ナノナイ少女

追憶劇場

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少女が町に降りてから、一週間が経った。
だが、町では舌を失った少女の話しなど聞かない。
一体舌の無い少女はどこへ消えた?
もと奴隷少女の行き先は?
少女は警察署に居た。
「…なあ、そろそろ何か言ってくれよ。」
そう警察官はいった。
「…」
少女は黙って首を傾げた。
さっきからずっとこの調子だ。
「はぁ…こんなことは初めてだ。」
少女が降りてきたのは夢認という大きい町。
少女が来るまでそれほど大きい事件などは起こっていなかった。…まあ、夢認の警察が優秀だということも有るが。
それだけに、少女がどこから来たのか知らなければ行けない。
「なあ、頼むよ。」
再三の警官の訴えに、当然というか何と言うか、少女は本当に分からなそうに首をかしげた。  
神斗かんとさん、ちょっと…」
神斗と呼ばれた警官の部下らしき人が、神斗の近くに来て言った。
「いや、構わない。ここで言ってくれ。」 
「あの…」
部下の報告に、神斗は愕然とした。
「本当にか?本…本当に…誰とも一致しないのか?」
被害届や過去の行方不明者など、洗いざらい探したのだが、少女と同じ特徴を持つ人は居なかった。
「傷だらけの体、髪は黒っぽい茶色、目は片方緑色で、体型は…こんな子供は初めてですよ。」
「う~む…」
神斗は落ちつきなく回りを見回している少女にかける言葉も見つからず、ただ手招きした…
「…?」
やはり、分かっているのか分かっていないのか、おぼつかない足取りで少女は神斗の所に来た。
「…ぁ…?」
「喋った…?」
少女は掠れた声を出した…が…
「言葉…じゃない…か。」
あまりにも言葉を話さないので、流石に怪訝に思った神斗は、喉に異常があるのではないかと思い、病院に連れていったところ…
「この…舌が無いです」
と言われた。
「舌が…無い…? 
じゃあ、今まで喋らなかったのもそのせいか…?」 
「今まで喋らなかった?」
神斗の独り言に、少女を診た医師が訊いた。  
「今まで喋らなかったのは、舌が無いだけではなく、この自身に対する教育にも関係有ると思います。」
「教育ですか?」
「このは、本来中学生のはずです。でもこのの理解力や語彙能力、文字能力などを調べた結果…」
「結果…?」
「全く…見受けられませんでした…」
「…どう言うことですか?」
良く飲み込めずに、神斗が聞き返すと、医師は少し躊躇い、一気に言った。
「あのは恐らく、今まで教育を受けて来ていない…と言うことになります。」
「教育を…」
神斗は、相変わらず落ちつきなく辺りを見回している少女に目を向けた。
「そうなのか…」
神斗は、少女を預かる事にした。
「…?」
神斗が少女を連れていこうとして居るのは、町を見下ろす館。
少女が…出てきたところだ…
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