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序章(プロローグ)
第16話 人の生活の痕跡?
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最初の地である泉から、十年を経てようやく離れた俺であったが、森を狩り漁っていていくつか分かった事がある。
どうやら最初の泉のあった森の深部から離れるほど、遭遇する魔物が弱くなっていくようだ。
そして、魔物の肉は、雑魚になるほど不味くなる。強い魔物のほうが肉が美味いのだ。
これは、ちょっと失敗したかなと思った。
今いる辺りでは、現れるのはオークやゴブリンなど。俺の力であれば、羽虫をはらうかの如くケチらせるほど弱かった。
…そして不味かった。
最弱と言われる緑の小人などは、不味すぎて食えたものではない。
まぁオークは意外と食えたが。さすがは豚面の魔物である、地球で食べた豚肉に似ている。高級肉も美味いが、毎日では飽きるので、こういう素朴な肉の味もたまには良い。
他にもリザードマンなど爬虫類系の魔物にも遭遇した。これも食ってみたら独特な味がした。不味くはないが俺の好みではないかな。
どうしようか……森の奥へと引き返すか?
まぁ、泉の場所はマーキングしてあるので、転移魔法でいつでも帰れるのだが。
とは言え、戻ってもやる事があるわけでもない。せっかく出てきたので、もう少しこの辺(の食材)を調べてから行くかと思い、なんとなく探索と狩りを続けたのだが…
…山中に洞窟を見つけた。別に洞窟など珍しくもないが、妙な違和感を感じ近づいてみたら、そこには人間の生活の痕跡があった。
この世界に来てからずっと森の中で野生動物としか会っておらず、もはや忘れかけていたが、そういえば、この世界にも人間は居るのだった。
魔力を探ってみた。
中に人や動物、魔物の気配はなかった。
中に入ってみた。
中には古びたチェストやクローゼットなどの家具があり、さらに奥、倉庫と思われる場所には財宝の入った箱があった。
扉のついた部屋があったので開けてみる。
腐臭がしたので即座に【クリーン】を掛けて浄化した。
中にはベッドがあり、干からびた死体が寝ていた。近辺には人間の村や街など見当たらないが……孤独な隠遁生活でもしていたのであろうか?
ふと思いついてミイラを【鑑定】してみたところ成功。ミイラは盗賊の死体と表示された。ここは盗賊のアジトであったようだ。
鑑定でおよその死因まで分かった。どうやら襲撃で負傷した盗賊が、アジトまでは戻ってきたものの、傷が悪化し、回復せずそのままベッドで事切れたらしい。
ベッドで死ねたのならラッキーな最後であったと言えるかも知れないな。
俺はアジトにあった衣類や家財道具で使えそうなものをありがたく頂く事にした。
まぁ今の野生の生活ではほとんど必要ないものなのだが、人間の道具、人間の生活の痕跡が懐かしかったのだ。
服もあった。色々な種類とサイズがある。天然の毛皮の身には必要ないものであったが、なんとなく、身体に合いそうな服を見繕って着てみた。だいたいサイズ的に子供服ばかりであったが。
もちろん、すべて【クリーン】で清潔にしてから着用している。【クリーン】がなければ、盗賊のアジトにあった古着など、とても着る気はおきなかっただろう。
服を着て、ブーツを履き、腰に剣を差し、カウボーイハットを冠ってみれば…
…どっかで見たスタイルだな。あれだ、地球で見た童話『長靴をはいた猫』。
……なんとなく小っ恥ずかしくなったのでハットはやめた。この世界で地球の童話を知っている者は居ないだろうが、もし他に転生者でも居たらなんとなく小っ恥ずかしい気がした。
地球のネタを知っているかどうかで転生者かどうか判別できるかもしれないが…仮に居たとしても、別に遭いたくはない、関わりたくないので秘密にしておいたほうがいいだろう。
結局、子供用のシャツと短パン、それにブーツを履いて腰には短剣を差す。そしてフード付きのマントというスタイルに落ち着いた。
やっぱりどこかで見たことがあるようなスタイルになってる気はしたが、これ以上はしょうがないだろう。
そして……
少し自分でも意外であったのだが、一度服を着てしまうと地球で人間であった時の常識が蘇ってくる。
この世界に来てから十余年、ずっと裸で過ごしてきた。天然の毛皮を着ているので裸というわけではないのだが、人間の服を着て、人間の生活の痕跡を見て、急に人間性を思い出してしまったというか。なんとなく裸で居るのが恥ずかしくなり、それ以降は服を着て過ごす事になってしまった…。
人間と違う生物に転生を望むほどには人間に絶望していた俺だが、どうやら十余年の森での生活で、少しだけ、心の傷は和らいだようだ。
もちろん、人間の酷い面は重々理解している。それは決して受け入れられるものでもないが…。
盗賊のアジトを中心に、周辺を探索してみると、少し離れた場所に古い街道らしきものの痕跡を発見した。雑草が生い茂っているが、木が生えていない場所が一本道のように続いているのだ。そこを辿っていくと…
…二台の馬車が見えた。
近寄ってみると馬車は二台とも朽ち掛けている。一台は転覆してしまっており、周囲には誰も居なかった。
あの盗賊が襲った馬車だろうか? 乗っていた人間の死体はないが、周囲に僅かに散った人骨らしきモノがそうなのだろう。
馬車の中を見てみると、積み荷がまだ少し残っていた。
食べ物が入っていたと思しき箱は、魔物か動物に食い荒らされたのだろうか、破壊されていた。
食べられないモノは匂いで分かるのか、ほとんど破壊されず放置されていた。
箱を開けてみると、かなりの数の金貨と宝石が出てきた。盗賊のアジトにもかなりの財宝があったので、あわせて結構な金持ちになったようだ。
まぁ森で一人で生きている限り使う機会はないがな。
街道があると言うことは、街が近くにあるのだろうか…?
