リセット〜絶対寵愛者〜

まやまや

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第2章〜奴隷編〜

フィリアとフィリオ登場

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目を瞬かせる。
ステージからから立ち去るディオンの後ろ姿をぼんやりと見送った。


「おめでとうございます、ディア様!!後は魔族の双子だけですね!」
「あぁ、うん、」


コクヨウの声に、ディオンを見ていた視線を引き剥がす。
危ない、意識が飛んでいた。
注意しなくては。


「次も、私が競り勝つわ。」
「はい、頑張って下さい、ディア様。」


うぅ、コクヨウの私に向けるきらきらした眼差しが眩しいです。
今日も、絶好調の可愛いらしさだわ。
コクヨウの可愛いらしさにほんわかしながら、次の競りが始まるのを待った。



現時点オークション購入者


名前:アディライト
LV1
性別:女
年齢:16
種族:人族
HP:465/465
MP:240/240
スキル
生活魔法、不幸集来


名前:ディオン
LV1
性別:男
年齢:68
種族:妖精族
HP:460/460
MP:930/930
スキル
生活魔法、風魔法


計2名
支払額、大金貨80枚(800万円)、白金貨100枚(1000万円)




現時点オークション購入候補者


名前:フィリア
LV2
性別:女
年齢:12
種族:魔族
HP:580/580
MP:1120/1120
スキル
生活魔法、気配察知、危険察知、水魔法



名前:フィリオ
LV2
性別:男
年齢:12
種族:魔族
HP:585/585
MP:1130/1130
スキル
生活魔法、気配察知、危険察知、風魔法


計2名




次々と、オークションは進む。
そろそろ今日のオークションも終盤。
私の最後のお目当てであるフィリアとフィリオの2人が出て来ても良いはずなのだが。


「・・・なかなか、魔族の双子が出ませんね、ディア様。」
「そう、だね。」


コクヨウが言う通り、フィリアとフィリオの双子が出てこない。
他の商品などになんの興味の欠片もない私にしたら、待ち時間はとても退屈で仕方がないんだよね?


「うーん、もしかしたら、あの2人は最後に出てくるのかも知れない。」
「・・・、最後、ですか。それだけ2人は注目の奴隷なんですね。」
「まぁ、魔族は人数が減ってしまった種族だもの。2人が畏怖される魔族だと言っても、買い手は多いんじゃないかしら?」


魔族であるフィリアとフィリオの希少価値は妖精族のディオンより高いだろう。
なら、これは私の予想だが今回のオークションでも、主催者側は最後の目玉商品として魔族である2人の事を売り出すのでは無いだろうか?


「ーーーー皆様、長いお時間お疲れ様でした。次が本日最後の商品となります。こちらの双子をご覧下さい。」


その私の予想は当たり、ステージ脇から出て来たフィリアとフィリオの2人。
やはり、今回のオークションのトリを飾るのは2人だったか。


「なっ、本当に魔族の子供?!」
「しかも、双子だぞ!」


商品目録に記載されていたとは言え、魔族である双子の存在を実際に自分の目で見た人達からどよめきが起きる。
その瞳に宿るのは、恐怖と支配欲。
2人に向けられる視線は、とても良い感情に思えない。


「約100年前の魔族との戦いを、覚えていらっしゃる方もいる事でしょう。多くの犠牲が出た対戦の後、魔族はその姿を消しました。しかし、皆様の目の前にいるのは、その数少ない魔族の生き残りである双子です!」


司会者の声に熱がこもる。


「魔族は同じ種族の同輩だけと交配を繰り返し、その血の濃さの為にその容姿はもちろん、潜在能力も高いのが特徴なのです。この双子の魔族の子供は混じり気のない、純血の魔族。今回、お客様達へご紹介するのは、その身体に紛れもなく純血の魔族の血が流れている双子です!」


ぐるりと、司会者が会場内を見渡す。


「目上麗しい双子を観賞用にするも良し、魔族の力を使い、冒険者として一攫千金を狙うのも夢ではないでしょう!双子の処遇は落札されるお客様次第。さぁ、この魔族の双子、白金貨300枚からのスタートです!!」
「白金貨310枚。」
「白金貨330枚。」
「白金貨335枚。」


司会者のコールの後、すかさずフィリアとフィリオ達の落札額が跳ね上がり、みるみるうちに、落札額が白金貨500枚台になる。
間違いなく、2人がこの日の最高落札額を叩き出す事だろう。


「ディア様、あの2人の落札額は高額になりそうですね。また様子を見ですか?」
「そう、ね。また少し落ち着いて来た頃合で私も2人の競りに参加するよ。」


私を見上げるコクヨウに微笑んで、波が落ち着くのを待つ。
続く、フィリアとフィリオの2人の競り。
目の前では、白熱したバトルが繰り広げられている。


「・・凄い、ですね。」


どんどん高額となっていく2人の金額に、ゴクリと固唾を呑むコクヨウ。
普通の人間なら、普段の生活で白金貨など見ないだろう。


「ふふ、この場にいないハビスさんの、満足そうにホクホク顔の嬉しそうな表情が私の目に浮かぶようよ。」


手に汗握るコクヨウに笑う。
ハビスさんは、よく魔族である2人の事を見つけたものだ。


「そう、ですね。あの人なら、ひっそりと誰にも本心など見せずに、自分の心の内だけで喜んでいそうです。」


苦笑するコクヨウ。
どうやら、コクヨウも私と同意見のようだ。


「白金貨730枚!」
「くっ、白金貨732枚!」
「白金貨735枚!」
「ぬう、白金貨738枚!」


白熱した競い合いも、残るは2人だけを残して全員が静観に回った。


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