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第4章 王都へ
第41話 浜辺の道
しおりを挟む食事も終わり就寝となったが、今回は馬車があるので、馬車の中で眠ることが出来る。
これは、非常にありがたかった。
地面で寝ると色々な虫が、身体をよじ登って来る事があるのだ。
ただ、馬車は女性専用だと言って、ムサシは外で寝てもらった。
昼間馬車で寝てたし、寝ないで見張りくらいはしてほしい。
朝目覚めると焚き火の側で寝てたけど。
翌朝、昨日ムサシが釣ってきた魚を焼いて食べる。
なんか、昨日焼いたのより美味しい。
ムサシにそう言うと、一晩干しておいた物で一夜干しと言うらしい。
ムサシは、これで、米と酒があれば最高なんだかと言っている。
そういえば、ムサシが酒を飲んでいるのを見た事が無い。
「そういえば、ムサシはお酒は飲まないのね?」
【酒は、好きだぞ。ただあのエールだけは、だめだった。】
「次の目的地シュセンは、酒処と言って色々なお酒があるわよ。」
【おお、そうかそりゃ楽しみだな。】
『うん楽しみー。』
【お前はまだ早い。】
マリーナがやけに静かだと思ったら、黙々と焼き魚を食べている。
一夜干しが相当気に入ったようだ。
街道は、次第に海辺に近づき、浜辺の横を通る様になった。
私は御者を務めるマリーナの横に座っている。
海から吹いてくる風が心地よい。
もう、夏も終わり、秋の気配がする。
冬になり、雪が振り始める前迄には王都に着きたいものだ。
そんな事を考えながら、のんびりと浜辺の道を進む。
浜辺に人だかりができている。
(ヨイショ、ヨイショ、ヨイショ)
どうやら、地引網を引いているようだ。
すると、ムサシが慌ただしく、馬車から飛び出して行った。
その後をサキが追いかけていく。
何か面白そうな事があると、ムサシとサキは絶対に逃さない。
マリーナは、無言で馬車を停め、馬の世話を始めている。
ここで休憩になりそうだ。
ムサシとサキが、漁師達に混ざって網を引き始めた。
馬の世話を終え、マリーナが戻ってきた。
なんか、マリーナが落ち着かない。
「マリーナ、我慢しないで一緒に参加して。。」
あ、私が言い終わる前に、飛び出して行った。
あいつら、本当に祭り好きだ。
あ、3人が参加した途端なんか、猛烈な勢いで網が引き揚げられていく、手加減と言うのを知らない様だ。
すると、突然、網を引き揚げていた勢いが止まる。
ムサシが、何かを叫んでる。
サキとマリーナが慌ただしく戻ってきて、それぞれの武器とムサシの杖を持って行こうとしている。
「どうしたの?何事?」
『かいじゅうだって』
(マリアさん魔物です。)
そう言い残して2人は、楽しそうに駆け出していった。
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