俺は空に浮き上がり、街道跡を辿ってみる。
そのものずばりの空を飛ぶための魔法というのはないのだが、空を飛ぶ事を可能にする魔法はいくつか考えられる。
俺は重力魔法と風魔法を使っている。重力をゼロにして、風魔法で風を自分に当て移動させる。(急ぐ時は重力の落下方向を進みたい方向に向け落下する事もできる。(まぁ、この世界に来てから急ぐことなどほとんどないのであまり使った事はないが。)
高く登り、街道の痕跡に沿って移動していくと、途中、崖崩れで道が塞がれている場所があった。
空からなので崩れた崖の先も見える。反対側にも道の痕跡は続いている。さらに辿っていくと、やがてその先に別の街道が見えてきた。どうやら峠が崖崩れで塞がれたため、山を大きく迂回するルートに別の街道があった。元々あったルートなのか、あるいは崩れた崖を除去するより別ルートを作るほうが早かったのかも知れない。
こちらの街道は雑草も少なくある程度整備されているように見える。今は近くに誰も見えないが、今でも時々使われているのだろう。
道を辿っていけば、その先に人間の街があるのか? 俺はちょっと興味が出てきた。
別に人間の生活に戻りたい(人間に戻りたい)などと思う事はないが、街があるならマッピングしておきたいしな。
どうやら最初の泉のあった森の深部から離れるほど、遭遇する魔物が弱くなっていくようだ。
そして、魔物の肉は、雑魚になるほど不味くなる。強い魔物のほうが肉が美味いのだ。
これは、ちょっと失敗したかなと思った。
今いる辺りでは、現れるのはオークやゴブリンなど。俺の力であれば、羽虫をはらうかの如くケチらせるほど弱かった。
…そして不味かった。
最弱と言われる緑の小人などは、不味すぎて食えたものではない。
まぁオークは意外と食えたが。さすがは豚面の魔物である、地球で食べた豚肉に似ている。高級肉も美味いが、毎日では飽きるので、こういう素朴な肉の味もたまには良い。
他にもリザードマンなど爬虫類系の魔物にも遭遇した。これも食ってみたら独特な味がした。不味くはないが俺の好みではないかな。
どうしようか……森の奥へと引き返すか?
まぁ、泉の場所はマーキングしてあるので、転移魔法でいつでも帰れるのだが。
とは言え、戻ってもやる事があるわけでもない。せっかく出てきたので、もう少しこの辺(の食材)を調べてから行くかと思い、なんとなく探索と狩りを続けたのだが…
…山中に洞窟を見つけた。別に洞窟など珍しくもないが、妙な違和感を感じ近づいてみたら、そこには人間の生活の痕跡があった。
この世界に来てからずっと森の中で野生動物としか会っておらず、もはや忘れかけていたが、そういえば、この世界にも人間は居るのだった。
魔力を探ってみた。
中に人や動物、魔物の気配はなかった。
中に入ってみた。
中には古びたチェストやクローゼットなどの家具があり、さらに奥、倉庫と思われる場所には財宝の入った箱があった。
扉のついた部屋があったので開けてみる。
腐臭がしたので即座に【クリーン】を掛けて浄化した。
中にはベッドがあり、干からびた死体が寝ていた。近辺には人間の村や街など見当たらないが……孤独な隠遁生活でもしていたのであろうか?
