秋葉原工作室物語

秋葉原工作室店長

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こじらせ店長更に更にこじらせるのまき

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模型をやらない店主にちょっとした怒りをまるで一人前のモデラー然とした思いを感じながら食べ放題の駄菓子を手に持ち、かんこちゅんの待つ六階の部屋へ戻ってきた軽くノックをして部屋に入るとやっぱり彼女は僕を待っているどころか僕が部屋に入ってきたのも気がつかないくらいにプラモに集中していた。
「戦利品(駄菓子)を取ってきたので少し休憩でもしませんか?」と彼女の前にお菓子を広げると、穏和な笑顔を見せながら※ここまでずっと笑顔しかみないけどw
「下に店長はいたちゅん?」
「え??」見透かされたような気がしてビックリしてはっとして言葉につまると
「その納得のいかない顔はきっと店長と話したあとに良くする顔ちゅんw」
「う~ん。なんて言っていいのか分からないけど…」
「大丈夫あれで誰より模型が好きちゅん」と言ったあと小声でかんこちゅんは続けて「自分でも気がついて無いけど」と呟いた
「さぁちょっと休憩したら閉店まであと少しちゅん今日中に仮組ぐらいまで組じゃうちゅん」
そうだった明日から三連休とはいえなんとか明日明後日の2日ぐらいで終わらせて3日目くらいと思ってると
「三連休の最後の日ぐらい彼女さんと過ごさないと」あれ??なんで彼女の事って不思議な顔をしてると
「下に行ってる間、電話がずっと鳴ってたちゅん」
スマホを向きだしにして置いていったので、着信でスマホに名前が出てたのか
「急いで進めるちゅん!の前にちゃんと連絡入れるちゅん」そう言われて彼女に会話アプリで秋葉原工作室という店をみつけてプラモを作り始めたら事と3日目迄にはなんとかするからその埋め合わせはする旨を入れておいた、どう伝えても怒りそうな文章を百面相で四苦八苦しながら入れてから、はっ!やばいこの必死さを見られたかと思って顔を上げると彼女は、下を向きながらパーツにヤスリをかけていた、とりあえず見られてなかったのでほっとすると
「必死ちゅんね(笑)分かってもらえるといいちゅんね」と今度は微笑みではなくいたずらに笑った
「……まぁ分かってくれると思うけど…」と必死にメッセージを入力していた自分をみられているとは思ってなかったので、恥ずかしさから誤魔化すように
「とにかく今日中にできるとこまでやらないと」
「そうね、早く片付けて彼女さんを寂しがらさないようにしないとちゅん」
そんな、別に寂しがったりはしないと思うけど
とりあえず、まずはこれを作ろうとプラモに戻った
胴体と顔を作り終わってもうほぼ仮組が終わったと、まだパーツは沢山ランナーに残ってるけどとりあえず形になりだしたので遊んでいると
「ここからが試練ちゅんよ」
「えっ!」
「左右同じパーツを2つずつ組むちゅん」
「まぁ手足だからね、でも複雑な胴体にくらべれば」
「あとは、武器もつくらなきゃだちゅん」
と彼女の警告はこの後響く事になる
まず手足のような左右で同じパーツは共通のパーツがあったりする、なので左右同時に作って掌やくるぶしから下のパーツのように最後に別々に作る所まで一緒に作るとか、全部終わったーって思ったところから武器や防具を作るのはかなり精神的に辛いとかそんな事を彼女は言っているのだったけど、やっぱり僕にはまだ分かってなかった。
とにかく必死に手を作っている最中にタイムアップ22:45になって
「そろそろ片付けをするちゅん」
「もうそんな時間になるんだ…これは模型って時間泥棒だね」
「でも、初日にここまで出来れば上出来ちゅん」
パーツを全部片付けて、全パーツ切り取ったランナーをゴミ箱に捨てて「これ超気持ちいいね、ランナーからパーツを切り取り終わって捨てるの」と言うと彼女はハイハイとでも言うように微笑んだ。
僕が工具を元の場所に片付けたり、パーツを感慨深げに確認したり、不要になったランナーを廃棄したりしてる間彼女は部屋の掃除やゴミ袋を替えたりして閉店時間を少し回ってしまったけど、部屋を出る際には電気を消してゴミ袋を持って二人でエレベーターに乗り込んだ
「遅い時間まですいません、閉店時間を過ぎちゃって」と言うと
彼女は笑いながら「また一つ拗らせ君(店長)のこだわりがあるけど聞くちゅん?」といたずらに笑いながら言ってこちらが答える前に「工作室の利用時間は超いい加減で、ちょっとやそっと伸びても延長料金はもらってないちゅん」
「ちょっとって5分10分??」
「その辺は何分て決まってないけど30分くらい迄はもらってないちゅん(笑)」
「またこじらせて」
「一応テンチョーは片付けを焦らないで欲しい、忘れ物をしないで欲しいちゅん」「あと、細かい料金の積み重ねが大事なように、細かい追加料金がお客様には気分が悪くなる原因なんだってちゅん(笑)」
そんな会話を重ねながら、エレベーターを降りて二階のレジのある塗装の部屋について、店長に
「あの会計をお願いしたいんですけど?」と訪ねると衝撃の返答が帰って来た
「今日は何時にお越しになられましたか?」
「…………」
フリーズした僕をみてかんこちゅんが
「うちの店ではこれが普通ちゅん(笑)」
「えっと、これだとお客様の」
「そう、自己申告制ちゅん」
なんとなんだって…とは思わないけどこれはなんとも
とりあえず気を取り直して
「確か6時半ぐらいだったと思います、お店に着いたの」と言うと
「じゃあ千円になります。四時間千円なので」とある意味もう30分延長している事を告げて、【うちは延長料金はもらってないので】までがデフォっぽくて、ここは意地でも言うまいと、テンチョーにあてられたような事を考えながらも、千円を支払った。
ちょっと分かってきた事がある、この店はあのこじらせた店長は、どうやら僕が初めてお店を知った時に思った模型製作スペースとは目指す所が違うみたいだ。
その違和感が何なのか、違和感の正体を明かす謎解きはそのあとすぐに行われた

「そろそろ帰りたいと思うけど、今日は秋葉原にこんなスペースが有るって聞いたから来てみたけど、こんな感じなんだ」と店長とかんこちゅんと三人で話しているところに割って入る声に振り替えると、体格のいい男声が、会計を待っていた。
    
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