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野球部員の勧誘
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櫻井の一年間も卒業式で終わった。誰が考えたのか一年とはちょうど良い長さだ。これ以上、短くては寂しいし、長くてはだらけてしまう。
もうすぐ桜の季節が迫ってきている。また、新しい一年が始まる。しかし、『卒業』ということを知らないし、知ろうとしない生徒もいる。卒業が人生の終わりとすれば、彼は不老不死の薬を飲んでいるように、だらだらと、ずーと高校生であった。多分、人生の終わりも考えていないのかもしれない。その生徒は学校の校門にいた。校門には入学式の大きな看板が立てかけてあった。
「はいよ。野球部よろしく。」
鮫島がチラシを配っていた。
「鮫島さん。ちゃんと渡して下さいよ。」
鮫島のお世話係もこなす堀井がチラシを入学生に渡しながら鮫島を見守っていた。
「鮫島さん、そんな怒ったような顔じゃなくて、笑顔です。笑顔の方が受け取ってくれます。」
「うるせいな。」
鬱陶しそうにする鮫島であったが、これ以上できないような笑顔を堀井に返されると、鮫島もぎごちない笑顔をつくった。
「そう、そうですよ。できるじゃないですか。」
堀井に褒められると鮫島も満更ではなかった。
「それから鮫島さん、顔の目の前に出すと、受け取りにくいし、びっくりして受け取ってくれません。腰の高さです。いいですか。」
「うん。」
鮫島は素直になった。
「今年、3人集まらないと試合に出られないんですから。頑張りましょう。」
堀井からインセンティブを示されると鮫島の動きもテキパキとなった。
「わかったよ。はいよ。」
鮫島のノルマのチラシも少なくなっていった。傍らでは、てきぱきとチラシを配る小河原がいた。小河原は今シーズンから扇の要であるキャッチャーに抜擢された。抜擢と言うよりキャッチャーミットを持っていたのは小河原だけだった。
「野球部です。よろしくお願いします。」
「堀井さ。オガ、変わったな。やる気あるじゃん。・・・そうだ。何かおかしいと思ったけど。オガ、携帯どうした?」
「鮫島さん。せっかく、忘れようとしてるんでるんですから。思い出させるようなこと。言わないで下さいよ。毎月、5万円かかってるのが、バレて親が捨てちゃったんですよ。」
堀井は鮫島の耳元で小声で答えた。
「本当かよ。」
小河原は自分の前を通る生徒にペコペコしながらチラシを渡していた。
「あの~。」
長身で肩幅のあるの生徒が小河原の前にのそっと立っていた。
「なんすか?」
小河原が見上げた。
「あの~。野球部ってこの学校にもあるんすか?」
野太い声で大男が聞いた。
「あるんす。」
「へぇ。」
大息をついて大男は去って行った。拍子抜けした小河原が大男の後ろ姿を眼で追いかけると、背負ったリックサックはメトロノームのおもりようだった。
「あのやろう。なんだよ。キモイぜ。」
鮫島は自分より能力のありそうな人間には本能的に警戒した。
野球部の部員の前を様々な服装で様々なヘアースタイルで入学生が通っていった。ジーパンで革ジャンの生徒。ハイヒールでドレスアップした生徒。つなぎの作業服の生徒。自分でアレンジした架空の制服の生徒。晴れ着を着た生徒もいた。
職員室では、正装した教員が入学式の始まるまで待機していた。
「野球部の生徒が来てますね。」
後藤が隣の櫻井に話しかけた。
「勧誘ですよ。」
櫻井は勧誘のチラシを後藤に差し出した。
チラシには『グランドにあなたの青春が落ちている。拾うのはお前だ!』『野球部にはいったら必ず、彼女ができる。』『健康にはサプリメントより野球だ。』『みんなに迷惑をかけない部員募集。』
「いろんなコピーが踊ってますね。ちょっと一貫性がないかな。」
櫻井には後藤が鼻で笑ったように感じた。
「一言、ズバッと入部したくなる言葉を考えろっていったんですが、まとまらなかったんです。うちの野球部らしいですよ。ですから、出てきたやつ、全部、のせました。」
「もしかして、『みんなに迷惑をかけない部員募集。』って先生ですか。」
「わかります。」
後藤はプーと吹きだした。
「ところで、鮫島は卒業じゃなかったですか。」
「困ったものです。あいつは、学校を野球ができる場所ぐらいにしか考えてないじゃないですか。まったく。放っておいたら、永久に高校生です。だぶん。まあ、足腰が弱ったきたら、辞めるんじゃないですか。私と同じ年ぐらいには。」