ふと思いついてミイラを【鑑定】してみたところ成功。ミイラは盗賊の死体と表示された。ここは盗賊のアジトであったようだ。
鑑定でおよその死因まで分かった。どうやら襲撃で負傷した盗賊が、アジトまでは戻ってきたものの、傷が悪化し、回復せずそのままベッドで事切れたらしい。
ベッドで死ねたのならラッキーな最後であったと言えるかも知れないな。
俺はアジトにあった衣類や家財道具で使えそうなものをありがたく頂く事にした。
まぁ今の野生の生活ではほとんど必要ないものなのだが、人間の道具、人間の生活の痕跡が懐かしかったのだ。
服もあった。色々な種類とサイズがある。天然の毛皮の身には必要ないものであったが、なんとなく、身体に合いそうな服を見繕って着てみた。だいたいサイズ的に子供服ばかりであったが。
もちろん、すべて【クリーン】で清潔にしてから着用している。【クリーン】がなければ、盗賊のアジトにあった古着など、とても着る気はおきなかっただろう。
服を着て、ブーツを履き、腰に剣を差し、カウボーイハットを冠ってみれば…
…どっかで見たスタイルだな。あれだ、地球で見た童話『長靴をはいた猫』。
……なんとなく小っ恥ずかしくなったのでハットはやめた。この世界で地球の童話を知っている者は居ないだろうが、もし他に転生者でも居たらなんとなく小っ恥ずかしい気がした。
地球のネタを知っているかどうかで転生者かどうか判別できるかもしれないが…仮に居たとしても、別に遭いたくはない、関わりたくないので秘密にしておいたほうがいいだろう。
結局、子供用のシャツと短パン、それにブーツを履いて腰には短剣を差す。そしてフード付きのマントというスタイルに落ち着いた。
やっぱりどこかで見たことがあるようなスタイルになってる気はしたが、これ以上はしょうがないだろう。
そして……
少し自分でも意外であったのだが、一度服を着てしまうと地球で人間であった時の常識が蘇ってくる。
この世界に来てから十余年、ずっと裸で過ごしてきた。天然の毛皮を着ているので裸というわけではないのだが、人間の服を着て、人間の生活の痕跡を見て、急に人間性を思い出してしまったというか。なんとなく裸で居るのが恥ずかしくなり、それ以降は服を着て過ごす事になってしまった…。
人間と違う生物に転生を望むほどには人間に絶望していた俺だが、どうやら十余年の森での生活で、少しだけ、心の傷は和らいだようだ。
もちろん、人間の酷い面は重々理解している。それは決して受け入れられるものでもないが…。
盗賊のアジトを中心に、周辺を探索してみると、少し離れた場所に古い街道らしきものの痕跡を発見した。雑草が生い茂っているが、木が生えていない場所が一本道のように続いているのだ。そこを辿っていくと…
…二台の馬車が見えた。
近寄ってみると馬車は二台とも朽ち掛けている。一台は転覆してしまっており、周囲には誰も居なかった。
あの盗賊が襲った馬車だろうか? 乗っていた人間の死体はないが、周囲に僅かに散った人骨らしきモノがそうなのだろう。
馬車の中を見てみると、積み荷がまだ少し残っていた。
食べ物が入っていたと思しき箱は、魔物か動物に食い荒らされたのだろうか、破壊されていた。
食べられないモノは匂いで分かるのか、ほとんど破壊されず放置されていた。
箱を開けてみると、かなりの数の金貨と宝石が出てきた。盗賊のアジトにもかなりの財宝があったので、あわせて結構な金持ちになったようだ。
まぁ森で一人で生きている限り使う機会はないがな。
街道があると言うことは、街が近くにあるのだろうか…?
俺は空に浮き上がり、街道跡を辿ってみる。
そのものずばりの空を飛ぶための魔法というのはないのだが、空を飛ぶ事を可能にする魔法はいくつか考えられる。
俺は重力魔法と風魔法を使っている。重力をゼロにして、風魔法で風を自分に当て移動させる。(急ぐ時は重力の落下方向を進みたい方向に向け落下する事もできる。(まぁ、この世界に来てから急ぐことなどほとんどないのであまり使った事はないが。)
高く登り、街道の痕跡に沿って移動していくと、途中、崖崩れで道が塞がれている場所があった。
空からなので崩れた崖の先も見える。反対側にも道の痕跡は続いている。さらに辿っていくと、やがてその先に別の街道が見えてきた。どうやら峠が崖崩れで塞がれたため、山を大きく迂回するルートに別の街道があった。元々あったルートなのか、あるいは崩れた崖を除去するより別ルートを作るほうが早かったのかも知れない。
こちらの街道は雑草も少なくある程度整備されているように見える。今は近くに誰も見えないが、今でも時々使われているのだろう。
道を辿っていけば、その先に人間の街があるのか? 俺はちょっと興味が出てきた。
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