『セカンドスクール 』 ガングロが生存していた頃のある通信制高校野球部の軌跡

ボブこばやし

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卒業式

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『城南高等学校 卒業式』の大きな看板が校門に立てかけてあった。ジーパンで革ジャンの生徒。穴だらけのジーパンTシャツの生徒。卒業のお祝いだろうか、顔一面がピアスだ。社交ダンスの大会から紛れ込んだようなドレスアップした生徒。仕事の都合でつなぎの作業服の生徒。自分でアレンジした架空の制服の生徒。着物を着た生徒もいた。様々な服装で様々なヘアースタイルの卒業生が肌寒い体育館のパイプ椅子に整然と座っていた。
 三方を覆う紅白幕は俗世界から隔離するしめ縄のようだ。日頃見られない厳粛さがカノンのBGM によって醸し出させていた。
 城南高校の卒業式は一応のしきたり通りのセレモニーだが、校長が卒業までの労をねぎらうように一人一人に証書を授与する所が他の高校とは違った。車椅子の卒業生には壇上から、校長が降りて、膝を折って渡した。
「先生、年々保護者席が足りなくなってきてますね。」
 肩越しに小声で佐藤先生が櫻井に同意を求めた。
「はあ」
 櫻井はうなずき、後部の保護者席を見ると、立ち見も出ている。
「あ。」
 櫻井は突然、起立し保護者席に向かってお辞儀をした。櫻井の胸ぐらをつかんだ伊藤の父親だった。櫻井が会った時より太って腹が出ていた。礼服ははじ切れそうだった。約半年前の遺恨を忘れたように櫻井を見つけ、立ち上がってイギリス人のように頭をカクンと曲げただけの挨拶をした。油の切れたロボコップのように動きがぎごちなかった。同じ教師席に座っている同僚も櫻井の視線の先を見た。ニコニコしながら伊藤の父親は櫻井の方にカメラのレンズを向けた。櫻井は空っぽの気持ちで、ニタと笑った。
 何となくきまりが悪くなった櫻井はその視線を卒業生の席に移した。千差万別とはこのことかと思われるほど、様々な生徒がいた。保護者と同年齢か、はるかに年長の生徒も違和感なく座っていた。
『通信制は社会の縮図でしょう。ありとあらゆる生徒がいる。そこがいいんだな。』
 以前、先輩教師がそう言いながら旨そうにコーヒーをすすっていた場面を櫻井は思い出した。
『確かに、そうかもしれない。ここにいる生徒や保護者のこれまでの悲しみや憎しみや悔しさを凝縮して破裂させたら、学校は完全に破壊されるな。その巨大なエネルギーの前に教師はオロオロするだけだろうな。なすすべもないだろうな。そうだ。この生徒や保護者が流した涙を集めたら体育館が洪水になってみんな溺れるかもしれない。』
 櫻井は詮無い空想をした。
「卒業証書授与!」
 教頭がよそいきの野太い声を出した。
「これから長いですな。」
 佐藤先生がまた肩越しに小声で同意を求めた。
「4年1組、鈴木悟!」
 担任が呼名した。
「ハイ!」
 鈴木悟が立ち上がり、頭を下げた。鈴木悟は城南高校でもトップ5に入る有名人だった。
 校長から証書を受け取るだけなのに、悟はこだわりがあって、ステージに登る階段までなかなか到着しなった。体育館に敷かれているフロアシートを横から一枚一枚踏んでいかないと気がすまないのであった。
「悟君、早くステージに上がってください。」
 マイクから口をはなし、担任が懇願しても悟は、気が済むまで止めなかった。全員、お預けを食うだけであった。ビニールシートの踏み石を踏み終わると悟は短い階段を上がり、校長の前に進んだ。
「鈴木悟。おめでとう。」
 校長が卒業証書を差し、握手を求めると校長の手をスルーし、深々と礼をし、証書だけ受け取った。観衆の安堵の溜息がどこからともなく聞こえてきたと櫻井が感じた瞬間、今度は悟の興味は壇上の豪勢な生け花に移った。
「先生、この花、何ていうのかな。」
 春の花園の前で校長に黄色の蕾を指しながら尋ねた。
「何ていうのかな。」
 悟は答えを真剣に求めた。
「この黄色い花ね。」
 校長が答えに窮して躊躇した。
「先生、頭いい?」「先生、頭いい?」「頭いい?」
 悟から思いもしない変化球が飛んできた。  
 悟の担任は校長が予想外の展開に戸惑っているのを見て壇上に駆がった。
「悟君どうしたの?」
