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第二章/取り憑かれたようです。
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「え――惟花ちゃんっ? なに、あ――んっ……」
「おお……想像通り、とても柔らかです。決して大きくありませぬが、マシュマロのような弾力があります。そして……ふふ、下着越しにも、愛らしく痼った感触が解りますぞ……♡」
制服の上から泉澄の乳房を撫でながら、惟花の指先はその慎ましやかな膨らみの頂を軽く弾くように動く。まるでそれがスイッチみたいに、泉澄は何度も肩を、吐息を躍らせた。
「や、あっ……ゆ、惟花ちゃんっ、そこ、ふぁ……いじっちゃ、やだ、あ、ん――!!」
「……本当に、イヤですか?」
「え……い、イヤ、っていうか……女の子同士で、することじゃない、よ……」
「そんなことはありませぬ。女同士でも、惹かれあっていれば、淫らな遊びに耽ることもあるものですよ……」
「ふぇ?! え、あ、ゆ、惟花ちゃん、それって――」
「勘違いめされるな。愚生は泉澄どののことを、友人と思っております。むろん、大切な、がつきますが」
「ぅ……あ、ありがと……」
何故かお礼を言ってから、泉澄は羞じらい目を伏せる。
「愚生にも、お慕いする異性はおります。愚生が深く繋がりたい、とこいねがうのはその殿方だけです。
ですが――戯れに同性の、愛らしい肢体を堪能することにも、悦びを覚えるタチなのですよ……ふふっ♡」
「戯れって、ひゃ――それって、惟花ちゃんが触りたいだけってこと……?!」
「否定は致しませぬ」
「す、清々しいくらい素直に認めたぁ……!」
「しかし、泉澄どのを思ってのこと、というのもまことです。
これは愚生の手ではありますが……泉澄どのを苦しめる煩悩から解き放つための依代とお考えくだされ」
「……よ、よりしろ?」
「つまり、今これよりこの手は、愚生の手ではなく……泉澄どのの妄執の源となっている御仁のものなのです」
「あ……!」
泉澄の乳房を包んでいた掌が、腋に流れ、腰の方へと滑っていく。服の下にある肌のラインを確かめるようなねっとりとした動きに、泉澄はぴくん、と肩を震わせた。
「いま、斯様に、泉澄どのの脇腹を滑り降り、制服に潜り込もうとしているのは……泉澄どのの脳裏に浮かぶ、その人の手なのです……」
「……の、手……ん、あ……きゃっ」
宣言通りに、惟花の手が泉澄のブラウスの裾をまくり、下に潜り込む。泉澄の胸許の布地が手のかたちに膨らみ、怪しく蠢くのが見えた。
「はぁ……素晴らしい触り心地です……しっとりと濡れて、掌に吸い付くようですぞ……」
「それは、汗ばんでるからだよ……だから、や、やめてよ……ね?」
「泉澄どのの想い人は、汗ばんでいるくらいで拒絶するほど、狭量なのですか?」
「っ……ち、がう……と、思う……」
「なら、続けてよろしいですな」
「ぅ……っあ、きゃ! はぅ、あ、やっ、そこ、んんっ……♡」
「ふふ……小さくて愛らしい乳首ですな……押すたびに、健気に跳ねておられる……」
「ひゃう、あぁ、あぁっ……♡ わ、わたしっ、そんなふっ、触ったことっ、ないよぉっ……んぁ……!」
身をよじり、甘い悲鳴を上げるけれど、泉澄は抵抗しない。握りしめた両手が、所在なさそうに太腿の上から脇腹のあたりをさまよった。
「泉澄どのは、自慰の際、敏感な箇所は焦らすのがご趣味ですかな……?」
「え、あ、っ……そ、その……し、下は、ちょっとだけ……でも、そこは……」
「道理で、反応がいいわけですな……♡」
「ひゃふっ?! んあ、や、そ、それダメ、くりくりって、キュッて、ひねるのっ、凄い痺れちゃ、あ、ひゃんっ♡」
――惟花の奴、本当に、自分が楽しみたいだけじゃないのか?
