26 / 115
第二章 街へ
第26話 療養中にレベルアップ!
しおりを挟む
マドリーの家の裏庭に魔法陣が浮かぶ。
そこに倒れたままのコジローとマロが現れた。
「コジロー・・・?どうした?!あ、ゼフト様?!」
コジローに気付いたマドリーが声を上げると同時に、ゼフトも姿を表していた。
ゼフトは既にオーブのペンダントでコジローから話を聞いており、駆けつけてきたのである。
『ウム、大丈夫じゃ、この程度は簡単に治せる。』
コジローの体が光りに包まれ、やがてコジローは立ち上がった。
『矢に毒が塗ってあったようじゃが、それもすべて取り除いておいたからもう大丈夫じゃろう。』
ドジルが使ったのは毒消しが開発されていない種類の毒であった。
一度体内に入ったその毒は自然には除去する事ができないものであった。治療法も解毒剤もなく、自然治癒も望めない。数日間、のた打ち回って苦しみながら死ぬという、非常に悪質な毒物であった。
しかし、ゼフトは毒そのものを空間魔法を使ってコジローの体内から外に出してしまったのだった。細胞レベルまで入り込んだ微細な毒の粒子を、ひとつひとつ捉えて全て取り出していく大変な作業であるが、ゼフトにとっては造作も無いことであった。
『なるほど、恨みを買って、矢を受けたか・・・。しかし、その程度は察知して避けられないと、この世界では生き延びれんぞ?』
日本の侍は、背後からの殺気に反応して振り返る事ができた。できなかった者は戦国時代では生き残れなかった。そんな話はコジローの愛読マンガ「コジローが行く」にも書いてあったのを覚えている。
しかし、コジローは平和な時代に生きていた、平凡な人間に過ぎないのだ。
そもそも、凡人だからという理由で選ばれたはず。戦国時代の達人の超感覚を持ち合わせているはずがない。
コジローがそう訴えると、ゼフトは、それもそうかと、何か対策を考えてくれる事になった。
ちなみに、師匠は背後から撃たれても対処できるのか?尋ねてみたところ・・・
『そりゃもう!なにせワシは常時、探知・索敵魔法と防御魔法を展開しておるからの・・・』
防御魔法・・・
『────コジローにはできんか。上達すれば、時空系魔法で対応できるようになるじゃろうがの。それまでは、そうじゃな・・・アレが使えるか。よし、魔道具を造ってやろう!数日かかるが、それまで休んで待っているが良い。』
と言って消えていった。
師匠が何か作ってくれるようだ。
魔道具ができるまで、コジローはマドリー&ネリーの家に泊めてもらうことになった。
街でのあれこれを話すコジロー。
ドジルの話では、ギルドマスターに文句を言ってやるとマドリーとネリーは憤慨してくれたが、ギルドマスターも困っているのだ。
それから数日、コジローはマドリー&ネリーの家に滞在し、畑仕事を手伝ったり、魔法と剣の練習をしたりして過ごした。
その間にレベルアップして、加速 は8倍速に、転移 は魔法陣転移を使えるようになった。時空系魔法に関しては相変わらず上達が速いのであった。
「魔法陣転移」は、地面などに刻んだ魔法陣を使って、他者が転移を利用できるというもの。長距離転送時には足元に魔法陣が浮かぶが、それをその場に固定して残す事が可能になった、という感じである。
転移先の出口となる場所にも対となる魔法陣を設置する必要があるが、その魔法陣に魔力を込めると、転移先として刻んだ魔法陣の場所まで転移できる。
ただし、効果は一度のみ、一度使うと魔法陣は消えてしまうという制約があった。
とは言え、それでも、ゼフトの転移魔法は今のこの世界の常識ではありえないほどの高性能なのであるが・・・
ゼフトが人間だった頃、それは、失われた古代魔法文明の時代であり、その頃は転移を使って盛んに交易が行われていた。ゼフトはその次代の古代魔法言語を受け継ぎ、さらに研究・改良を続けてきたのである。その魔法は、今の世界の魔法使いのスケールをはるかに凌駕しているのである。。。
☆今の時代でも、王城などには都市間を移動できる転移装置が設置されている。
しかしそれは、たくさんの優秀な魔法使いが数ヶ月がかりでやっと設置できるものであり、使用に際しても、魔法使い200~300人が数週間魔力を注ぎ続け魔力を貯める必要がある代物である。
一時的にせよ、それだけの魔力を貯めるために、国家予算級の巨大な蓄積用の魔宝石が必要となる。
また、転移は、遠距離になるほど必要な魔力は多大になるし、発動させるまでに呪文詠唱も非常に長い。つまり、事実上、王族専用であり、緊急用であって、王族であっても気軽に使えるものではないのである。
そもそも、転移魔法の才能のある魔法使いは少なく、そのような魔法使いは高給で王宮や貴族に囲い込まれている。
もし、コジローが転移魔法を使えると知れ渡れば、スカウトが殺到するだろう。ましてやそれが、一人で一瞬で発動できるほど効率が高いものであると知れれば・・・