 流石に担任であった。悟の心に届く穏便な収め方を心得ていた。   
「この花、何ていうのかな。この花。」
 校長では埒があかないと思ったのか、担任に同じ質問をした。
「あ、そう。先生にも分からないな。卒業式が終わったら、先生が調べて悟君に教えてあげるね。みんな悟君が降りるのを待っているから先生と一緒に席に戻ろうね。」
「先生、頭いい?」
「先生はそんなに良くないかな。花の名前も分からないし。でも、校長先生はとっても頭いいからね。」
 担任は校長の顔を窺った。校長は救いの神に小さく手刀を切った。担任の介添えでステージから悟が降りると、監修は安堵のため息から大きな拍手に変わった。
「悟が遠足に行ったときは大変でしたよ。マンホールに拘っちゃって。全部、踏まないと気が済まないから、みんなから遅れて。担任と私が無理やり歩かそうと後ろから押したら、体をそらして後頭部で頭突きをしてきて。先生、こうですよ。」
 佐藤先生が後ろから話しかけてきた。櫻井が振り返ると当時の光景を再現し、後ろに座っている教員にあたるほど体をそらし迫真の演技であった。櫻井が痛々しい表情をすると、今度は櫻井の顔先で鼻毛が飛び出た大きな鼻を指で掴んで曲げた。
「鼻血がドバーと出て、鼻が折れましたよ。まだ、少しまがっているでしょ。」
 佐藤先生は同情を求めた。
 校長は最初のつまずきを解消するため、ペースアップをしていた。
「以下同文。以下同文。以下同文。」
 卒業生ひとりひとりと握手を交わした。
「3年3組伊藤茂雄!」
 伊藤の番であった。伊藤は相変わらず、虚勢をはって、スリッパをペタペタとしながら肩を揺すって壇上に立った。
「伊藤先輩、卒業おめでとう!」
 在校生の席は用意されていないので保護者席に陣取っていた野球部の生徒から声援が伊藤の背中に贈られた。
「うるせい!」
 伊藤は保護者席をにらみつけたが、礼服がはじ切れそうな父親に気付くと、鬼の形相はすーと消えた。
「こらこら。みんなが祝ってくれて、君は幸福だよ。卒業おめでとう。」
 校長が伊藤に握手を求めた。伊藤は気休め程度の礼をして、卒業証書を受け取った。
「照れるなよ!」
 野球部の生徒のヤジが飛ぶと、会場は和んだ。伊藤はヤジの先を睨みつけながら壇上から降りた。
「櫻井先生。野球部の子。呼んだんですか。」
 佐藤先生が櫻井の肩越しにまた話しかけてきた。
「いえ。」
 櫻井は生返事をした。
「うれしいと思いますよ。先輩の卒業式に来てくれるなんて。伊藤君、照れてるけど、内心はジーンときてるんですよ。」
 佐藤先生は自分で納得しているようだった。
 櫻井が自分のクラスの呼名のため立ち上がった。立錐の余地もない保護者席に眼をやると、保護者の頭の隙間から美樹の顔が覗いた。帽子を目深にかぶっていた。
              *
 学校の中庭の池の前に集合写真用の階段が設置されて、クラスの集合写真を撮っていた。池を覆う桜の木はまだ蕾が固くなっていて卒業生を祝う華やかさはなかった。ただ池の中の枯葉をまとった薄氷が春まじかの陽光にきらきら輝いていた。櫻井が野球部の卒業生、伊藤、西山、高見を探しに来ると、そこには佐々木が待ち構えていた。
「先生。美樹ちゃんに会った。」
 佐々木は赤の着物と黒の袴の組み合わせで、髪はアップにし、大きな深紅の椿を左の頭に刺していた。一世一代の卒業式仕様の晴れ姿であった。しかし、ブーツを履いているのでなおさら巨大に見え、足元を見ると、袴がつんつるてんだった。
「先生、美樹ちゃん。大丈夫だから。」
「保護者席に座っていたのは、やっぱり田中さんか。」
 櫻井はいまさらながら気付いた振りをした。自分の中の美樹の存在の大きさを佐々木に知られないためであった。
「美樹ちゃん、私のために来てくれたのよ。」
「そう。」
「何、その気のない返事。」
「別に。」
「安心して先生。美樹ちゃん、ちゃんと卒業したから。」
「卒業って、まだでしょ。」
 櫻井はとぼけた態度で佐々木の鑑識眼をごまかそうとした。
「先生によ。先生に卒業したの。」
「・・・・」
「美樹ちゃん、お父さんと一緒にアメリカに行くんだって。多分、アメリカで英語の勉強をしてアメリカの大学に行くことになるって。」
「じゃ、学校は。」
「辞めるんだって。」
「そう。」
 櫻井は集合写真を撮っている方に目を向けた。