奇妙な昂りに居ても立ってもいられない気分になりながら、俺は同時に、苛立ちも覚えていた。
泉澄と惟花は幼馴染みで、今でもしばしば連れ立って行動している。スキンシップも多いほうなので、泉澄も惟花に触れられることに抵抗は少ないのだろう。
それは解っている。解っているけれど、まるで泉澄の肢体をオモチャにするような触り方をしてるのに、イラッとする。
――泉澄はお前と違ってウブなんだぞ。お前の愉しみついでに弄ぶな……!
そう言って飛び出したい欲求に駆られる。けれど、格子越しに繰り広げられる蠱惑的な光景に目を奪われて動けない。まして、ズボンの中に隠してあるものが激しく怒張しているこの状態で、泉澄の前に飛び出すなんて出来なかった。
「ふふ……乳房がすっかり火照って、解れて参りました……この様子だと、下の唇もいい具合に蕩けておられるでしょうな……♡」
「う……ひゃ、んっ……?! んあ、あぁ……♡」
弾むような泉澄の悲鳴が、すぐに甘みを帯びる。乳房を堪能していなかったほうの手が、いつの間にかスカートをめくり、ショーツの上から陰部をまさぐっていた。
「やはり、先ほどよりも染みが広がっておられる……生地の上にまで、粘ついた熱い蜜が滲み出ておりますよ……」
「やだ……言わないでよぉ、惟花ちゃんっ……」
「ですから、この手は惟花のものではない、と繰り返しておるでしょう? きちんと、本当の想い人のものだ、と想像してくだされ」
まるで駄々っ子をたしなめるみたいな口調で惟花が諭す。泉澄は困ったように惟花を見つめたが、やがて睫毛を伏せ、唇を噛んだ。
惟花の指示通り、誰かを脳裏に思い描いてる。俺の心がまた、微かにザワつくのを感じた。
「ほら……泉澄どの、外から撫でただけなのに、こんなに指がベトベトになってしまいましたぞ……♡」
惟花は泉澄の陰部をまさぐっていた中指を、泉澄の目の前にかざし、親指とくっつけたり離したりしてみせる。惟花の指先にまとわりついた粘液が微かに糸を引き、薄明かりに光るのが、俺の位置からでも解った。思わず、生唾を呑み込む。
先ほど惟花が刺した釘が効いたようで、泉澄は頬を染め視線を泳がせたけれど、何も言わなかった。惟花は心なしか意地の悪い笑みを浮かべると、ふたたび手を下ろし、泉澄のショーツの裾をつまむ。は、っと泉澄は息を呑んだ。
惟花の手が、そろそろ、と泉澄の飾り気のない清潔そうな下着を引き下ろす。無意識なのか、泉澄は言われるまでもなく、軽く腰を浮かせた。太腿にかかったとき、内股に貼りついた生地が、ぷちゅ、と濡れた音を立てて剥がれる。
「脚を閉じないでくだされ、泉澄どの」
反射的に膝を閉じてしまった泉澄に、惟花が囁いた。泉澄は首筋まで赤く火照らせる。それでも、おずおず、と惟花の指示に従った。
「いい子ですな、泉澄どの……」
惟花は泉澄の小さな耳許に囁き、遠慮がちに開かれた足のあいだに手を伸ばそうとする。
「……そんな風に、呼ばない。“泉澄”って、呼び捨て……」
手を止め、惟花は一瞬、目を丸くする。
「口調は、しょ、しょうがないけど……でも、出来れば呼び方くらい……」
目を合わせず、唇をちょっとだけ尖らせて抗議した。何度か目をしばたたかせたあと、惟花は苦笑いを漏らした。
「至極当然の指摘ですな。これは愚生が迂闊でした」素直に頷くと、気を取り直し、改めて言う。「では、泉澄……続けますぞ」
