お姉さまが家を出て行き、婚約者を譲られました

さこの

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お姉様の婚約者

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アリシアと共に頭を下げる

「頭を上げて、普通にして」
低い声だが透き通った心地の良い声だった

そっと頭を上げるアリシア
「エクトル殿下、お誘いいただきありがとうございます。こちらは妹のフェリシアです」
アリシアがフェリシアの背中にそっと触れる、自己紹介をしなくては!

「第三王子殿下、はじめてお目に掛かります。アリシア・クリスタルの妹、フェリシアと申します。よろしくお願い申し上げます」
淑女の礼をする


「顔をあげて良いと言ったのに」
くすくすと笑われるので恐る恐る顔を上げることにした
「フェリシア嬢、はじめまして。畏まる必要は無い、私の事はエクトルと呼んでくれ」
優雅な笑顔で微笑まれた、一瞬時が止まった
「は、はい」

第三王子殿下は噂通りの優しそうな方だ
挨拶を終えて、用意された椅子に腰をかけることとなった


「エクトル殿下、妹はお花が大好きで我が家でもお花の世話をしていますのよ」
アリシアが嬉しそうに話をする

「そうなんだ、このパティオ内はどう?」
エクトルに話しかけられた
「とても素敵で、まるで夢の国のようです。でも落ち着きがあって素晴らしいです」
うっとりとした顔で答える
「本当に花が好きなようだね」
優しい顔だ
「はい」

王族に、プライベートで会うのは初めてだった。フェリシアが緊張しているのを知ってからとても優しく接してくれる
エクトルが用意してくれたお茶はローズティーで香り高く優しい味がする

エクトルとアリシアの他愛のない話に相槌を打ちながらローズティーを楽しむ
さすが王宮、お茶もお菓子も美味しすぎる。
感動を覚え一人悶絶する

「あら?フェリシアどうしたの?」

ローズティーのあまりの美味しさに目を瞑り味の余韻に浸ってしまった。エクトルとアリシアの会話の途中なのに淑女として恥ずかしい行為だ。しゅんと肩を落としながら

「お茶があまりにも美味しくて…」
呆れられる事を覚悟して、素直に答えると
くすくすと笑い声がする

「そんなに気に入ってくれた?私のお気に入りなんだ、お土産に持って帰ると良い。用意しておこう」
チラッと侍従を見るエクトル、侍従の方はペコリと頭を下げて何処かへと行った、きっとお土産のお茶を用意されるのだろう。
これは早く帰れと言う合図なのかもしれない


「第三王子殿下、本日は姉との大事な時間をお邪魔してしまいまして申し訳ございませんでした。お姉様、第三王子殿下、私は先に失礼させていただきます」
帰りの挨拶をして席を立とうとした瞬間

「フェリシア!パティオを案内して頂かない?せっかくの機会だもの」
慌てるようにアリシアに引き止められた

「…いえ、私はそろそろ、」
「そうだね案内しよう、おいでフェリシア」
「いえ、申し出は嬉しいのですが、」

断りを入れ席を立ち帰ろうとする
「いってらっしゃいよフェリシアこんな素敵なパティオなんだもの、エクトル殿下が手入れされているお花を見せて頂いたら?今後の参考になるかもしれないわよ?」
アリシアに言われて断れなくなった

「…殿下、ご迷惑でなければお願いします」
小さくなる声で返事をする
「勿論、喜んで案内しますよ」
フェリシアを見て笑顔で答えるエクトルを見てどきっとしたのは内緒だ
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