「遅れましたが、佐々木さん、ご卒業、おめでとうございました。お世話になりました。」
「こちらこそ、大変、お世話になりました。」
 いつもより巨大になった佐々木が頭を下げるとその迫力に圧倒された。
 卒業証書の筒を抱え、あちこちで談笑する生徒たちがいた。
「これから、友達が卒業祝いの宴を開いてくれるんです。そろそろ、行かなくちゃ。先生、また、遊びに来るからね。」
 佐々木の友人が櫻井に遠くからお辞儀をしていた。櫻井もお辞儀を返した。
 体育館の真ん中で櫻井は壇上の大きな花瓶に挿されている豪華な花を見つめていた。役目が終わり華やかさも盛りを過ぎたように感じた。誰もいない整然とならんだパイプ椅子は祭りの後だけに一段と空虚だった。
「先生お世話になりました。」
 後ろから遠慮がちな声がした。振り返ると3人が立っていた。
「先生、大丈夫ですか?思い詰めているようでした。」
 さっき卒業したばかりの櫻井のクラスの小泉だった。横には上品な濃紺のスーツを着て胸に白い花をさした母親がいた。
「そんな感傷的な人間じゃないよ。」
 照れながら櫻井は言った。
 小泉の横には小泉の腕を取り、寄り添う女性がいた。
「疲れちゃうから、座らしてもらおう。」
 ショートカットで律儀そうな女性は小泉をパイプ椅子にうながした。
「あ、そうだ座った方がいい。」
 櫻井は気配りがたりなかったことを反省した。なにせ櫻井が気がつかないほど小泉は回復していた。
「先生、お世話になりました。」
 小泉の母親は深々と櫻井に頭を下げると、目頭をハンカチで押さえた。
 それを見て小泉の隣の女性もスクッと立ち櫻井に頭を下げた。
「ありがとうございました。先生のお陰で卒業できました。」
 母親同様、女性の声も小さな肩も震えていた。
 小泉は去年、四年生に転入してきた生徒であった。前の学校は私立の有名進学校だった。一年から三年生の一学期までは勉強も部活も充実したものだった。部活は柔道で有力選手だった。身体はみなぎり体重も90キロを越えていた。ところが病魔が蝕み始めた。大腸の難病だった。若かったので進行が早かった。転校してきた当初、最悪な状態だった。体重は40キロ代になった。スクーリングに来て、息を切らせながら壁を伝い歩きしているところを櫻井は何回も見た。その都度、櫻井は肩を貸した。 
 転入してきた直後、櫻井は母親から頼まれた。
「授業中、トイレに何回もいかなくてはなりません。この子は難病です。先生方に知らせておいてください。それで欠課にしないでほしい。」
 授業中、教師に許可をもらってトイレに行く。生徒の同情や揶揄の視線にさらされながらトイレに行く。情け無い気持ちと腹痛に耐える毎日。
 スクーリングの空き時間に、社会科の研究室で何度か話したことがある。病気のこと、前の学校の部活のこと、ガールフレンドの話も出た。ただ、卒業してからのことは言えなかった。
『君には大きな可能性が広がっているんだ。夢を持ちましょう。』
 軽々しくて白々しくて、必死に病気と闘っている小泉には言えなかった。
「将来の事はいい、今日一日をとにかく生きればいい。それでいい。未来はその連続でどうにかなるって。」
 そう言いながら櫻井は小泉が病気から卒業することを祈るだけだった。
「無理しないでな。」
 いつもはその一言だけだった。
「はい。無理してません。」
 その都度、小泉は力なく返事をした。
 それだけだ。なのに涙まで流して感謝された。本当に嬉しいかったのだろう。世の中の人みんなに卒業できたことを知らせたかったのだろう。
 3年経った頃、小泉から電話があった。
「人工肛門にすることに決意しました。」
「そうか。」
「真っ先に、先生に連絡しようと思って。」
「ありがとう。声が元気そうじゃないか。」
「はい。割合、大丈夫です。」
「ところでお母さんも元気ですか。あの、ガールフレンドも?」
「みんな元気です。彼女だったら、ここにいます。」
「そう。」
「彼女が先生に『ありがとう。』って言いたいって言ってるんですが、いいですか?」
「そう。」
「ありがとう。先生。私たちこれからも一緒にいます。」
「そう。偉いな。偉いな。君もすごいよ。ありがとう。」
 櫻井は涙声になってしまって、それしか賞賛の言葉は出てこなかった。
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