惟花の細くしなやかな指が、泉澄のはだけられた下腹部をすう、と伝い、太腿を撫でて、内股に迫った。泉澄の肩が、ぴくっ、と跳ねる。
「ふぁ……あ、ちょ、直接……ぅん♡」
「……厭ですかな?」
「い、イヤ、じゃなくて……いつもより、ビリビリって、すごい……か、感じて……」
「……それは、他人に触られているからですかな? それとも……」まるで耳たぶに響かせるかのように、唇が触れるばかりの距離で、惟花は囁いた。「“俺”の指だから……?」
「ひゃ……っあ、っくんっ♡ やぁ、しゅご、響いちゃう、うん、んぁ、あぁんっ♡」
びくん、びくん、とまるで打ち上げられた魚みたいに泉澄は身体をばたつかせる。強い刺激のせいなのか、早くも声は甘く鼻にかかり呂律が回らなくなっていた。
「ひゃふんっ、きゃ、あん♡ やめっ、んっく♡ そこ、ふぁっ、あん♡ ゆいかっ、ちゃ――んか、感じすぎる、かふっ、ん、ひゃんっ?!」
膝をすり合わせ、きゅっ、と爪先を縮ませて泉澄が喘ぐ。惟花の手を挟むように内股を閉じているせいで、惟花がどんな風に俺の妹を弄んでいるのか、俺の位置からでは確かめられなかった。
泉澄が何をされているのか。あいつが惟花の手に誰を重ねて身を委ねているのか。ふたつの謎がもどかしさを募らせる。いっそこの場を離れてしまった方がいいような気がしたけれど、動けなかった。股間を膨張させた昂りで歩きにくいだけじゃなくて、どうしても、女の子同士の隠微な戯れから、目を離すことが出来ない。
「ふっく……ん、くっ、ふぁ、きゅふっ……♡ んひ、ひっ、んくっ、ふぁ、あう――♡ きゃう、ゆ、ゆいかっ、ひゃ――!! つよ、強いぃんっ、くふ、ふぅ、ふきゅっ……♡」
「泉澄ど……泉澄、もっと素直に声を出さなければ。あまりに快感を抑えすぎると、妄執を解き放てなくなりますぞ……?」
「だって、んあ、気持ちよく、んっ♡ 気持ちよく、なっちゃっと……言っちゃう、だから、あっ、ひぁぁ……!」
――胸に秘めた誰かの“名前”を、言ってしまうかも知れない。
いよいよ、居たたまれない気分になってきた。俺は決して居てはいけない現場に立ち会っている。でもなおさらに、ここからか慣れがたいような複雑な感情が俺を支配した。
「構うことはないではありませんか……聞いているのは愚生だけですぞ? それに……」惟花はまた、泉澄の耳に触れるほど唇を寄せて囁く。「泉澄が、名前を呼んでくれたら、嬉しいなぁ……♡」
「~~~~~~~~っ、くひぅ、んっ……♡ ふぁ、あっ、やあ、ダメ、んぁ、そんにゃ、強く、クチュクチュしひゃ、あぁん♡ ふぁ、あっ、こんなっ、がまん、れきにゃあっ……♡♡」
依然として俺のところからは見えないが、敏感なところを執拗に責め立てられているようで、泉澄はひくん、ひくん、と盛んに身体を震わせる。首筋が赤く火照り、切なげに淡く開いた唇がしっとりと濡れ、薄明かりに煌めいた。可憐だけれど、俺の視界から隠された部分を連想させる光景に、俺はまた滾ってしまう。
もう、駄目だ。このままこの場にいたら、後先も顧みず、ズボンを下ろして滾ったものを手ずからしごいてしまう。とりあえず、この場を離れよう、と思った。怒張した股間のものを、心持ち腕で隠しながら、姿勢を低くしたまま腰を上げる。
そのとき、聞こえてきた声が、興奮に熱くなっていた心身に冷水をぶちまけた。
「やだ、ダメぇ、お兄ちゃんっ……あ――」