「先生、それじゃ、長い付き合いになりますね。」
ニコニコしながら、後藤は揶揄するのではなく、いたわりの気持ちを込めて櫻井の肩に右手を乗せた。
「やめてくださいよ。私が絶対に卒業させてみます。というか、辞めさせます。絶対、今年か来年には決着させます。」
櫻井はそう言ったものの針が刺さった風船のように最初膨らんだ声は段々しぼんだ。
「櫻井先生は、ほんと面倒見がいいからな。でもな。」
後藤は意を決したように言うと、椅子から立ちあがった。机の上に腰をおろし、片足を今まで座っている椅子に乗せた。後藤のいつもの説諭のポーズであった。櫻井はこの一年、手厳しい重たい言葉をこのポーズの後藤から何回も、もらった。その度に、頭に重しを載せられたように頭が下がり、頭を抱えることもあった。
「そうそう、この間、堀井に『お前のところの顧問は素人だけど、一生懸命やってる。お前が中心になって櫻井先生に協力してあげてくれ。』って言うと。『内の監督は野球のこと、私たちより知ってます。それに、野球以外のことも教えてくれます。教科書でいえば、黒く太い字だけ教えてくれるのではなく、小さい目立たない字のこともよーく教えてくれます。』って。櫻井さん、すごいよ。そんなこと言ってもらえる先生いないよ。通信の場合、生徒から認められることはなかなかないからな。だいたい、普通の高校より、生徒と教員の距離はすごく離れているし、それに、うちの生徒は教員に厳しいから。
この間も、レポートの添削で○を付けるところを間違えて×を付けちゃって、その上からグリグリに○を書いたら、その後、電話が来て『しっかり、やれ。これで給料もらってんだろ。』って苦情の電話が来ちゃって。」
櫻井は叱責されるのかと構えたが、褒められた上に後藤の愚痴を聞かされた。でも、後藤から面倒見がよいと褒められたより、『内の監督が』と自分のことを監督だと堀井が認めてくれたことの方がうれしかった。
入学式の時刻が迫る頃、慌ただしい職員室に大きな声が響いた。
「ごめんください。」
職員室の入り口に紺の縞柄のスーツを着た年配の男が顎を引いた姿勢で直立していた。
「あの、業者の方は事務室で名札もらってからきてください。」
後藤はやはり大声で自分の席から指示した。
「今年、入学した高橋というものです。」
少し、高橋は怪訝な表情になった。
「そうでしたか。すいません。」
ばつの悪さを紛らすように後藤は頭を掻いた。
「どうしました。」
櫻井が高橋に近づいていった
「野球部の先生はいらっしゃいますか。」
高橋の背筋を伸ばし両足の踵を付けた体勢は微動だにしなかった。
「私ですけど。」
高橋の手に勧誘のチラシがあった。足元を見ると、おろしたての真っ白な上履きを履いていた。『高橋』の名前が油性のマジックで書かれてあり、十メートル先でも認識できるほどの、大きさだった。高橋は櫻井に深々と礼をした。櫻井も、つられて礼をした。
「先生。・・・・野球をやらせていただけないでしょうか。」
自らの決断をカミングアウトすると、高橋は櫻井の顔の前でニコっと笑った。胸のつかえが取れたようだった。
「生徒さんですよね。」
櫻井がつまらない質問をすると、
「今年、還暦ですが、生徒です。」
高橋はまた身体を膠着させた。
「うちの学校には高橋さん、高橋さんでいいんですよね。高橋さんと同じような年齢の方もいらっしゃいます。それに、高校生になったんですから色々なことにチャレンジしてみてください。部活や生徒会の活動を一生懸命やってる年配の方もいらっしゃいますし。・・・もちろん、野球部も大歓迎です。年は関係ないですから。どんどん、積極的に高校生活を満喫してください。」
櫻井はエールを送ろうとした瞬間、調子に乗った佐々木の顔が浮かんだ。
「それに今、部員が足りなくて試合に出られるかどうか心配している状態なので、助かります。」
「そうですか。大丈夫ですか。ありがとうございます。」
また高橋は櫻井に深々と礼をした。
「でも、うちの野球部は。そう、あなたはいつごろ野球をやっていました。」
「いや、私は特別、野球経験があるわけではないのですが、息子が中学・高校とやっていたもので、息子の練習相手でキャッチボールぐらいです。」
