リセット〜絶対寵愛者〜

まやまや

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第2章〜奴隷編〜

叩き潰します

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固唾を飲んでフィリアとフィリオの2人の落札額が上がるのを見守る観客達。
一体、あの魔族の事を誰が落札するのか?
その落札額は?
誰もが競りの行方を見守る。


「白金貨740枚!」
「・・・・白金貨741枚!」 
「白金貨、な、745枚!」
「白金貨746枚!」


互いに落札を譲らない両者。
フィリアとフィリオ2人の落札額だけが、どんどん上がっていく。


「白金貨750枚!」
「っっ、白金貨753枚だ!」


ーーーーさて、そろそろ良いかな?


「白金貨760枚!」


ついに、フィリアとフィリオの白金貨760枚に落札額が到達する。
今日のオークション、最高額。
観客が歓声を上げる。
オークション会場内の盛り上がりは最高潮。


「ついに、本日のオークション最高額である白金貨760枚が出ました!!他にはいらっしゃいませんか?」
「白金貨770枚。」


ゆるりと、ここで私は手を上げる。
さぁ、ここからは、この私もフィリアとフィリアの2人の高額となった競りに参加です。


「なんと、白金貨770枚です!!他にはいらっしゃいませんか?!」
「っっ、白金貨771枚。」
「白金貨780枚。」
「っっ、な、くぅ、」
「・・・、白金貨781枚だ。」


ついに、フィリアとフィリオの競りに1人が降りたらしい。
悔しそうな呻き声を上げている。
フィリアとフィリオ2人の競りに残る私の敵は、後1人だけ。


「白金貨790枚。」


ここで私は落札額を上げていく。


「っっ、!?・・・、白金貨な、791枚。」
「白金貨800枚。」
「し、白金貨801枚。」
「白金貨810枚。」
「白金貨811枚。」


どんどん上がる2人の落札額。


「白金貨820枚。」
「っっ、な、なら、白金貨821枚。」
「ついに、白金貨821枚です!!他にはいらっしゃいませんか?!」


司会者が声を大きく張り上げる。


「おぉ、821枚。」


凄い。
そこまで2人にお金を出すのね。


「ふっ、」


感心していれば、私に優越感の笑みを浮かべる競り相手。
はてーー


「まさか、その金額で私に勝った気でいるのかな?」


冗談でしょう?
どこの誰が、2人の競りから降りるって言ったのかしら?


「全く、私も舐められたものね。」


とても不愉快だ。
小娘だと思って、私を侮っているの?


「ふふふ。」


極上の笑みを、競り相手に送る。


「!!?」


真っ赤になって、固まる競り相手。
ならーーー


「白金貨1000枚。」


ーーーー徹底的に、その勝ち誇った顔を叩き潰すしかないよね?
2人の購入を邪魔するなら、徹底的に潰す。
この私に、喧嘩を売ったんだし?


「っっ、!?」


言葉もなく固まる競り相手。
こちらをガン見して、口を開け閉めを繰り返す姿はとても滑稽で笑える。
静まり返る会場内。
次の瞬間には、会場内に盛大などよめきが起こった。


「っっ、っっ、なんと、驚きです!白金貨1000枚が出ました!!他にはいらっしゃいませんか?!いかがでしょう?」


司会者がぐるりと会場内を見渡す。
競り相手は悔しそうに沈黙を続けたまま、その手を上げる事はない。
勝負あったかな?


「他にはどなたもいらっしゃいませんね!?では、魔族の双子は白金貨1000枚であちらのお客様が落札です!!」


わっと湧く、会場内。
そこかしこから私へ拍手が鳴り響く。


「皆様、本日は長い時間を私どもが主催したオークションにご参加いただき誠にありがとうございました。これにて、本日のオークションは閉会させていただきます。商品をご購入されましたお客様は、係員と共に小部屋へと移動し、お支払いをお願いいたします。」


頭を下げる司会者。
これで全ての競りが終わったらしい。


「・・・ふう、無事に全てのオークションが終わったわね、コクヨウ。」
「はい、お疲れ様でした、ディア様。」
「ふふ、コクヨウもお疲れ様。ありがとうね?」


可愛いコクヨウが私の隣にいてくれたから、すごく癒されたよ。
私のオアシスだわ。


「・・・?え、ディア様、僕はお礼を言われるような事は何もしてませんよ?」
「コクヨウが私の隣にいてくれるだけで、すごく心強かったんだよ?だから、ありがとう。」
「っっ、はい、ディア様。」


ほんのりと頬を染めたコクヨウがはにかむ。
うん、うん。
はにかむコクヨウも可愛いねぇ。
可愛いは正義だわ。


「さて、皆んなに支払いを済ませて宿に帰ろうか?今日は疲れたし、ここに長居したら良くないだろうしね?」
「・・・・そう、ですね。ここにはが多いようなので、そうした方が良いかもしれません。」


コクヨウがちらりと周囲に視線を送る。
主に、こちらに強い敵意を持つ人達に対して、だけだけど。


「私に競り負けたのが、そんなに悔しいのかな?」
「そうなのでしょうね。全く、僕の大切なディア様に対して敵意を向けるなんて、それだけで万死に値します。」


コクヨウが冷たく吐き捨てた。


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