「おお……想像通り、とても柔らかです。決して大きくありませぬが、マシュマロのような弾力があります。そして……ふふ、下着越しにも、愛らしく痼った感触が解りますぞ……♡」
制服の上から泉澄の乳房を撫でながら、惟花の指先はその慎ましやかな膨らみの頂を軽く弾くように動く。まるでそれがスイッチみたいに、泉澄は何度も肩を、吐息を躍らせた。
「や、あっ……ゆ、惟花ちゃんっ、そこ、ふぁ……いじっちゃ、やだ、あ、ん――!!」
「……本当に、イヤですか?」
「え……い、イヤ、っていうか……女の子同士で、することじゃない、よ……」
「そんなことはありませぬ。女同士でも、惹かれあっていれば、淫らな遊びに耽ることもあるものですよ……」
「ふぇ?! え、あ、ゆ、惟花ちゃん、それって――」
「勘違いめされるな。愚生は泉澄どののことを、友人と思っております。むろん、大切な、がつきますが」
「ぅ……あ、ありがと……」
何故かお礼を言ってから、泉澄は羞じらい目を伏せる。
「愚生にも、お慕いする異性はおります。愚生が深く繋がりたい、とこいねがうのはその殿方だけです。
ですが――戯れに同性の、愛らしい肢体を堪能することにも、悦びを覚えるタチなのですよ……ふふっ♡」
「戯れって、ひゃ――それって、惟花ちゃんが触りたいだけってこと……?!」
「否定は致しませぬ」
「す、清々しいくらい素直に認めたぁ……!」
「しかし、泉澄どのを思ってのこと、というのもまことです。
これは愚生の手ではありますが……泉澄どのを苦しめる煩悩から解き放つための依代とお考えくだされ」
「……よ、よりしろ?」
「つまり、今これよりこの手は、愚生の手ではなく……泉澄どのの妄執の源となっている御仁のものなのです」
「あ……!」
泉澄の乳房を包んでいた掌が、腋に流れ、腰の方へと滑っていく。服の下にある肌のラインを確かめるようなねっとりとした動きに、泉澄はぴくん、と肩を震わせた。
「いま、斯様に、泉澄どのの脇腹を滑り降り、制服に潜り込もうとしているのは……泉澄どのの脳裏に浮かぶ、その人の手なのです……」
「……の、手……ん、あ……きゃっ」
宣言通りに、惟花の手が泉澄のブラウスの裾をまくり、下に潜り込む。泉澄の胸許の布地が手のかたちに膨らみ、怪しく蠢くのが見えた。
「はぁ……素晴らしい触り心地です……しっとりと濡れて、掌に吸い付くようですぞ……」
「それは、汗ばんでるからだよ……だから、や、やめてよ……ね?」
「泉澄どのの想い人は、汗ばんでいるくらいで拒絶するほど、狭量なのですか?」
「っ……ち、がう……と、思う……」
「なら、続けてよろしいですな」
「ぅ……っあ、きゃ! はぅ、あ、やっ、そこ、んんっ……♡」
「ふふ……小さくて愛らしい乳首ですな……押すたびに、健気に跳ねておられる……」
「ひゃう、あぁ、あぁっ……♡ わ、わたしっ、そんなふっ、触ったことっ、ないよぉっ……んぁ……!」
身をよじり、甘い悲鳴を上げるけれど、泉澄は抵抗しない。握りしめた両手が、所在なさそうに太腿の上から脇腹のあたりをさまよった。
「泉澄どのは、自慰の際、敏感な箇所は焦らすのがご趣味ですかな……?」
「え、あ、っ……そ、その……し、下は、ちょっとだけ……でも、そこは……」
「道理で、反応がいいわけですな……♡」
「ひゃふっ?! んあ、や、そ、それダメ、くりくりって、キュッて、ひねるのっ、凄い痺れちゃ、あ、ひゃんっ♡」
――惟花の奴、本当に、自分が楽しみたいだけじゃないのか?
