お姉さまが家を出て行き、婚約者を譲られました

さこの

文字の大きさ
21 / 57

エクトル

しおりを挟む
「迎えにきたよ、フェリシア」
馬車から降りエクトルはフェリシアの手を取りキスをする
帰宅する人で溢れる学園内でわざと見せつけるような行為だ

「エクトル殿下どうして?」
驚いて後ずさるフェリシア

「どうしてって迎えにきただけだよ。一緒にお茶をしようと思って誘いに来た、学園の様子も聞かせて欲しい」
チラッとエクトルが目をやった先には第二王子殿下の婚約者のリリアナがいた

「え、えぇ」
エクトルの…王宮の馬車に乗り込もうとするとエクトルに手を差し出された。
エスコートされ馬車に乗り込む
チラッとリリアナを見ると、悔しそうに扇子を地面に叩きつけていた

「制服姿は新鮮だね、一緒に学園に通いたかったよ。残念だ」
エスコートされた手はギュッと繋がれた
「エクトル殿下と?それは楽しかったでしょうね」
微笑むフェリシア

「ねぇフェリシア、私のことはエクトルと呼んで欲しい」
「お呼びしてますよ?」
首を振られるので不正解なのか…それなら

「エクトル様?」
にこりと微笑まれる、どうやら正解のようだ
学園まで迎えに来られ、学園の事を話して欲しいと言うエクトル、不思議に思って聞いてみる
「どうして学園のことが知りたいんですか?」
首を傾げる
「それはお茶を飲みながらゆっくり話そう」


エクトルに連れられてきた先はプライベートゾーンのパティオだった
初めてエクトルに会った場所でもある
以前来た時とはテーブルや椅子も変わっていた。より居心地が良さそうだ
「座ろうか?」
長椅子が用意されてフェリシアと横並びに座るエクトル
急に距離が縮まったようで居心地が悪い

「どうした?」
「その、あまりにもエクトル様が近くて…慣れないもので」
姉と二人の時はいつもこの距離だったのだろうか、と思うと胸が苦しい

「そう?でも慣れて貰いたい。…あっ!アリシアとはいつも机を挟んで話をしていたから、私もこの距離感は慣れないんだけど」
フェリシアの手に自分の手を優しく重ねてきた

「エクトル様、どうかされましたか?違う人みたい」
嫌ではないが以前とは違い近すぎる距離に戸惑いながら、困ったように話す

「違う人みたいって、フェリシアは私のことをそんなに知らないだろう?私もフェリシアの事を知らない、だから知りたい君の事を」

まるで口説かれているようなセリフに胸がドキドキと高鳴る
姉の事がなかったらきっと本気にしていだだろう

「学園はどう?何か嫌な目にあってない?」
真剣にでも優しく聞かれる

「なぜ、そんな事を聞くんですか?」
「急に私の婚約者になったから…嫌がらせとかされてない?言いにくいけど、兄の婚約者に」
「…いえ、大丈夫ですよ」
作り笑いを見せるフェリシア
エクトルはエスパーなのか?何かを知っているのだろうか…

「大丈夫ではないんだな、何かされた?教えてくれ、大事にはしないから」

ふぅっと小さく呼吸をする
「第二王子殿下を誘惑したと責められました…先日の夜会で一緒にいるところを見られてしまって」
フェリシアが下を向き後悔しているようだった
「うん、なるほどね、兄はフェリシアをとても気に入っているみたいなんだ、兄とは二人きりにならないで欲しい」
真剣な目つきのエクトルに

「はい、軽率な真似はしません。エクトル様に迷惑がかかりますもの」
「迷惑ではない、ただ嫌なんだ、フェリシアは私の婚約者だから、他の男に取られたくないって事だよ、兄でもね」
ギュッと繋がれた手

エクトルの言葉や行動にドキドキするが、姉の影がどうしてもチラつく…





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

妹に全てを奪われた令嬢は第二の人生を満喫することにしました。

バナナマヨネーズ
恋愛
四大公爵家の一つ。アックァーノ公爵家に生まれたイシュミールは双子の妹であるイシュタルに慕われていたが、何故か両親と使用人たちに冷遇されていた。 瓜二つである妹のイシュタルは、それに比べて大切にされていた。 そんなある日、イシュミールは第三王子との婚約が決まった。 その時から、イシュミールの人生は最高の瞬間を経て、最悪な結末へと緩やかに向かうことになった。 そして……。 本編全79話 番外編全34話 ※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。

私が嫌いなら婚約破棄したらどうなんですか?