「そうですか。でもうちの野球部は息子さんがやっていた野球部とはずいぶん違うと思いますよ。遊びの延長みたいなものですから。ガッカリするかもしれませんよ。まあ、とにかく練習を見に来てください。来週の月曜日にやりますから。学校のグランドにスクーリングが終わったら来てみてください。私が野球部員に高橋さんのこと紹介します。」
「はい。」
高橋は野球少年のように背筋をまた真っ直ぐにした。
「部員の登録もありますので、学籍番号を教えてくれますか。あ、ここに書いてください。」
差し出されたメモ用紙に学生番号と名前を書く高橋は筆圧が強く、角ばった文字であった。職員室のドアの前でまた深々と礼をして高橋は出て行った。
「皆川先生のクラスか。」
メモ用紙を見て後藤は言うと、また、机に腰掛けた。
「あの生徒も大きな決断をして、入学してきたんだよな。俺がずーと前に担任した年配の生徒が言ってた。『入学手続きの前に何回も校門の所から学校を見上げて、よし、今年こそは入るぞ。って誓うのだけど、校門をくぐるのに五年かかった。』って。学校から離れて何年もたつと、学校というところが別世界になってしまうらしい。当然だよな。そんな生徒が勇気を持って決断して入学してくる学校なんだぜ、ここは。そう考えると迎える教員はその勇気に応えなくちゃいけないと思うよな。櫻井さん、そうだろ。」
後藤は、拳で机を叩き、自分自身を鼓舞しているようだった。
*
春、城南高校のグランドは新年度を迎えてもそのコンディションは一向に変化はなかった。強いてあげれば、櫻井がベースの位置に麻布を埋めたことだけだった。選手がベースに乗った途端、動いても地中から伸びたヒゲの上に置けば正確な位置に戻った。
野球部員の規律が心持ち向上したことも嬉しい変化だった。
櫻井が校務の後、部活に顔を出すと、集合の号令がこだまし、やおら選手が集まり櫻井を囲んで『よろしくお願いします。』と時々言うようになった。櫻井のユニフォーム姿も少し、堂に入ってきた。
「高橋さんは?」
ホームベース近くに集合した中に高橋さんが見当たらないので、櫻井は誰ともなく聞いた。
「ボール拾いで植木の中にいます。」
三塁ベースの近くにある丸く刈られたつつじの山がごそごそ揺れた。中から出てきた高橋は蜘蛛の巣を払いながらボールを三つ差し上げた。
「ありました!」
つつじの枝に引っ掛かって帽子がずれたせいで高橋の顔が隠れた。Tシャツから覗く褐色の鍛えられた腕は高校球児ではなかった。建築関係の仕事を長年していると櫻井は後日、聞いた。
「高橋さんはみんなより年上なんだから、ボール拾いはみんなでやりなよ。」
「はい。」
今年入学した藤沢が高橋の所へ走った。最近、通信制では転編入で入学する生徒が多いが、藤沢は中学卒のピカピカの一年生であった。藤沢はいつも身体を揺らしており、いつも動いていた。櫻井は静止したのを見たことがなかった。視点も定まらないこともあった。
『この生徒は何の学習障害なのか。』櫻井はこの一年間で、発達障害や学習障害についての研修を受け、自分でも勉強していたので、この症状は何という障害に当たるのかということばかりがまず気になった。その度に『自分はカウンセラーではない。教師だ。予断を持たずに生徒と向き合おう。しかし、何かしらの障害を持っているとすれば特別視しなければならないのか。』と自問自答した。
「先生、そうじゃなくて監督。『高橋さんは、みんなより大先輩だけど同じ野球部員だ。同じように練習し同じように準備、片付けをやってもらう。』って言ったじゃないですか。」
小河原が隣にいる堀井に気を配りながら進言した。
「そうか。そうだったな。でも、少しでいいから気を遣ってください。」
櫻井は親指と人差し指で○を作った。
「分かったよ。分かりました。」
小河原は携帯を親に捨てられてから気持ち悪いぐらい素直だった。
「先生、じゃなくて監督。」
「どっちでもいいよ。」
「先生、じゃなくて監督。すごいの見つけたぞ。な堀井さん。じゃなくてキャプテン。」
「この前、先生がいない時、見学に来てた子なんですけど。」
そう言うと堀井の顔が曇った。
「先生、あいつが入ったら、鬼に金槌だよ。」
小河原は鬼の首を取ったように誇らしげに訴えた。
「金棒だろ。」
櫻井は冷静に間違いを正した。
「・・・・。」
小河原には理解できなかった。
「もしかして、その生徒。『少年野球のリーグで世界チャンピオンになった。』って言ってたか。前の高校は、どこだっけな。有名な徳島のなんて言ったけ。」
櫻井は腕組みをした。
