【完】婚約してから十年、私に興味が無さそうなので婚約の解消を申し出たら殿下に泣かれてしまいました

さこの

文字の大きさ
25 / 30

ジュリアナへの風当たり

 居心地が悪かった。いや、元々良くはなかったのだけど……。


 ここは貴族の学園で私は優秀だから入学ができた。世話役はこの国の王子であるジェフェリー様。美しくて、無口だけど分かるの。優しい人だって。

 なのに婚約者のセリーナ様には冷たいの! なんでかって、そんなの簡単。




 政略結婚だから。




 最近の流行りは自由恋愛。貴族でも平民を娶っている位だもの! だからと言ってその平民が幸せかどうかは分からないけどね。


 貴族って面倒くさいのよ! 
 
 家のしきたりや、貴族同士での作法! 

 バッカみたい! 

 私から見たら面倒なだけ! 

 表の顔は笑顔なのに裏ではどろっどろ! 会話も探り合いの様だし、周りくどいし、付き合いきれないわ!


 だから私がジェフェリー様と結婚して王妃になったらそんな面倒な事全部無しにして、皆んな平等になるようにしてあげるつもり!


 ジェフェリー様は無口だけどお世話はしてくれるし、お茶にも誘われた。


 しかも二回もよ? 
 中々ジェフェリー様のサロンに呼ばれるなんて事無いんだから! 


 婚約者のセリーナ様だって呼ばれた事なかった筈よ!


 なのになんでよ!!





「ジュリアナ嬢、君にはがっかりだよ。悪いが学園は退学してもらうことになった」


 はぁ? 退学ですって? 優秀なこの私が?!

 何かの勘違いでしょう? 優秀だからこの全寮制の学園に入学できたのに? 


 どいつもこいつもばっかじゃないの!


「理由を聞かせてもらえますか? 心当たりがありません」


 にこりと笑顔を見せる。私の笑顔は無敵なの。街のみんなは私の笑顔の虜よ!


「はぁ。君も分かっているだろう。学園の秩序を乱す行為は禁止している」


「私は身に覚えがありません!」


「婚約者のいる者と仲良くすることは秩序を乱しているとは思わないかい?」


「あら、お言葉ですけれど、その考えは古いですわよ? 今は自由恋愛が主流ですのに」


「主流か……君はそれでも良いかもしれないが、家と家との結びつきを敢えて壊す様な真似をしたら、その家だけではなく、国のバランスが崩れて国内で争いが起きるかもしれない。ましてや殿下はセリーナ嬢との結婚を望んでおられる。結婚できないのならまだ小さい弟に王太子の座を譲るとも言っていた。するとどうなる?」


 ……どうなるって、言われてもねぇ……


 でも王族でしょ? セリーナ様と結婚できないなら私が結婚してあげればいいじゃない? 市民もそれを願っていると思うわ。

 そう思い口にしようとしたら、


「王太子では無くなる。それによって王太子殿下派の貴族は反乱を起こすだろう。実際は弟殿下派の貴族も存在するからね。
 国で内乱が起きるとなると最悪な結果は王政はなくなり、国の存続すら怪しくなるね。今か今かと待ち侘びている周辺諸国が奇襲をかけてくる。急な事で市民は焦り逃げ惑い、尊い命は失われるだろうね。国のトップがいない状況だからね」


「そんな事になるわけないでしょう! ジェフェリー様が可哀想だわ。自由がないじゃない!」


「可哀想かどうかは君が決める事ではないよ。君は自分が何をしでかしたかちゃんと悔い改める事だ! 学園内のことだから私に決定権がある。ランディ侯爵令嬢を故意に傷つけたことは許されるべき行為ではない」


「はぁ? わたしがわざとやったとでも?」


「そうだよ。君はわざと足を引っ掛け、怪我をさせた」


「証拠でもあるんですか? 決めつけて!」


「みんなが見てないとでも思ったのかい? 多くの生徒が君が故意に足を出したと証言している」


「私を貶めるつもりなんだわ!」


「学園で起こった事で良かったね。もしこれが学園での事だったら……」




「……ゴクリ」


 唾を飲み込んだ。何? その間は! 早く言いなさいよ!












感想 16

あなたにおすすめの小説

将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです

きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」 5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。 その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?

