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エクトル殿下と
「フェリシア、おいで」
エクトルに促され歩き出す事となったが、どうしてもアリシアが気になり振り向き立ち止まる
「私はここでお茶を楽しんでいるわ、ゆっくり案内していただいて」
アリシアは微笑み美しい仕草で手を振るので、コクリと頷きまた歩き出す
案内するエクトルの後ろを付いて歩くが、近寄りすぎるのも良くないと思い少し離れた
ここはプライベートゾーンではない、人に見られ変な風に噂をされると姉に迷惑が掛かる
「ごめん早かった?少しゆっくり歩こうか」
エクトルが振り向く。
フェリシアが後ろを付いて歩くので気を使われたようだ
「いえ、大丈夫です、お気になさらずに」
「大丈夫と言うってことは、大丈夫じゃないって事だろ?足が早かったか、ごめん」
「いえ!本当に気になさらないでください」
ブンブンと手を顔の前で振る
謝られるような事はしていないのに…
敢えて少し離れたのは私だ
「そんなに否定しなくとも…」
眉を顰め苦笑いするエクトル
「私如きに殿下の大事な時間を割いていただいて申し訳なく思っています。お姉様とのお茶会もお言葉に甘えて邪魔をしてしまいました。今日はこの辺でお暇させて下さい」
申し訳なさそうに頭を下げる
「はぁっ、顔を上げて楽にして」
恐る恐る顔を上げるフェリシア
「さっき案内する時に喜んでって言っただろう?」
腕を組みフェリシアを見る
「姉が無理を言ったのです。殿下の優しさに甘えてしまいました…」
「私は花が好きなんだ」
「はい、存じております」
「特にこの時期の花は美しくて癒される。だから散策に付き合ってくれる?」
「その、よろしいのですか?」
「勿論喜んで」
風がそよぐたびに心地よい香りを運んでくれる。ライラックの花
「花びらが可愛いですねハートの形をしていますね」
ふふっと楽しそうに笑うフェリシア
「香りも良いよね、あっちにはピオニーも咲いている、甘い香りだ」
風が吹く度フェリシアの髪もそよぐ
「わぁっ!初めて見る品種です」
フェリシアの綻ぶような笑顔に気をよくするエクトル
「あちらの藤棚はどう?」
指をさされた方角を見る
「白色も綺麗ですね、緑に映えて」
エクトルと並んで歩き藤棚の近くに行く
「良い香りです、白い藤も幻想的で、」
「夢の国みたい?」
口の端を上げながら意地悪そうな顔をする
「忘れて下さいっ!」
ピンクに染まる顔を見て、くすくすと笑い出すエクトルに背中を向けて一人藤棚へ近寄るフェリシア
「きゃぁっ!」
蜂がフェリシアの頭上に飛んできた
香りが強い花には付き物だ
ブンブンと蜂が飛び回る音に、顔を青褪め立ちすくむフェリシア
「フェリシア!」
悲鳴を聞いてすかさずフェリシアを抱きしめる。身長が高いエクトルの胸元に顔を埋める形となった
数十秒の間だったが抱きしめられた事で息ができなかった
「よし、いなくなった、フェリシア怖かったろ?刺されなくて良かった」
フェリシアを気遣うエクトルに、身体を離される。フェリシアの顔は自分でもわかるほど真っ赤に染まっていた
ドキドキと心臓の音が早い…
「も、申し訳ございませんでした。私と一緒にいたせいで…殿下に何かあったらと思うと」
…臣下として王族は守るべき存在であり守られて良いものではない。急に怖くなってきた
「フェリシアが無事なら良かった」
エクトルがフェリシアの肩に触れようとするとびくっと肩が震え涙が込み上げてきた
「どうした?」
心配そうにフェリシアの顔を覗き込む
「第三王子殿下、ご迷惑をお掛けいたしました、御前失礼いたします」
逃げるように走り去るフェリシアだった
エクトルに促され歩き出す事となったが、どうしてもアリシアが気になり振り向き立ち止まる
「私はここでお茶を楽しんでいるわ、ゆっくり案内していただいて」
アリシアは微笑み美しい仕草で手を振るので、コクリと頷きまた歩き出す
案内するエクトルの後ろを付いて歩くが、近寄りすぎるのも良くないと思い少し離れた
ここはプライベートゾーンではない、人に見られ変な風に噂をされると姉に迷惑が掛かる
「ごめん早かった?少しゆっくり歩こうか」
エクトルが振り向く。
フェリシアが後ろを付いて歩くので気を使われたようだ
「いえ、大丈夫です、お気になさらずに」
「大丈夫と言うってことは、大丈夫じゃないって事だろ?足が早かったか、ごめん」
「いえ!本当に気になさらないでください」
ブンブンと手を顔の前で振る
謝られるような事はしていないのに…
敢えて少し離れたのは私だ
「そんなに否定しなくとも…」
眉を顰め苦笑いするエクトル
「私如きに殿下の大事な時間を割いていただいて申し訳なく思っています。お姉様とのお茶会もお言葉に甘えて邪魔をしてしまいました。今日はこの辺でお暇させて下さい」
申し訳なさそうに頭を下げる
「はぁっ、顔を上げて楽にして」
恐る恐る顔を上げるフェリシア
「さっき案内する時に喜んでって言っただろう?」
腕を組みフェリシアを見る
「姉が無理を言ったのです。殿下の優しさに甘えてしまいました…」
「私は花が好きなんだ」
「はい、存じております」
「特にこの時期の花は美しくて癒される。だから散策に付き合ってくれる?」
「その、よろしいのですか?」
「勿論喜んで」
風がそよぐたびに心地よい香りを運んでくれる。ライラックの花
「花びらが可愛いですねハートの形をしていますね」
ふふっと楽しそうに笑うフェリシア
「香りも良いよね、あっちにはピオニーも咲いている、甘い香りだ」
風が吹く度フェリシアの髪もそよぐ
「わぁっ!初めて見る品種です」
フェリシアの綻ぶような笑顔に気をよくするエクトル
「あちらの藤棚はどう?」
指をさされた方角を見る
「白色も綺麗ですね、緑に映えて」
エクトルと並んで歩き藤棚の近くに行く
「良い香りです、白い藤も幻想的で、」
「夢の国みたい?」
口の端を上げながら意地悪そうな顔をする
「忘れて下さいっ!」
ピンクに染まる顔を見て、くすくすと笑い出すエクトルに背中を向けて一人藤棚へ近寄るフェリシア
「きゃぁっ!」
蜂がフェリシアの頭上に飛んできた
香りが強い花には付き物だ
ブンブンと蜂が飛び回る音に、顔を青褪め立ちすくむフェリシア
「フェリシア!」
悲鳴を聞いてすかさずフェリシアを抱きしめる。身長が高いエクトルの胸元に顔を埋める形となった
数十秒の間だったが抱きしめられた事で息ができなかった
「よし、いなくなった、フェリシア怖かったろ?刺されなくて良かった」
フェリシアを気遣うエクトルに、身体を離される。フェリシアの顔は自分でもわかるほど真っ赤に染まっていた
ドキドキと心臓の音が早い…
「も、申し訳ございませんでした。私と一緒にいたせいで…殿下に何かあったらと思うと」
…臣下として王族は守るべき存在であり守られて良いものではない。急に怖くなってきた
「フェリシアが無事なら良かった」
エクトルがフェリシアの肩に触れようとするとびくっと肩が震え涙が込み上げてきた
「どうした?」
心配そうにフェリシアの顔を覗き込む
「第三王子殿下、ご迷惑をお掛けいたしました、御前失礼いたします」
逃げるように走り去るフェリシアだった
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