奇妙な昂りに居ても立ってもいられない気分になりながら、俺は同時に、苛立ちも覚えていた。
泉澄と惟花は幼馴染みで、今でもしばしば連れ立って行動している。スキンシップも多いほうなので、泉澄も惟花に触れられることに抵抗は少ないのだろう。
それは解っている。解っているけれど、まるで泉澄の肢体をオモチャにするような触り方をしてるのに、イラッとする。
――泉澄はお前と違ってウブなんだぞ。お前の愉しみついでに弄ぶな……!
そう言って飛び出したい欲求に駆られる。けれど、格子越しに繰り広げられる蠱惑的な光景に目を奪われて動けない。まして、ズボンの中に隠してあるものが激しく怒張しているこの状態で、泉澄の前に飛び出すなんて出来なかった。
「ふふ……乳房がすっかり火照って、解れて参りました……この様子だと、下の唇もいい具合に蕩けておられるでしょうな……♡」
「う……ひゃ、んっ……?! んあ、あぁ……♡」
弾むような泉澄の悲鳴が、すぐに甘みを帯びる。乳房を堪能していなかったほうの手が、いつの間にかスカートをめくり、ショーツの上から陰部をまさぐっていた。
「やはり、先ほどよりも染みが広がっておられる……生地の上にまで、粘ついた熱い蜜が滲み出ておりますよ……」
「やだ……言わないでよぉ、惟花ちゃんっ……」
「ですから、この手は惟花のものではない、と繰り返しておるでしょう? きちんと、本当の想い人のものだ、と想像してくだされ」
まるで駄々っ子をたしなめるみたいな口調で惟花が諭す。泉澄は困ったように惟花を見つめたが、やがて睫毛を伏せ、唇を噛んだ。
惟花の指示通り、誰かを脳裏に思い描いてる。俺の心がまた、微かにザワつくのを感じた。
「ほら……泉澄どの、外から撫でただけなのに、こんなに指がベトベトになってしまいましたぞ……♡」
惟花は泉澄の陰部をまさぐっていた中指を、泉澄の目の前にかざし、親指とくっつけたり離したりしてみせる。惟花の指先にまとわりついた粘液が微かに糸を引き、薄明かりに光るのが、俺の位置からでも解った。思わず、生唾を呑み込む。
先ほど惟花が刺した釘が効いたようで、泉澄は頬を染め視線を泳がせたけれど、何も言わなかった。惟花は心なしか意地の悪い笑みを浮かべると、ふたたび手を下ろし、泉澄のショーツの裾をつまむ。は、っと泉澄は息を呑んだ。
惟花の手が、そろそろ、と泉澄の飾り気のない清潔そうな下着を引き下ろす。無意識なのか、泉澄は言われるまでもなく、軽く腰を浮かせた。太腿にかかったとき、内股に貼りついた生地が、ぷちゅ、と濡れた音を立てて剥がれる。
「脚を閉じないでくだされ、泉澄どの」
反射的に膝を閉じてしまった泉澄に、惟花が囁いた。泉澄は首筋まで赤く火照らせる。それでも、おずおず、と惟花の指示に従った。
「いい子ですな、泉澄どの……」
惟花は泉澄の小さな耳許に囁き、遠慮がちに開かれた足のあいだに手を伸ばそうとする。
「……そんな風に、呼ばない。“泉澄”って、呼び捨て……」
手を止め、惟花は一瞬、目を丸くする。
「口調は、しょ、しょうがないけど……でも、出来れば呼び方くらい……」
目を合わせず、唇をちょっとだけ尖らせて抗議した。何度か目をしばたたかせたあと、惟花は苦笑いを漏らした。
「至極当然の指摘ですな。これは愚生が迂闊でした」素直に頷くと、気を取り直し、改めて言う。「では、泉澄……続けますぞ」
惟花の細くしなやかな指が、泉澄のはだけられた下腹部をすう、と伝い、太腿を撫でて、内股に迫った。泉澄の肩が、ぴくっ、と跳ねる。