転移魔法は、もし簡単に使えるようになれば、交通事情の飛躍的改善になり、経済を破壊してしまう可能性がある。また、泥棒や暗殺も容易にできてしまうし、例えば戦争などで軍隊を好きなところに出現させるという使い方もできるのである。
もしそのような事を、一人の魔法使いだけで実行可能という事になれば、その魔法使いは危険過ぎる存在となる。捕らえてて閉じ込めておこうにも、転移を使う者を囚えておく事などできはしない。
もしそんな力をもった魔法使いが居たとしたら、最終的には暗殺者を差し向けられる可能性は高いだろう。今の時代にはそんな魔法使いは存在しない(事になっている)ので、問題になっていないが。
現実には、ゼフトという、自由自裁に転移魔法を使いこなせる魔法使いが存在しているのであるが・・・実は過去に、ゼフトのあまりに強大な力を知り、恐怖したとある国が、囲い込めないなら殺してしまおうとしたのだが失敗し、逆に滅ぼされたという話があるとか、ないとか・・・。
ゼフトの存在が、ある意味アンタッチャブルな存在となっているのは、色々と経緯があるようである。
ゼフトだけではない、他にも何人か、強大な力を持った大魔法使いが居ないわけではないのだが、ゼフトを含め、そのような大魔法使いは皆隠遁生活をしており、社会と関わりを積極的に持とうとはしないので、問題は起きていないのであった。
数日後、ゼフトが完成した魔道具を持ってやってきた。
そこに倒れたままのコジローとマロが現れた。
「コジロー・・・?どうした?!あ、ゼフト様?!」
コジローに気付いたマドリーが声を上げると同時に、ゼフトも姿を表していた。
ゼフトは既にオーブのペンダントでコジローから話を聞いており、駆けつけてきたのである。
『ウム、大丈夫じゃ、この程度は簡単に治せる。』
コジローの体が光りに包まれ、やがてコジローは立ち上がった。
『矢に毒が塗ってあったようじゃが、それもすべて取り除いておいたからもう大丈夫じゃろう。』
ドジルが使ったのは毒消しが開発されていない種類の毒であった。
一度体内に入ったその毒は自然には除去する事ができないものであった。治療法も解毒剤もなく、自然治癒も望めない。数日間、のた打ち回って苦しみながら死ぬという、非常に悪質な毒物であった。
しかし、ゼフトは毒そのものを空間魔法を使ってコジローの体内から外に出してしまったのだった。細胞レベルまで入り込んだ微細な毒の粒子を、ひとつひとつ捉えて全て取り出していく大変な作業であるが、ゼフトにとっては造作も無いことであった。
『なるほど、恨みを買って、矢を受けたか・・・。しかし、その程度は察知して避けられないと、この世界では生き延びれんぞ?』
日本の侍は、背後からの殺気に反応して振り返る事ができた。できなかった者は戦国時代では生き残れなかった。そんな話はコジローの愛読マンガ「コジローが行く」にも書いてあったのを覚えている。
しかし、コジローは平和な時代に生きていた、平凡な人間に過ぎないのだ。
そもそも、凡人だからという理由で選ばれたはず。戦国時代の達人の超感覚を持ち合わせているはずがない。
コジローがそう訴えると、ゼフトは、それもそうかと、何か対策を考えてくれる事になった。
ちなみに、師匠は背後から撃たれても対処できるのか?尋ねてみたところ・・・
『そりゃもう!なにせワシは常時、探知・索敵魔法と防御魔法を展開しておるからの・・・』
防御魔法・・・
『────コジローにはできんか。上達すれば、時空系魔法で対応できるようになるじゃろうがの。それまでは、そうじゃな・・・アレが使えるか。よし、魔道具を造ってやろう!数日かかるが、それまで休んで待っているが良い。』
と言って消えていった。
師匠が何か作ってくれるようだ。
魔道具ができるまで、コジローはマドリー&ネリーの家に泊めてもらうことになった。
街でのあれこれを話すコジロー。
ドジルの話では、ギルドマスターに文句を言ってやるとマドリーとネリーは憤慨してくれたが、ギルドマスターも困っているのだ。
それから数日、コジローはマドリー&ネリーの家に滞在し、畑仕事を手伝ったり、魔法と剣の練習をしたりして過ごした。
その間にレベルアップして、加速 は8倍速に、転移 は魔法陣転移を使えるようになった。時空系魔法に関しては相変わらず上達が速いのであった。
「魔法陣転移」は、地面などに刻んだ魔法陣を使って、他者が転移を利用できるというもの。長距離転送時には足元に魔法陣が浮かぶが、それをその場に固定して残す事が可能になった、という感じである。
転移先の出口となる場所にも対となる魔法陣を設置する必要があるが、その魔法陣に魔力を込めると、転移先として刻んだ魔法陣の場所まで転移できる。
ただし、効果は一度のみ、一度使うと魔法陣は消えてしまうという制約があった。
とは言え、それでも、ゼフトの転移魔法は今のこの世界の常識ではありえないほどの高性能なのであるが・・・
ゼフトが人間だった頃、それは、失われた古代魔法文明の時代であり、その頃は転移を使って盛んに交易が行われていた。ゼフトはその次代の古代魔法言語を受け継ぎ、さらに研究・改良を続けてきたのである。その魔法は、今の世界の魔法使いのスケールをはるかに凌駕しているのである。。。