きららののん
恋愛
優しきおっとりでマイペースな令嬢は、太陽のように熱い王太子の側にいることを幸せに思っていた。 しかし、悪役令嬢に刃のような言葉を浴びせられ、自信の無くした令嬢は……

異世界に召喚されたけど、従姉妹に嵌められて即森に捨てられました。

バナナマヨネーズ
恋愛
香澄静弥は、幼馴染で従姉妹の千歌子に嵌められて、異世界召喚されてすぐに魔の森に捨てられてしまった。しかし、静弥は森に捨てられたことを逆に人生をやり直すチャンスだと考え直した。誰も自分を知らない場所で気ままに生きると決めた静弥は、異世界召喚の際に与えられた力をフル活用して異世界生活を楽しみだした。そんなある日のことだ、魔の森に来訪者がやってきた。それから、静弥の異世界ライフはちょっとだけ騒がしくて、楽しいものへと変わっていくのだった。 全123話 ※小説家になろう様にも掲載しています。

【完結】さようなら、婚約者様。私を騙していたあなたの顔など二度と見たくありません

ゆうき
恋愛
婚約者とその家族に虐げられる日々を送っていたアイリーンは、赤ん坊の頃に森に捨てられていたところを、貧乏なのに拾って育ててくれた家族のために、つらい毎日を耐える日々を送っていた。 そんなアイリーンには、密かな夢があった。それは、世界的に有名な魔法学園に入学して勉強をし、宮廷魔術師になり、両親を楽させてあげたいというものだった。 婚約を結ぶ際に、両親を支援する約束をしていたアイリーンだったが、夢自体は諦めきれずに過ごしていたある日、別の女性と恋に落ちていた婚約者は、アイリーンなど体のいい使用人程度にしか思っておらず、支援も行っていないことを知る。 どういうことか問い詰めると、お前とは婚約破棄をすると言われてしまったアイリーンは、ついに我慢の限界に達し、婚約者に別れを告げてから婚約者の家を飛び出した。 実家に帰ってきたアイリーンは、唯一の知人で特別な男性であるエルヴィンから、とあることを提案される。 それは、特待生として魔法学園の編入試験を受けてみないかというものだった。 これは一人の少女が、夢を掴むために奮闘し、時には婚約者達の妨害に立ち向かいながら、幸せを手に入れる物語。 ☆すでに最終話まで執筆、予約投稿済みの作品となっております☆

【完結】クズ男と決別した私の未来は輝いている。

カシスサワー
恋愛
五年間、幸は彼を信じ、支え続けてきた。 「会社が成功したら、祖父に紹介するつもりだ。それまで俺を支えて待っていてほしい。必ず幸と結婚するから」 そう、圭吾は約束した。 けれど――すべてが順調に進んでいるはずの今、幸が目にしたのは、圭吾の婚約の報せ。 問い詰めた幸に、圭吾は冷たく言い放つ。 「結婚相手は、それなりの家柄じゃないと祖父が納得しない。だから幸とは結婚できない。でも……愛人としてなら、そばに置いてやってもいい」 その瞬間、幸の中で、なにかがプチッと切れた。

跡継ぎが産めなければ私は用なし!? でしたらあなたの前から消えて差し上げます。どうぞ愛妾とお幸せに。

Kouei
恋愛
私リサーリア・ウォルトマンは、父の命令でグリフォンド伯爵令息であるモートンの妻になった。 政略結婚だったけれど、お互いに思い合い、幸せに暮らしていた。 しかし結婚して1年経っても子宝に恵まれなかった事で、義父母に愛妾を薦められた夫。 「承知致しました」 夫は二つ返事で承諾した。 私を裏切らないと言ったのに、こんな簡単に受け入れるなんて…! 貴方がそのつもりなら、私は喜んで消えて差し上げますわ。 私は切岸に立って、夕日を見ながら夫に別れを告げた―――… ※この作品は、他サイトにも投稿しています。

婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました

Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。 順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。 特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。 そんなアメリアに対し、オスカーは… とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。

前世の旦那様、貴方とだけは結婚しません。

真咲
恋愛
全21話。他サイトでも掲載しています。 一度目の人生、愛した夫には他に想い人がいた。 侯爵令嬢リリア・エンダロインは幼い頃両親同士の取り決めで、幼馴染の公爵家の嫡男であるエスター・カンザスと婚約した。彼は学園時代のクラスメイトに恋をしていたけれど、リリアを優先し、リリアだけを大切にしてくれた。 二度目の人生。 リリアは、再びリリア・エンダロインとして生まれ変わっていた。 「次は、私がエスターを幸せにする」 自分が彼に幸せにしてもらったように。そのために、何がなんでも、エスターとだけは結婚しないと決めた。

処理中です...