「池田高校ですか。」
間髪を入れずに堀井が答えた。
「そうそう、池田高校へ野球留学で来てくれって。なんていったかな。有名な監督。」
「蔦監督ですか。」
「そうそう、蔦監督。」
「先生、高校野球、本当に知らないんですね。」
小河原が逆襲した。
「まあ、いいじゃないか。『その蔦監督が、じきじきに来て、是非とも、うちに来てくれって、頭下げられて、行こうと思ったんだけど。親が医者で野球は止めて高校は進学校へ行くようって、泣きつかれたので断念した。』って言ってたか。」
「そうそう。先生も会ったんだ。じゃなくて、先生もお会いしたんですか。」
最近、小河原はとみに櫻井に気を遣うようになった。
「その後がすごいんだ。『高校3年生の時、プロのスカウトが家に来て、ドラフトで指名するから、よろしく頼むって言われたんだけど。親にまだ、野球が諦められないのかって、泣きつかれ、お前を東大の医学部の教授が推薦で是非入れたいといっているから、そっちの方向で考えろって、親が強く言うものだから、二束の草鞋は履けないって悩んじゃって、結局、進学校を中退しなければならなくなったって。』それから『彼女が松浦亜弥で。けん玉でギネスに載ったって。』分けわかんないだろ。」
「だめっすよね。」
堀井は少し、心残りで櫻井に全否定してもらいたくない様子だった。
「でも、本当だったらどうします。俺にはスゲー選手だと見えます。」
小川原は二人の顔を窺いながらも自分のスカウトとしての眼力を自慢した。
「俺も信じちゃった所もあるんだけど。でもな。本人の目つきをよーく見て。分かったよ。あれは、躁鬱病の躁状態なんだと思うよ。」
櫻井は気負う所なく冷静に判断した。
「先生、でも、入部させないと9人になりません。とにかく、試合に出るため、誰でもいいから入部させましょう。」
キャプテンはいつも櫻井よりトータルに野球部のことを考えていた。
「あ。でも。あの子は大変だよ。」
櫻井は下を向いた。自分はいつの間にこんなに心配性になったのか櫻井は通信制で仕事をするようになって変わった一面に気がついた。
「みんなでカバーしますから。」
「あ。」
櫻井は曖昧な返事で決着しようとした。
後日、その生徒はバスケット部に入部した。アメリカのハイスクールでレギュラーだったという触れ込みだった。勿論、自己申告だった。
「キャプテン、また、入部希望かもしれませんよ。」
小川原の視線をみんなで追った。
「どこ?」
「あそこですよ。」
小河原が指をさす方向をみんなで見た。
「ほら、こっちをのぞいてるでしょ。」
「どこ?」
堀井にはわからないようだった。
校庭隅の大木のイチョウの裏に隠れながら、半分だけ顔を出して、こちらを窺っていた。大男はこちらの視線を感じると、また後ろ向きにイチョウの裏に隠れた。大男の割にその仕草は家に大人が訪ねて来て時、怯えながらはにかむ幼児のようであった。
「いたいた。恥ずかしいのかな。おーい。野球部に入りたいの?」
堀井が叫んだ。
「入学式の時いた木偶の坊です。」
小河原が嫌なやつだと言わんばかりに吐き捨てた。
「オガ、知ってんのか」
堀井が聞いた。
「また、隠れたよ。なさけねぇ。あんなにでっかい体しているのに。」
小河原が嫌っていることはみんな承知した。
「オガ。連れてこいよ。」
からかい半分に櫻井は小河原に頼んだ。
「俺が。俺がですか。嫌なんだよな。ああいうデカイの。でも、まあ、いいっすよ。」
小河原はホームベースを手に持つと歩き出した。
「何んでホームベースを持って行くの?」
奇っ怪な振る舞いの多い部員にも慣れたつもりでいた櫻井であったが合点がいかなかった。
「野球部の入部説明書のつもりなんじゃないですか。」
堀井には全てがお見通しのようだ。
「本当かよ。」
軽く疑問を投げかけたが、櫻井は全てを説明できる堀井の見識に恐れ入るばかりであった。
イチョウの木の裏で小川原が交渉していた。堀井が言うとおりベースを指し示し、さかんに何かを説明しているようだった。一方的に小河原がしゃべり、大男は小河原の頭の上で相槌を打っていた。やっと話が終わったように見えたが、今度は大男がホームベースに何か書いているようだった。こちらに二人が向かってきた。ホームベースを白いハンカチのように肩幅のある長身の男は持っていた。前を歩く小河原の頭に徳山の顔が乗っているようだ。長身で色白な細面の男はこちらに近づくにつれ左右をキョロキョロし落ち着かないようだった。
