


「「ありがとうございます!!」」



******



「セリーナはまだかなぁ」

 サロンでウロウロとするジェフェリー

 コンコンコンとノックする音が!


「来た!」


 側近の一人が扉を開けに行く。
 セリーナの前で緊張して話ができなかった時は側近がフォローしてくれる。頼りになる存在だ。


「えっと……ジュリアナ嬢? どうされました?」

「え? ジェフェリー殿下からご招待をいただいたのですけれど……」


「ほぅ? それはどのように?」


「これです! 私の机の上に招待状が置いてありましたもの」

「……少しお待ちを!」







「殿下! 招待状はセリーナ様の机の上に置いたのですね?」

「当たり前だろ! 教壇の真ん中前から二番目」


「……殿下、セリーナ様のクラスは席替えをされてセリーナ様の席は窓側の席に移られました!」


「なんだって!」


「招待状はジュリアナ様の机に置かれたのでしょう。間違いとは言え、帰すことは出来ません。こちらの間違いですから失礼に当たります」


 招待して間違いだったとは言えない。そういえばセリーナから返事が返ってこなくておかしいと思ったんだ……。


「それはそうだが……セリーナとの時間が」


「次回間違えのないように! 本日はジュリアナさんとお茶を! 適当に楽しませて帰ってもらいましょう。世話役として誘ったと言う事にしておけば、周りから不思議に思われることはないでしょう」





「……わかった」

 がくりと項垂れるジェフェリーだった。








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