【完】婚約してから十年、私に興味が無さそうなので婚約の解消を申し出たら殿下に泣かれてしまいました

さこの

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お茶会


「ジェフェリー、セリーナいらっしゃい」


 本日のお茶会は王宮内の庭園で開かれた。

「母上、お待たせしましたか?」

「王妃様、お待たせ致しました」


 二人遅れた事を詫びて礼をした。約束の時間の十分前についたが、王妃様は先に席に着いていた。
 申し訳ない気持ちになりました。


 王妃様はジェフェリー様と同じピンク色の髪の毛でいつ見ても若々しくてお美しいです。ジェフェリー様は王妃様に似ていらっしゃるので、笑うと優しげな顔つきになるのです。


 最近知った事です。婚約して十年は無愛想でしたから、顔面に筋肉があったのだと思うとおかしくなりました。


「いいえ。用事が早く終わったから気分転換に早くきたのよ。気にしないでちょうだい。それよりジェフェリーとセリーナが並んでいると本当に絵になるわね。良かったわねジェフリー」


「はい。ありがとうございます」


「あら? 素直だこと。それに手なんて繋いで……どうしたの!」


「セリーナが躓いたらと思うと気が気でなくて……」


 ぽっと頬を染めるセリーナの心境は恥ずかしくて穴があったら入りたい。という思いだった。ジェフェリー様に手を出された時にどうしようかと戸惑ったのだけれど、それを感じたのかジェフェリー様は強引に、でも優しく手を取って歩き出した。


 耳まで赤いジェフェリー様はなんだか可愛くてそのまま手を繋いでいました。

「そう。良かったわ! さぁ、座って」


 王妃様の向かいにジェフェリー様と並んで座りました。

「あら? 隣同士に座っちゃって。思ったより順調ね」


「えぇ。セリーナが可愛すぎて顔を見ていると言葉が詰まります。横にいてちらちら見る方が、会話が成り立ちますから」


「そういう理由……まぁ良いわ。それより市民の噂についてだけど、」

「腹立たしい! あのゴシップですか!」

「なんのことですの?」


「セリーナの耳に入れるのは嫌だけど嘘はつきたくないから隠さずに言う。私がセリーナと婚約を解消して、あのジュリアナとか言う娘と結婚するとかなんとかで、平民から王妃になった例はないから身分差の愛とか言われていた。あり得ない話だ!」


「……そうでしたの」


「なぁに、セリーナその顔」


 王妃様が何かを察した様でした。婚約破棄をして自由にさせて差し上げたいと相談をしたことがありましたもの。


「私もジェフェリー様はジュリアナ様のことをお好きなのだと思っていましたから、」


「……そうだよな。セリーナの事を好きなのに冷たい態度を取っていたから」


 しゅんと小さくなり肩を落とすジェフェリー様は人が変わった様に、喜怒哀楽を表現しますわね。


「噂の元はたちました。裁判に持ち込まなくとも勝敗は見えてましたし、ゴシップ誌へは名誉毀損で慰謝料の請求、ゴシップ誌は事実無根であったと謝罪文を出させました。それにより廃刊になったのよ」


「まぁ、そうでしたのね……」


「フロス商会の動きを見ていたら、面白い事がありましたのよ? ご存知?」


「いいえ、存じ上げません」


「フロス商会はランディ侯爵家へ業者の立ち入りを禁じたらしいわね」


「なんですって! それは喧嘩を売っているのですか?」

 ジェフェリー様が立ち上がりました


「そう取られても仕方がないわ、セリーナ逆恨みされてるわね」


「だから業者が替わったんですね。屋敷のみんなに迷惑をかけてしまって……」


「ランディ侯爵はああ見えて怒ってらっしゃるから、これからどうなることかしらね」


「お父様が……」



******




「これはまずい……!!」


 フロス商会の一角で頭を悩ますジュリアナの父


「どういう事だ!」


 ばんっ! と机を叩き部下に怒鳴りつける


「はぁ、それがですね。何件かの貴族宅がうちとの取引をやめて他と取引を始めました。きっかけはランディ侯爵家でした……」


「その取引先はどこだ! 圧力をかけてやろうか!」


「それが、元貴族の方がやっている商会でして着実に客を得ていますし、バッグが大きいのでそれはきびし、いや! 出来かねます」


「貴様! 逆らう気か!? クビにするぞ!」


「……それではお世話になりました。こんなやり方をしても誰も得をしません。娘さんが大事なのはわかりますが、私にも家族がいます。沈みかけの船ならばおりなければなりません」


「覚えておくがいい。この件が片付いたらお前の一家は露頭に迷うだろう」


「それは脅しと捉えてもよろしいですか?」


「生意気な口を聞くな! ジュリアナの勘違いのせいでゴシップ誌の編集長はうちを恨んでいるし、高位貴族の邸宅への出入りも出来なくなった! 全てはランディ侯爵家のせいだ!! あの令嬢を王妃にしてたまるか!」


 自分の娘が勘違いして騒いだのに、何故か矛先がランディ侯爵令嬢に変わった……。

 この先この商会に未来はないと悟った。クビになったのは良い機会だったのかもしれない。


 頭を下げ、退職願を出しこの場を去った。











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