「馬面ですね。でも物見をして集中力がないから、走りませんね。」
競馬好きな轟が予想屋のように見定めた。
もうすぐ桜の季節が迫ってきている。また、新しい一年が始まる。しかし、『卒業』ということを知らないし、知ろうとしない生徒もいる。卒業が人生の終わりとすれば、彼は不老不死の薬を飲んでいるように、だらだらと、ずーと高校生であった。多分、人生の終わりも考えていないのかもしれない。その生徒は学校の校門にいた。校門には入学式の大きな看板が立てかけてあった。
「はいよ。野球部よろしく。」
鮫島がチラシを配っていた。
「鮫島さん。ちゃんと渡して下さいよ。」
鮫島のお世話係もこなす堀井がチラシを入学生に渡しながら鮫島を見守っていた。
「鮫島さん、そんな怒ったような顔じゃなくて、笑顔です。笑顔の方が受け取ってくれます。」
「うるせいな。」
鬱陶しそうにする鮫島であったが、これ以上できないような笑顔を堀井に返されると、鮫島もぎごちない笑顔をつくった。
「そう、そうですよ。できるじゃないですか。」
堀井に褒められると鮫島も満更ではなかった。
「それから鮫島さん、顔の目の前に出すと、受け取りにくいし、びっくりして受け取ってくれません。腰の高さです。いいですか。」
「うん。」
鮫島は素直になった。
「今年、3人集まらないと試合に出られないんですから。頑張りましょう。」
堀井からインセンティブを示されると鮫島の動きもテキパキとなった。
「わかったよ。はいよ。」
鮫島のノルマのチラシも少なくなっていった。傍らでは、てきぱきとチラシを配る小河原がいた。小河原は今シーズンから扇の要であるキャッチャーに抜擢された。抜擢と言うよりキャッチャーミットを持っていたのは小河原だけだった。
「野球部です。よろしくお願いします。」
「堀井さ。オガ、変わったな。やる気あるじゃん。・・・そうだ。何かおかしいと思ったけど。オガ、携帯どうした?」
「鮫島さん。せっかく、忘れようとしてるんでるんですから。思い出させるようなこと。言わないで下さいよ。毎月、5万円かかってるのが、バレて親が捨てちゃったんですよ。」
堀井は鮫島の耳元で小声で答えた。
「本当かよ。」
小河原は自分の前を通る生徒にペコペコしながらチラシを渡していた。
「あの~。」
長身で肩幅のあるの生徒が小河原の前にのそっと立っていた。
「なんすか?」
小河原が見上げた。
「あの~。野球部ってこの学校にもあるんすか?」
野太い声で大男が聞いた。
「あるんす。」
「へぇ。」
大息をついて大男は去って行った。拍子抜けした小河原が大男の後ろ姿を眼で追いかけると、背負ったリックサックはメトロノームのおもりようだった。
「あのやろう。なんだよ。キモイぜ。」
鮫島は自分より能力のありそうな人間には本能的に警戒した。
野球部の部員の前を様々な服装で様々なヘアースタイルで入学生が通っていった。ジーパンで革ジャンの生徒。ハイヒールでドレスアップした生徒。つなぎの作業服の生徒。自分でアレンジした架空の制服の生徒。晴れ着を着た生徒もいた。
職員室では、正装した教員が入学式の始まるまで待機していた。
「野球部の生徒が来てますね。」
後藤が隣の櫻井に話しかけた。
「勧誘ですよ。」
櫻井は勧誘のチラシを後藤に差し出した。
チラシには『グランドにあなたの青春が落ちている。拾うのはお前だ!』『野球部にはいったら必ず、彼女ができる。』『健康にはサプリメントより野球だ。』『みんなに迷惑をかけない部員募集。』
「いろんなコピーが踊ってますね。ちょっと一貫性がないかな。」
櫻井には後藤が鼻で笑ったように感じた。
「一言、ズバッと入部したくなる言葉を考えろっていったんですが、まとまらなかったんです。うちの野球部らしいですよ。ですから、出てきたやつ、全部、のせました。」
「もしかして、『みんなに迷惑をかけない部員募集。』って先生ですか。」
「わかります。」
後藤はプーと吹きだした。
「ところで、鮫島は卒業じゃなかったですか。」
「困ったものです。あいつは、学校を野球ができる場所ぐらいにしか考えてないじゃないですか。まったく。放っておいたら、永久に高校生です。だぶん。まあ、足腰が弱ったきたら、辞めるんじゃないですか。私と同じ年ぐらいには。」
「先生、それじゃ、長い付き合いになりますね。」
ニコニコしながら、後藤は揶揄するのではなく、いたわりの気持ちを込めて櫻井の肩に右手を乗せた。