「私に愛まで望むとは、強欲な女め」と罵られたレオノール妃の白い結婚

きぬがやあきら
恋愛
「私に愛まで望むな。褒賞に王子を求めておいて、強欲が過ぎると言っている」 新婚初夜に訪れた寝室で、レオノールはクラウディオ王子に白い結婚を宣言される。 それもそのはず。 2人の間に愛はないーーどころか、この結婚はレオノールが魔王討伐の褒美にと国王に要求したものだった。 でも、王子を望んだレオノールにもそれなりの理由がある。 美しく気高いクラウディオ王子を欲しいと願った気持ちは本物だ。 だからいくら冷遇されようが、嫌がらせを受けようが心は揺るがない。 どこまでも逞しく、軽薄そうでいて賢い。どこか憎めない魅力を持ったレオノールに、やがてクラウディオの心は……。 すれ違い、拗れる2人に愛は生まれるのか?  焦ったい恋と陰謀+バトルのラブファンタジー。

政略結婚だからと諦めていましたが、離縁を決めさせていただきました

あおくん
恋愛
父が決めた結婚。 顔を会わせたこともない相手との結婚を言い渡された私は、反論することもせず政略結婚を受け入れた。 これから私の家となるディオダ侯爵で働く使用人たちとの関係も良好で、旦那様となる義両親ともいい関係を築けた私は今後上手くいくことを悟った。 だが婚姻後、初めての初夜で旦那様から言い渡されたのは「白い結婚」だった。 政略結婚だから最悪愛を求めることは考えてはいなかったけれど、旦那様がそのつもりなら私にも考えがあります。 どうか最後まで、その強気な態度を変えることがないことを、祈っておりますわ。 ※いつものゆるふわ設定です。拙い文章がちりばめられています。 最後はハッピーエンドで終えます。

【完結】愛したあなたは本当に愛する人と幸せになって下さい

高瀬船
恋愛
伯爵家のティアーリア・クランディアは公爵家嫡男、クライヴ・ディー・アウサンドラと婚約秒読みの段階であった。 だが、ティアーリアはある日クライヴと彼の従者二人が話している所に出くわし、聞いてしまう。 クライヴが本当に婚約したかったのはティアーリアの妹のラティリナであったと。 ショックを受けるティアーリアだったが、愛する彼の為自分は身を引く事を決意した。 【誤字脱字のご報告ありがとうございます!小っ恥ずかしい誤字のご報告ありがとうございます!個別にご返信出来ておらず申し訳ございません( •́ •̀ )】

嘘つきな貴方を捨てさせていただきます

梨丸
恋愛
断頭台に上がった公爵令嬢フレイアが最期に聞いた言葉は最愛の婚約者の残忍な言葉だった。 「さっさと死んでくれ」 フレイアを断頭台へと導いたのは最愛の婚約者だった。 愛していると言ってくれたのは嘘だったのね。 嘘つきな貴方なんて、要らない。 ※投稿してから、誤字脱字などの修正やわかりにくい部分の補足をすることがあります。(話の筋は変わらないのでご安心ください。) 11/27HOTランキング5位ありがとうございます。 ※短編と長編の狭間のような長さになりそうなので、短編にするかもしれません。 1/2累計ポイント100万突破、ありがとうございます。 完結小説ランキング恋愛部門8位ありがとうございます。

【完結】要らないと言っていたのに今更好きだったなんて言うんですか?

星野真弓
恋愛
 十五歳で第一王子のフロイデンと婚約した公爵令嬢のイルメラは、彼のためなら何でもするつもりで生活して来た。  だが三年が経った今では冷たい態度ばかり取るフロイデンに対する恋心はほとんど冷めてしまっていた。  そんなある日、フロイデンが「イルメラなんて要らない」と男友達と話しているところを目撃してしまい、彼女の中に残っていた恋心は消え失せ、とっとと別れることに決める。  しかし、どういうわけかフロイデンは慌てた様子で引き留め始めて――

許婚と親友は両片思いだったので2人の仲を取り持つことにしました

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<2人の仲を応援するので、どうか私を嫌わないでください> 私には子供のころから決められた許嫁がいた。ある日、久しぶりに再会した親友を紹介した私は次第に2人がお互いを好きになっていく様子に気が付いた。どちらも私にとっては大切な存在。2人から邪魔者と思われ、嫌われたくはないので、私は全力で許嫁と親友の仲を取り持つ事を心に決めた。すると彼の評判が悪くなっていき、それまで冷たかった彼の態度が軟化してきて話は意外な展開に・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

平民の方が好きと言われた私は、あなたを愛することをやめました

天宮有
恋愛
公爵令嬢の私ルーナは、婚約者ラドン王子に「お前より平民の方が好きだ」と言われてしまう。 平民を新しい婚約者にするため、ラドン王子は私から婚約破棄を言い渡して欲しいようだ。 家族もラドン王子の酷さから納得して、言うとおり私の方から婚約を破棄した。 愛することをやめた結果、ラドン王子は後悔することとなる。