「ふぁ……あ、ちょ、直接……ぅん♡」
「……厭ですかな?」
「い、イヤ、じゃなくて……いつもより、ビリビリって、すごい……か、感じて……」
「……それは、他人に触られているからですかな? それとも……」まるで耳たぶに響かせるかのように、唇が触れるばかりの距離で、惟花は囁いた。「“俺”の指だから……?」
「ひゃ……っあ、っくんっ♡ やぁ、しゅご、響いちゃう、うん、んぁ、あぁんっ♡」
びくん、びくん、とまるで打ち上げられた魚みたいに泉澄は身体をばたつかせる。強い刺激のせいなのか、早くも声は甘く鼻にかかり呂律が回らなくなっていた。
「ひゃふんっ、きゃ、あん♡ やめっ、んっく♡ そこ、ふぁっ、あん♡ ゆいかっ、ちゃ――んか、感じすぎる、かふっ、ん、ひゃんっ?!」
膝をすり合わせ、きゅっ、と爪先を縮ませて泉澄が喘ぐ。惟花の手を挟むように内股を閉じているせいで、惟花がどんな風に俺の妹を弄んでいるのか、俺の位置からでは確かめられなかった。
泉澄が何をされているのか。あいつが惟花の手に誰を重ねて身を委ねているのか。ふたつの謎がもどかしさを募らせる。いっそこの場を離れてしまった方がいいような気がしたけれど、動けなかった。股間を膨張させた昂りで歩きにくいだけじゃなくて、どうしても、女の子同士の隠微な戯れから、目を離すことが出来ない。
「ふっく……ん、くっ、ふぁ、きゅふっ……♡ んひ、ひっ、んくっ、ふぁ、あう――♡ きゃう、ゆ、ゆいかっ、ひゃ――!! つよ、強いぃんっ、くふ、ふぅ、ふきゅっ……♡」
「泉澄ど……泉澄、もっと素直に声を出さなければ。あまりに快感を抑えすぎると、妄執を解き放てなくなりますぞ……?」
「だって、んあ、気持ちよく、んっ♡ 気持ちよく、なっちゃっと……言っちゃう、だから、あっ、ひぁぁ……!」
――胸に秘めた誰かの“名前”を、言ってしまうかも知れない。
いよいよ、居たたまれない気分になってきた。俺は決して居てはいけない現場に立ち会っている。でもなおさらに、ここからか慣れがたいような複雑な感情が俺を支配した。
「構うことはないではありませんか……聞いているのは愚生だけですぞ? それに……」惟花はまた、泉澄の耳に触れるほど唇を寄せて囁く。「泉澄が、名前を呼んでくれたら、嬉しいなぁ……♡」
「~~~~~~~~っ、くひぅ、んっ……♡ ふぁ、あっ、やあ、ダメ、んぁ、そんにゃ、強く、クチュクチュしひゃ、あぁん♡ ふぁ、あっ、こんなっ、がまん、れきにゃあっ……♡♡」
依然として俺のところからは見えないが、敏感なところを執拗に責め立てられているようで、泉澄はひくん、ひくん、と盛んに身体を震わせる。首筋が赤く火照り、切なげに淡く開いた唇がしっとりと濡れ、薄明かりに煌めいた。可憐だけれど、俺の視界から隠された部分を連想させる光景に、俺はまた滾ってしまう。
もう、駄目だ。このままこの場にいたら、後先も顧みず、ズボンを下ろして滾ったものを手ずからしごいてしまう。とりあえず、この場を離れよう、と思った。怒張した股間のものを、心持ち腕で隠しながら、姿勢を低くしたまま腰を上げる。
そのとき、聞こえてきた声が、興奮に熱くなっていた心身に冷水をぶちまけた。
「やだ、ダメぇ、お兄ちゃんっ……あ――」
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