「やめてくださいよ。私が絶対に卒業させてみます。というか、辞めさせます。絶対、今年か来年には決着させます。」
櫻井はそう言ったものの針が刺さった風船のように最初膨らんだ声は段々しぼんだ。
「櫻井先生は、ほんと面倒見がいいからな。でもな。」
後藤は意を決したように言うと、椅子から立ちあがった。机の上に腰をおろし、片足を今まで座っている椅子に乗せた。後藤のいつもの説諭のポーズであった。櫻井はこの一年、手厳しい重たい言葉をこのポーズの後藤から何回も、もらった。その度に、頭に重しを載せられたように頭が下がり、頭を抱えることもあった。
「そうそう、この間、堀井に『お前のところの顧問は素人だけど、一生懸命やってる。お前が中心になって櫻井先生に協力してあげてくれ。』って言うと。『内の監督は野球のこと、私たちより知ってます。それに、野球以外のことも教えてくれます。教科書でいえば、黒く太い字だけ教えてくれるのではなく、小さい目立たない字のこともよーく教えてくれます。』って。櫻井さん、すごいよ。そんなこと言ってもらえる先生いないよ。通信の場合、生徒から認められることはなかなかないからな。だいたい、普通の高校より、生徒と教員の距離はすごく離れているし、それに、うちの生徒は教員に厳しいから。
この間も、レポートの添削で○を付けるところを間違えて×を付けちゃって、その上からグリグリに○を書いたら、その後、電話が来て『しっかり、やれ。これで給料もらってんだろ。』って苦情の電話が来ちゃって。」
櫻井は叱責されるのかと構えたが、褒められた上に後藤の愚痴を聞かされた。でも、後藤から面倒見がよいと褒められたより、『内の監督が』と自分のことを監督だと堀井が認めてくれたことの方がうれしかった。
入学式の時刻が迫る頃、慌ただしい職員室に大きな声が響いた。
「ごめんください。」
職員室の入り口に紺の縞柄のスーツを着た年配の男が顎を引いた姿勢で直立していた。
「あの、業者の方は事務室で名札もらってからきてください。」
後藤はやはり大声で自分の席から指示した。
「今年、入学した高橋というものです。」
少し、高橋は怪訝な表情になった。
「そうでしたか。すいません。」
ばつの悪さを紛らすように後藤は頭を掻いた。
「どうしました。」
櫻井が高橋に近づいていった
「野球部の先生はいらっしゃいますか。」
高橋の背筋を伸ばし両足の踵を付けた体勢は微動だにしなかった。
「私ですけど。」
高橋の手に勧誘のチラシがあった。足元を見ると、おろしたての真っ白な上履きを履いていた。『高橋』の名前が油性のマジックで書かれてあり、十メートル先でも認識できるほどの、大きさだった。高橋は櫻井に深々と礼をした。櫻井も、つられて礼をした。
「先生。・・・・野球をやらせていただけないでしょうか。」
自らの決断をカミングアウトすると、高橋は櫻井の顔の前でニコっと笑った。胸のつかえが取れたようだった。
「生徒さんですよね。」
櫻井がつまらない質問をすると、
「今年、還暦ですが、生徒です。」
高橋はまた身体を膠着させた。
「うちの学校には高橋さん、高橋さんでいいんですよね。高橋さんと同じような年齢の方もいらっしゃいます。それに、高校生になったんですから色々なことにチャレンジしてみてください。部活や生徒会の活動を一生懸命やってる年配の方もいらっしゃいますし。・・・もちろん、野球部も大歓迎です。年は関係ないですから。どんどん、積極的に高校生活を満喫してください。」
櫻井はエールを送ろうとした瞬間、調子に乗った佐々木の顔が浮かんだ。
「それに今、部員が足りなくて試合に出られるかどうか心配している状態なので、助かります。」
「そうですか。大丈夫ですか。ありがとうございます。」
また高橋は櫻井に深々と礼をした。
「でも、うちの野球部は。そう、あなたはいつごろ野球をやっていました。」
「いや、私は特別、野球経験があるわけではないのですが、息子が中学・高校とやっていたもので、息子の練習相手でキャッチボールぐらいです。」
「そうですか。でもうちの野球部は息子さんがやっていた野球部とはずいぶん違うと思いますよ。遊びの延長みたいなものですから。ガッカリするかもしれませんよ。まあ、とにかく練習を見に来てください。来週の月曜日にやりますから。学校のグランドにスクーリングが終わったら来てみてください。私が野球部員に高橋さんのこと紹介します。」
