ナノナイ少女

追憶劇場

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「まあ、少し散らかってるが、入ってくれ。」
神斗は、少女を自分の部屋に迎え入れた。
「…ん…」
少女は素直に従った。
「・・・取り敢えず、座ってくれ。」 
「…」
神斗の指示に、何も言わずに従う少女。
「・・・なあ、名前、本当に無いのか?」
神斗が少女に話し掛けると、少女はビクッとした。
「…?」
「・・・やっぱ、分かんないんだな。」
神斗は、小さくため息をついた…
「…ん、んー?」
その姿を見た少女は、焦ったように神斗の服を引っ張った。
「どうしたんだ?」
その真意が解らず、神斗が困惑している…
「ん~、っ~!」
不安そうに見てくる少女を見て、神斗はこの少女の素性を調べることにした…
「…解らん…」
と言うか名前も解らないのに調べること自体が愚策だ。
「せめて身元さえ解ればな…」
「…ん…」
解っているのか解っていないのか、少女は無表情で頷いている。
「中学生にしては随分大人びているが…」
少女の頭を撫でたら、少し戸惑っている。
「はっ!」
その時、神斗に電流走る!
「色々な所に連れていけば、言葉が解らなくても記憶で解るのでは?」
神斗の謎推理によって、二人は町に出ることにした。
そうと決まれば早速出発。
「…そういえば、前にあの屋敷に行くって言ってたしな。」
二人は幽楽町に繰り出した。
「何時もより人通りが無いな…」
「…」
少女は、人が苦手らしい。人が近付く度に身をすくめた。
「大丈夫。俺が付いてる。」
そう言いながら、少女の頭を撫でた。
「…!」
少女は驚いたように神斗を見上げた。
少女は、自分に向けられる感情を、どう捉えて良いか分からなかった。
でも…
「…」
それは、今まで負の感情しかぶつけられていなかった少女にとっては、とても心地よい感覚だった。
「…どうした?」
神斗が心配そうに少女を見た。頭を撫でられるのも心配されるのも、少女に取っては初めての経験だ。
だから少女は、今世界で一人だけ少女に寄り添ってくれた神斗に、自分の感情を伝えるために…
「…良い笑顔だ。」
ぎこちない、しかし強く気持ちのこもった少女の笑顔を見て、自然と神斗も笑顔になった。
「…♪」
少女は、神斗に寄り添うように、真地を進んだ…
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