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文 学
『ファニー・ヒル』(性愛)
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ジョン=クレランド作/伴 吉彦訳
グーテンベルク21 出版
ある貧しい田舎娘のヒロインは、親に死なれて天涯孤独の身になってしまう。そんな時に、叔母を名乗る女がヒロインの元に現れ、新たな生活を送ろうと2人してロンドンへ旅立った。
しかし、この女、叔母というのは真っ赤な嘘で、何も知らない孤独な娘を騙してロンドンへ連れて行っては、娼館に売り飛ばすブローカーであった。
身寄りもなく所持金も底をついたヒロインは、やむなく娼婦への道を選ぶことになる。
幸い娼館の主人が悪い女でなかったことで、ヒロインは娼婦をしながらも、決して精神を壊すことなく、むしろ充実した日々を過ごしていった。
やがて、ヒロインの前に恋人が現れる。一度は、離れ離れになってしまうが、ついに、紆余曲折を経て、ヒロインは恋人と結ばれる・・・。
このように娼婦がハッピーエンドを迎える物語は珍しく、そのせいか、物語の雰囲気も明るく前向きである。売春婦という後ろ暗い蔑みは、微塵も感じられない。現代ならば、ごく普通の娘の数奇な物語と言ったところだろうか。
娼婦物語だけあって、全体にわたって性的描写が見られるが、現代の基準から見るとR- 18ですらないだろう。
しかし、当時は違った。この作品は1749年にスコットランドで出版されたが、その後1964年に出版許可が降りるまでの200年間、英米ではずっと発禁にされていた、恐るべき問題作である。
日本でも、戦前の昭和2年に翻訳が世に出たが、間もなく、時の政府によって出版禁止にされている。それから、軍国主義と手を切った新生日本の1969年(昭和44年)に、再度、翻訳が登場し、ついに表現の自由を手にした現代人の元へ姿を現すかと思いきや、またしても発禁処分になった、といういわくつきの作品である。
さすがに、現在は自由に出版されているので、関心のある向きは、1度目を通して見るといい。
表現への横槍が絶えない昨今、なぜ、これほどにまで時の権力から目をつけられてきたのか?
各自にその答えを見つけてもらいたい。
グーテンベルク21 出版
ある貧しい田舎娘のヒロインは、親に死なれて天涯孤独の身になってしまう。そんな時に、叔母を名乗る女がヒロインの元に現れ、新たな生活を送ろうと2人してロンドンへ旅立った。
しかし、この女、叔母というのは真っ赤な嘘で、何も知らない孤独な娘を騙してロンドンへ連れて行っては、娼館に売り飛ばすブローカーであった。
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幸い娼館の主人が悪い女でなかったことで、ヒロインは娼婦をしながらも、決して精神を壊すことなく、むしろ充実した日々を過ごしていった。
やがて、ヒロインの前に恋人が現れる。一度は、離れ離れになってしまうが、ついに、紆余曲折を経て、ヒロインは恋人と結ばれる・・・。
このように娼婦がハッピーエンドを迎える物語は珍しく、そのせいか、物語の雰囲気も明るく前向きである。売春婦という後ろ暗い蔑みは、微塵も感じられない。現代ならば、ごく普通の娘の数奇な物語と言ったところだろうか。
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しかし、当時は違った。この作品は1749年にスコットランドで出版されたが、その後1964年に出版許可が降りるまでの200年間、英米ではずっと発禁にされていた、恐るべき問題作である。
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さすがに、現在は自由に出版されているので、関心のある向きは、1度目を通して見るといい。
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各自にその答えを見つけてもらいたい。
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