「はい。」
高橋は野球少年のように背筋をまた真っ直ぐにした。
「部員の登録もありますので、学籍番号を教えてくれますか。あ、ここに書いてください。」
差し出されたメモ用紙に学生番号と名前を書く高橋は筆圧が強く、角ばった文字であった。職員室のドアの前でまた深々と礼をして高橋は出て行った。
「皆川先生のクラスか。」
メモ用紙を見て後藤は言うと、また、机に腰掛けた。
「あの生徒も大きな決断をして、入学してきたんだよな。俺がずーと前に担任した年配の生徒が言ってた。『入学手続きの前に何回も校門の所から学校を見上げて、よし、今年こそは入るぞ。って誓うのだけど、校門をくぐるのに五年かかった。』って。学校から離れて何年もたつと、学校というところが別世界になってしまうらしい。当然だよな。そんな生徒が勇気を持って決断して入学してくる学校なんだぜ、ここは。そう考えると迎える教員はその勇気に応えなくちゃいけないと思うよな。櫻井さん、そうだろ。」
後藤は、拳で机を叩き、自分自身を鼓舞しているようだった。
*
春、城南高校のグランドは新年度を迎えてもそのコンディションは一向に変化はなかった。強いてあげれば、櫻井がベースの位置に麻布を埋めたことだけだった。選手がベースに乗った途端、動いても地中から伸びたヒゲの上に置けば正確な位置に戻った。
野球部員の規律が心持ち向上したことも嬉しい変化だった。
櫻井が校務の後、部活に顔を出すと、集合の号令がこだまし、やおら選手が集まり櫻井を囲んで『よろしくお願いします。』と時々言うようになった。櫻井のユニフォーム姿も少し、堂に入ってきた。
「高橋さんは?」
ホームベース近くに集合した中に高橋さんが見当たらないので、櫻井は誰ともなく聞いた。
「ボール拾いで植木の中にいます。」
三塁ベースの近くにある丸く刈られたつつじの山がごそごそ揺れた。中から出てきた高橋は蜘蛛の巣を払いながらボールを三つ差し上げた。
「ありました!」
つつじの枝に引っ掛かって帽子がずれたせいで高橋の顔が隠れた。Tシャツから覗く褐色の鍛えられた腕は高校球児ではなかった。建築関係の仕事を長年していると櫻井は後日、聞いた。
「高橋さんはみんなより年上なんだから、ボール拾いはみんなでやりなよ。」
「はい。」
今年入学した藤沢が高橋の所へ走った。最近、通信制では転編入で入学する生徒が多いが、藤沢は中学卒のピカピカの一年生であった。藤沢はいつも身体を揺らしており、いつも動いていた。櫻井は静止したのを見たことがなかった。視点も定まらないこともあった。
『この生徒は何の学習障害なのか。』櫻井はこの一年間で、発達障害や学習障害についての研修を受け、自分でも勉強していたので、この症状は何という障害に当たるのかということばかりがまず気になった。その度に『自分はカウンセラーではない。教師だ。予断を持たずに生徒と向き合おう。しかし、何かしらの障害を持っているとすれば特別視しなければならないのか。』と自問自答した。
「先生、そうじゃなくて監督。『高橋さんは、みんなより大先輩だけど同じ野球部員だ。同じように練習し同じように準備、片付けをやってもらう。』って言ったじゃないですか。」
小河原が隣にいる堀井に気を配りながら進言した。
「そうか。そうだったな。でも、少しでいいから気を遣ってください。」
櫻井は親指と人差し指で○を作った。
「分かったよ。分かりました。」
小河原は携帯を親に捨てられてから気持ち悪いぐらい素直だった。
「先生、じゃなくて監督。」
「どっちでもいいよ。」
「先生、じゃなくて監督。すごいの見つけたぞ。な堀井さん。じゃなくてキャプテン。」
「この前、先生がいない時、見学に来てた子なんですけど。」
そう言うと堀井の顔が曇った。
「先生、あいつが入ったら、鬼に金槌だよ。」
小河原は鬼の首を取ったように誇らしげに訴えた。
「金棒だろ。」
櫻井は冷静に間違いを正した。
「・・・・。」
小河原には理解できなかった。
「もしかして、その生徒。『少年野球のリーグで世界チャンピオンになった。』って言ってたか。前の高校は、どこだっけな。有名な徳島のなんて言ったけ。」
櫻井は腕組みをした。
「池田高校ですか。」
間髪を入れずに堀井が答えた。
「そうそう、池田高校へ野球留学で来てくれって。なんていったかな。有名な監督。」
「蔦監督ですか。」
「そうそう、蔦監督。」
「先生、高校野球、本当に知らないんですね。」
