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頭部に感じる鈍い痛みに嗚咽が漏れる。
寝起きの視界のもやをかき消すかのように目を瞬き、大きな欠伸を一つ。
だんだんはっきりしてきた感覚は、頭部の痛みを余計に感じさせる。
目に映る景色は空。それ以外に見えるのは木、木、木...森の中のようだ。
そこで俺はあることに気がついた。
ここが何処なのかは勿論、なんでこんな所にいるのかも、過去の一切の情報を思い出すことが出来ない。
ここに来た理由、場所、昨日のこと、自分自身の情報、、、より大きなものを思い出そうとする程に鈍器で殴られたような衝撃と、思い出せないことに対する憤りを覚えるのだ。
「っ...!...っっ......!!!!」
憤りと、何も覚えていない、思い出せないという恐怖に、今迄に無いほどの強大な吐き気に襲われた。だが喉から内容物が溢れ出ることは無く、ヒューヒューと乾いた、情けない音が絶えず漏れ出ていた。
記憶どころか、言葉すらも口に出せない恐怖に気が狂いそうだった。
今一度、ゆっくりと、確かめるように過去の記憶を口に出そうと試みる。
「......っ...」
だが口から出たのは静かに吐き出される息だけであった。
文字通り、「何も出来ない」俺は、頬に伝ってゆく涙を拭うことも出来なかった。
「...んああ...んあぁぁぁ!!あぁあぁああぁ!!!!」
全てに絶望した俺の静寂をかき消したのは、遠くから聞こえる赤ん坊の泣き声だった。
力の入らない体をどうにかもち上げ、木にもたれかかりながらもその泣き声に向かって歩を進める。
「えっ...えっく...んああ...!んあぁぁぁ!!!」
そこにいたのは、一歳にも満たないほどの小さな赤ん坊。
赤ん坊は時折すんすんと小さな鼻をすすり、泣いていた。
周りに人影は無く、ずっとここに一人だと言うことがわかる。
何処から来たのかなんて記憶のない俺に予想できるはずもなく、俺に出来るのは、終始泣いている赤ん坊をあまり力の入らない腕で抱き上げ、あやすことくらいだった。
だがそんな腕ではあやすこともままならず、結局は抱いていることすら辛くなり、地面に座り込んで、赤ん坊を一度地面に寝かせようかとも考えた。
だが、赤ん坊を抱いた手は、接着剤でも付けたかのように赤ん坊から離れなかった。
「んっ...んあぁ...んん...」
赤ん坊がやっと泣き止んだ頃には俺の腕はもうへろへろで、腕の中で眠るそれを落としてしまいそうだった。
だが、そんな状態でも腕は開こうとしない。
この赤ん坊を手放してはいけない、そんな考えが頭中を飛び交い、支配していた。
「んあっ!んあっっ!!」
さっき迄泣き叫んでいた癖に、今はそのやわらかい肌をくしゃくしゃにして笑い転げている。時折俺の髪や皮膚を引っ張る捻じるなどしてくるが、赤ん坊の悪戯に抵抗する気力も体力も今は無かった。
不思議な程に透き通った赤色の目は、吸い寄せられるような魅力があり、栗色の髪は柔らかく、蜂蜜のような甘い匂いがした。
守らなければいけない、そんな理由のない決意が空っぽの頭にに刻み込まれていくのが分かった。
寝起きの視界のもやをかき消すかのように目を瞬き、大きな欠伸を一つ。
だんだんはっきりしてきた感覚は、頭部の痛みを余計に感じさせる。
目に映る景色は空。それ以外に見えるのは木、木、木...森の中のようだ。
そこで俺はあることに気がついた。
ここが何処なのかは勿論、なんでこんな所にいるのかも、過去の一切の情報を思い出すことが出来ない。
ここに来た理由、場所、昨日のこと、自分自身の情報、、、より大きなものを思い出そうとする程に鈍器で殴られたような衝撃と、思い出せないことに対する憤りを覚えるのだ。
「っ...!...っっ......!!!!」
憤りと、何も覚えていない、思い出せないという恐怖に、今迄に無いほどの強大な吐き気に襲われた。だが喉から内容物が溢れ出ることは無く、ヒューヒューと乾いた、情けない音が絶えず漏れ出ていた。
記憶どころか、言葉すらも口に出せない恐怖に気が狂いそうだった。
今一度、ゆっくりと、確かめるように過去の記憶を口に出そうと試みる。
「......っ...」
だが口から出たのは静かに吐き出される息だけであった。
文字通り、「何も出来ない」俺は、頬に伝ってゆく涙を拭うことも出来なかった。
「...んああ...んあぁぁぁ!!あぁあぁああぁ!!!!」
全てに絶望した俺の静寂をかき消したのは、遠くから聞こえる赤ん坊の泣き声だった。
力の入らない体をどうにかもち上げ、木にもたれかかりながらもその泣き声に向かって歩を進める。
「えっ...えっく...んああ...!んあぁぁぁ!!!」
そこにいたのは、一歳にも満たないほどの小さな赤ん坊。
赤ん坊は時折すんすんと小さな鼻をすすり、泣いていた。
周りに人影は無く、ずっとここに一人だと言うことがわかる。
何処から来たのかなんて記憶のない俺に予想できるはずもなく、俺に出来るのは、終始泣いている赤ん坊をあまり力の入らない腕で抱き上げ、あやすことくらいだった。
だがそんな腕ではあやすこともままならず、結局は抱いていることすら辛くなり、地面に座り込んで、赤ん坊を一度地面に寝かせようかとも考えた。
だが、赤ん坊を抱いた手は、接着剤でも付けたかのように赤ん坊から離れなかった。
「んっ...んあぁ...んん...」
赤ん坊がやっと泣き止んだ頃には俺の腕はもうへろへろで、腕の中で眠るそれを落としてしまいそうだった。
だが、そんな状態でも腕は開こうとしない。
この赤ん坊を手放してはいけない、そんな考えが頭中を飛び交い、支配していた。
「んあっ!んあっっ!!」
さっき迄泣き叫んでいた癖に、今はそのやわらかい肌をくしゃくしゃにして笑い転げている。時折俺の髪や皮膚を引っ張る捻じるなどしてくるが、赤ん坊の悪戯に抵抗する気力も体力も今は無かった。
不思議な程に透き通った赤色の目は、吸い寄せられるような魅力があり、栗色の髪は柔らかく、蜂蜜のような甘い匂いがした。
守らなければいけない、そんな理由のない決意が空っぽの頭にに刻み込まれていくのが分かった。
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