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しおりを挟む「今日はまた一段とギリギリ出社ですね。社長。」
縁無しメガネの奥がギロリと光る。風紀の腕章を身につけた篠崎 宝は腕組みをして校門に立っていた。公立東原高等学校と書かれた学校銘板がやけに禍々しく宝の凄みを後押ししている。
「…鬼。」
ギリギリと言ってもまだまだ朝礼のチャイムが鳴るには余裕がある。宝がわざと嫌味をぶつけてきているのは葉津希はもう承知の事実であった。葉津希と宝は小学生からの仲である。かと言って春のように三つ子3人でベッタリのような関係ではない。中学まではお互い存在しているぐらいの存在感だった。嫌でも三つ子は目立つから宝は多少好奇の目があったかもしれない。クラスが同じになった時もあったがなんとなく違うグループで顔を合わせても挨拶すらしないそんな関係だった。高校に入学するまで本当に関わりはなかったのだ。だが高校の入学式、同じ中学から東原に来た生徒はお互いしかいなく、なんとなく一緒に帰ることになった。それから驚く程早いスピードで2人の距離は縮まった。話してみると趣味は合うし、同年代より大人びている思考はピッタリと合わさった。なにより三つ子や春以外の近しい距離感に葉津希は心地よさを感じている。気づけば高校二年、クラスが分けられることもなく親友と言っていい程2人は仲良くなっていた。
「お前今何月か知っててその格好してるのか。」
宝が驚くのは無理もない。葉津希は十二月の寒空の下、コートもセーターも身につけず制服にマフラーのみという軽装だった。昨晩制服は乾燥機にかけて乾いたもののセーターもコートもどうにもらず学校指定以外を身につけてはいけないというなんとも自由度がないルールを守るにはこうするしかなかった。葉津希は鼻を啜りながら学年色の紫色のマフラーに顔を埋め宝に悪態をつく。
「校則違反はしていませんが。風紀委員長様。」
「お前なぁ、」
「寒いんだ…早く通せよ、」
わざとらしくため息を吐く宝を押し除けて葉津希は下駄箱へと足を向けた。宝は通称東原鬼の風紀委員長だ。校則には厳しい東原の風紀を統率し、毎朝正門に立って服装のチェックを行なっている。教師陣の強い推薦と女子生徒からの圧倒的支持の元、3年を押しのけ2年で委員長になった。葉津希には到底理解できないがあれで女子生徒の黄色い声の的である。
「教室戻ったら事情聞かせてもらうからな!」
宝が投げかけた声に葉津希は振り向かずぴらぴらと手を振って答えた。これはめんどくさいことになる。人の不幸が大好物な宝に葉津希の今の状況は格好のネタだ。葉津希は一層増した憂鬱な気分に足を引きずりながら校舎に入って行った。
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