小河原が逆襲した。
「まあ、いいじゃないか。『その蔦監督が、じきじきに来て、是非とも、うちに来てくれって、頭下げられて、行こうと思ったんだけど。親が医者で野球は止めて高校は進学校へ行くようって、泣きつかれたので断念した。』って言ってたか。」
「そうそう。先生も会ったんだ。じゃなくて、先生もお会いしたんですか。」
最近、小河原はとみに櫻井に気を遣うようになった。
「その後がすごいんだ。『高校3年生の時、プロのスカウトが家に来て、ドラフトで指名するから、よろしく頼むって言われたんだけど。親にまだ、野球が諦められないのかって、泣きつかれ、お前を東大の医学部の教授が推薦で是非入れたいといっているから、そっちの方向で考えろって、親が強く言うものだから、二束の草鞋は履けないって悩んじゃって、結局、進学校を中退しなければならなくなったって。』それから『彼女が松浦亜弥で。けん玉でギネスに載ったって。』分けわかんないだろ。」
「だめっすよね。」
堀井は少し、心残りで櫻井に全否定してもらいたくない様子だった。
「でも、本当だったらどうします。俺にはスゲー選手だと見えます。」
小川原は二人の顔を窺いながらも自分のスカウトとしての眼力を自慢した。
「俺も信じちゃった所もあるんだけど。でもな。本人の目つきをよーく見て。分かったよ。あれは、躁鬱病の躁状態なんだと思うよ。」
櫻井は気負う所なく冷静に判断した。
「先生、でも、入部させないと9人になりません。とにかく、試合に出るため、誰でもいいから入部させましょう。」
キャプテンはいつも櫻井よりトータルに野球部のことを考えていた。
「あ。でも。あの子は大変だよ。」
櫻井は下を向いた。自分はいつの間にこんなに心配性になったのか櫻井は通信制で仕事をするようになって変わった一面に気がついた。
「みんなでカバーしますから。」
「あ。」
櫻井は曖昧な返事で決着しようとした。
後日、その生徒はバスケット部に入部した。アメリカのハイスクールでレギュラーだったという触れ込みだった。勿論、自己申告だった。
「キャプテン、また、入部希望かもしれませんよ。」
小川原の視線をみんなで追った。
「どこ?」
「あそこですよ。」
小河原が指をさす方向をみんなで見た。
「ほら、こっちをのぞいてるでしょ。」
「どこ?」
堀井にはわからないようだった。
校庭隅の大木のイチョウの裏に隠れながら、半分だけ顔を出して、こちらを窺っていた。大男はこちらの視線を感じると、また後ろ向きにイチョウの裏に隠れた。大男の割にその仕草は家に大人が訪ねて来て時、怯えながらはにかむ幼児のようであった。
「いたいた。恥ずかしいのかな。おーい。野球部に入りたいの?」
堀井が叫んだ。
「入学式の時いた木偶の坊です。」
小河原が嫌なやつだと言わんばかりに吐き捨てた。
「オガ、知ってんのか」
堀井が聞いた。
「また、隠れたよ。なさけねぇ。あんなにでっかい体しているのに。」
小河原が嫌っていることはみんな承知した。
「オガ。連れてこいよ。」
からかい半分に櫻井は小河原に頼んだ。
「俺が。俺がですか。嫌なんだよな。ああいうデカイの。でも、まあ、いいっすよ。」
小河原はホームベースを手に持つと歩き出した。
「何んでホームベースを持って行くの?」
奇っ怪な振る舞いの多い部員にも慣れたつもりでいた櫻井であったが合点がいかなかった。
「野球部の入部説明書のつもりなんじゃないですか。」
堀井には全てがお見通しのようだ。
「本当かよ。」
軽く疑問を投げかけたが、櫻井は全てを説明できる堀井の見識に恐れ入るばかりであった。
イチョウの木の裏で小川原が交渉していた。堀井が言うとおりベースを指し示し、さかんに何かを説明しているようだった。一方的に小河原がしゃべり、大男は小河原の頭の上で相槌を打っていた。やっと話が終わったように見えたが、今度は大男がホームベースに何か書いているようだった。こちらに二人が向かってきた。ホームベースを白いハンカチのように肩幅のある長身の男は持っていた。前を歩く小河原の頭に徳山の顔が乗っているようだ。長身で色白な細面の男はこちらに近づくにつれ左右をキョロキョロし落ち着かないようだった。
「馬面ですね。でも物見をして集中力がないから、走りませんね。」
競馬好きな轟が予想屋のように見定めた。
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