秋葉原工作室物語

秋葉原工作室店長

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こじらせ店主はプラモデルを作らないの模型素人の店長は今日も順調にこじらせる!

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「そう言えば、この部屋って言うかお店ってBGMは流してないの?」
「店長はBGMに任せて楽をしちゃだめですだって、主義で店内は基本的に特定の音楽を流さない主義なのに合法的に店内でBGMを流せるように有料の配信サービスには加入してるちゅん!うけるよね。」と言いながら続けて「でもね、店長の方針では私たちはいつも店内に必要なの!」
ちゅんは必ず語尾じゃないんだとか思いながら、いや本当にうけるのはそこじゃなくてなんとなくあの偏屈な店長はまったく……
と思いながら、静かな店内で黙々とプラモを組んでいると、ふと集中もてきてこれはこれで良いかもと思えてきた。
後になって分かった事は、彼女の「私たちは必要なの!」は一応この無音にも意味はあって以前はアニソンや懐メロを店内のお客様に合わせて掛けていたそうだけど、なるべく店内の雰囲気を一定の雰囲気に保ちたいBGMに雰囲気をを任せない店員が雰囲気を作る、誰かにとって居心地がいいアニソンが他の誰かにとっても居心地がいいとは限らないので、店員が店内を見渡してその時店内で必要な雰囲気になる話をしたり黙ったりする。って事らしい、そんなこじれた事を考えても彼女の口から語られる時には店長が作りたいお店だから!でおしまいなのはちょっと面白かった。

プラモを初めて作りだしてみてわかったのだけど、ちょっと面白いかもって思うもちろん完成させて遊びたいって思いが一番強いけど、何気にこれイチパーツイチパーツが組上がるだけでも楽しいかもしれない、この辺りはきっとプラモを沢山組んだことのある人にはもう当たり前の事過ぎて伝わらないかもしれないけど、切り出したパーツ同しを組むときにも方向が違うとはまらないのは当然としてもその方向が一見しては分かりにくい構造になっているのに良く見るときちんとパーツに意味のある溝がついていたり、パーツを切り出した時には大丈夫だと思っていてもちゃんと削って平にしてないときちんとくっつかなかったりする、これを一つクリアしてちょっとした形になる度に結構嬉しかったりする事に気がついた。

彼女と僕のニッパーを切る音とやすりをかける音だけがして、この沈黙が心地よさすら感じていて、"かわいい女の子と二人で作業ができる"とか感じていた自分の不純さを少し恥ながらも顔を上げて彼女の作業をみると、切り出したポイントでは無く面の大きな部分にやすりを掛けている、せっかくしっかりしたパーツの形が台無しにならないのか?と不思議そうに彼女の手元を見ていると「不思議ちゅん?」といたずらな笑顔をこちらに向けたあとに「これは、面出しちゅん」聞いてはならないワードのようでとまどいつつも「面出し?」と聞き返すと、「プラモデルの表面には引けって読んでる線みたいのが入ってる事があるちゅん、だからこれを消してあげるちゅん」と、聞いて「その引けってやつは、もしかしてどこか説明書に書いてあるの?」と疑問を投げ掛けると笑いながら「そんなの書いてあるわけないちゅん」と大笑いをしながら「別にひけがあってもかっこ良くできるからやらなくてもいいいちゅん。ただ一回やっちゃうとやらずにはいられなくなるちゅん(笑)」とさらにいたずらな笑顔を向けてきた、なんなのかその呪いみたいな作業はと思いながらも、そう模型を楽しむのは作ったプラモを鑑賞したり実際に動かして遊んだりするだけじゃなくて、製作過程で自分の満足感を満たすっていうのもあるんだと知った。

もしも、まだプラモデルを作った事のない人がいるなら、是非とも作りたいプラモデルを作って欲しい!とっても楽しいはず、いや楽しさを見いだす事ができるはずだから!
とか、誰に言ってるんだかわからんけどそんな事を思っていたら急激にお腹が空いてきた。
「あのここって飲食はいいのかな?夜ご飯を食べずにきちゃったよ」
「大丈夫ちゅん!工作室は飲食自由にどうぞちゅん、あと二階に食べ放題の駄菓子があるからちょっと摘まむならそれでもいいかもちゅん。」
言われるままに二階におりると、さっきの無愛想なこじらせてる店長が丁度駄菓子の袋に手を入れてうめぇぼうを取り出しているとこだったので、そんなところを見られたばつの悪さもあってか少し愛想よく
「駄菓子食べ放題なので、どうぞ」
と話しかけてきたので聞きたかたっ事を聞いてみた
「店長さんて、どんな作品を作るんですか?」とうめぇぼうを頬張る姿を見せまいと後ろ姿になっている店主になげかけると、一寸間があったので、"しまったこの手の質問は地雷か"とちょっと固唾を飲んでしばしその後ろ姿を前に待っているとさっきまでとうってかわった笑顔で、いや正確には後ろ姿で顔は見えてはないのだけど、見なくても分かる程の笑顔で「僕はプラモデルは作らないんです。いや作れないんですよ、だから店長なんて仕事をしてるんです。」もう今日何度目かの「???」を浮かべてると「うちはお客様がプラモデルや模型を作るスペースなんで、僕は作らないんです作る暇もないですしね」と言うと「初めてのプラモデルはどうですか?楽しいですか?僕は店主としてその雰囲気を作る、秋葉原工作室を作っているんですよ」と下らないフレーズを全力のどや顔で言ったあと「本当はね僕がプラモデルを作ると右手と左手が逆だとかランナー処理がされてないとかまぁとにかく大量の突っ込みが来るぐらい不器用で集中力のないダメ人間なので、お店の名前を貶め無い為にも全力で作らないんですよ」と言うとさっきまでのどや顔を崩して少しだけおどけて「でも、大袈裟かもしれませんが、僕は模型の可能性を信じてて、文字通り人生を掛けるに足ると思ってますよ」と真顔で言うと、「そろそろ、良い時間になってきましたラストスパート頑張って下さいね」と言うと塗装ブースの有る部屋へと消えて行った。

結局なんだかんだ言って、めんどくさい作業には付き合いたくないから模型をやらないそんな店主にちょっとプラモデルが楽しいと感じ初めていて腹立たしさににた感情を抱きながらも、もう21:00過ぎと閉店が迫っていることに驚き、ついさっき18:00ぐらいだったのに時間があっという間に過ぎるんだと自分の集中力を誉めながら駄菓子を手に抱えかんこちゅんの居る六階へと戻った、模型の可能性を口にしながらも模型をやらない店主に怒りににた感情すらいだきながら、早く作りたい完成させたいとの思いを胸にエレベーターのボタンを押した。
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