☆今の時代でも、王城などには都市間を移動できる転移装置が設置されている。
しかしそれは、たくさんの優秀な魔法使いが数ヶ月がかりでやっと設置できるものであり、使用に際しても、魔法使い200~300人が数週間魔力を注ぎ続け魔力を貯める必要がある代物である。
一時的にせよ、それだけの魔力を貯めるために、国家予算級の巨大な蓄積用の魔宝石が必要となる。
また、転移は、遠距離になるほど必要な魔力は多大になるし、発動させるまでに呪文詠唱も非常に長い。つまり、事実上、王族専用であり、緊急用であって、王族であっても気軽に使えるものではないのである。
そもそも、転移魔法の才能のある魔法使いは少なく、そのような魔法使いは高給で王宮や貴族に囲い込まれている。
もし、コジローが転移魔法を使えると知れ渡れば、スカウトが殺到するだろう。ましてやそれが、一人で一瞬で発動できるほど効率が高いものであると知れれば・・・
転移魔法は、もし簡単に使えるようになれば、交通事情の飛躍的改善になり、経済を破壊してしまう可能性がある。また、泥棒や暗殺も容易にできてしまうし、例えば戦争などで軍隊を好きなところに出現させるという使い方もできるのである。
もしそのような事を、一人の魔法使いだけで実行可能という事になれば、その魔法使いは危険過ぎる存在となる。捕らえてて閉じ込めておこうにも、転移を使う者を囚えておく事などできはしない。
もしそんな力をもった魔法使いが居たとしたら、最終的には暗殺者を差し向けられる可能性は高いだろう。今の時代にはそんな魔法使いは存在しない(事になっている)ので、問題になっていないが。
現実には、ゼフトという、自由自裁に転移魔法を使いこなせる魔法使いが存在しているのであるが・・・実は過去に、ゼフトのあまりに強大な力を知り、恐怖したとある国が、囲い込めないなら殺してしまおうとしたのだが失敗し、逆に滅ぼされたという話があるとか、ないとか・・・。
ゼフトの存在が、ある意味アンタッチャブルな存在となっているのは、色々と経緯があるようである。
ゼフトだけではない、他にも何人か、強大な力を持った大魔法使いが居ないわけではないのだが、ゼフトを含め、そのような大魔法使いは皆隠遁生活をしており、社会と関わりを積極的に持とうとはしないので、問題は起きていないのであった。
数日後、ゼフトが完成した魔道具を持ってやってきた。
0
あなたにおすすめの小説
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
狼になっちゃった!
家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで?
色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!?
……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう?
これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。
最弱弓術士、全距離支配で最強へ
Y.
ファンタジー
「弓術士? ああ、あの器用貧乏な最弱職のことか」
剣と魔法が全てを決める世界において、弓は「射程は魔法に及ばず、威力は剣に劣る」不遇の武器と蔑まれていた。
若き冒険者リアンは、亡き叔父から譲り受けた一振りの弓「ストーム・ウィスパー」を手に、冒険者の門を叩く。周囲の嘲笑を余所に、彼が秘めていたのは、世界をナノ単位で解析する「化け物じみた集中力」だった。
リアンの放つ一矢は、もはや単なる遠距離攻撃ではない。
風を読み、空間を計算し、敵の急所をミリ単位で射抜く精密射撃。
弓本体に仕込まれたブレードを操り、剣士を圧倒する近接弓術。
そして、魔力の波長を読み取り、呪文そのものを撃ち落とす対魔法技術。
「近距離、中距離、遠距離……俺の射程に逃げ場はない」
孤独な修行の末に辿り着いた「全距離対応型弓術」は、次第に王道パーティやエリート冒険者たちの常識を塗り替えていく。
しかし、その弓には叔父が命を懸けて守り抜いた**「世界の理(ことわり)」を揺るがす秘密**が隠されていた――。
最弱と笑われた少年が、一張の弓で最強へと駆け上がる、至高の異世界アクションファンタジー、開幕!
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~
トモモト ヨシユキ
ファンタジー
10才の誕生日に女神に与えられた本。
それは、最強の魔道具だった。
魔道具頼みの異世界で『魔法』を武器に成り上がっていく!
すべては、憧れのスローライフのために!
エブリスタにも掲載しています。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる