種子生成で変わる世界

そごね

文字の大きさ
13 / 23

狙われた女王と樹上の花畑

しおりを挟む
 目を覚ますと宙に浮いている私が進化した世界樹の種がある。
 淡く発光しているので、私がキノコになった影響なんだろうなって思っている。
 私は樹頭から降りるとお付のエルフがにこやかに「おはようございます」と迎えてくれた。
 ママが作ってくれた朝ごはんを食べて、出かけようとしたら声をかけられた。


「ジュキ様!髪をゆいますので!こちらにおかけください。」


 体の大きさは変わってないのにキノコになってから新たに作られた刺繍入りの天女のような美しい服を着ることが多い。

 なので、みんな私を神聖視している。
 私は何も変わらないのにね?

 そば付きのエルフは私がキノコになってから着くようになった。
 2000年以上生きている彼女は長老の次に古いエルフで私にとっては近寄り難い人だと思ったのだが、そんなことはなくてとっても優しいおばあちゃんみたいな人だ。

 掃除、洗濯、食事以外の仕事がある時は仕事をしてくれているんだけど、仕事がない時は私の護衛という事で護ってくれている。

 ちなみに私の母は800歳ほどだ。

 この村で変わったことはエルフの移民が増えたこと。
 そして村ではなく国として周りの国に認められることになったこと。
 エルフの国は3個目らしい。
 私の知らないところで…。

 私の寝ている間ご飯はあったのかと聞いたら、じゃがいもが地面から生えたり、今までに見た時ない不思議な木の実の木が生えてきたり、飢える事はしなかったと言う。
 あー果物植えておいてよかったわ!
 じゃがいもが生えてきたのは、小さい芋や傷着いた芋を捨ててたから生えたんだな。
 食料が尽きたところで私が目を覚まして皆で安堵していたそう。


「もしかしたら他の国に攻められるかもしれません。他の国では食料難が加速していますから…。」

「そうなの?」

「ええ。あなたが狙われることが多くなると思われます。本当に気をつけてくださいね?」

「わかったよ!」


 お付の人はエアロに私を引き渡した。
 エアロにその話を聞いたら、お付の人より詳しかった。
 隣国ではここの植物を食べる習慣を見習って、奴隷達に生えている植物を片っ端から食べさせたのだそう。
 もちろん食べれる植物なんてひとつもなくて、多くの奴隷が死んでしまったらしい。
 軍事侵攻を始めようとしたところに私が間違えて世界樹を作ってしまって、あっという間にエルフの国ができて下手に攻め込めなくなってしまったと言ったところらしい。


「けど私この世界樹の根から外に出ると多分世界樹の樹頭に戻されると思うんだよね。」

「え、そうなんですか?」

「うん。」

「…じゃあ連れさらわれても一応は安全ってことですね!」

「ぇ、守ってくれないの?」

「何かあったときの為です!」


 そんなこんなを話しているうちにとある魔物を見つけた。
 蜂の魔物だ。
 怪我をしているのがわかる。
 抱き抱えると羽を小さく震わせるだけで弱々しい。

 世界樹に連れて帰ることにした。
 あ、ちなみに世界樹は私の家みたいなものだ。
 心の中で「樹頭」と念じれば「樹頭」までワープもできる。
 本当に便利になったよね。

 
「大丈夫?」


 私は桃をすり潰して蜂の口に当てるとちょっとずつだけど飲んでくれたことがわかった。
 私は彼女に元気になって欲しくて世界樹の枝に花を植えることにした。
 私が思いつく花なんてたかがしれている。

 ラベンダー カモミール ローズマリー バジル ルッコラ オレガノ タイム 

 あれ?全部ハーブじゃん。
 ぱっと思いついたのは芝桜だ。
 世界樹の枝にある分厚い苔に種を植え込んでいき祝福をかける。
 
 樹頭に戻って蜂の魔物の様子を見て、まだぐったりしているので口元に桃の果汁を持っていくとまたパクパクと食べる。
 食べなくなったら、またぐったりとしているので、籠にタオルを敷いて寝かしてあげる。

 はちみつと言ったら…アカシアとか桜か?アカシアって…木だよね?気を木の上にって…難しそうだな?
 物は試しで植えてみるか…
 とりあえず、分厚い苔の部分にアカシアの種を何本か植えてみる。
 桜…さくらかぁ…芝桜なら生えるかも?芝桜の種を苔に植えて行く。
 あと蜂と言えばいちごか?こちらも適当な感覚で植えていく。
 

 次の日になり昼頃に起きたら蜂の魔物がいなくなっていた。
 そう言えばと思ってハーブ園を見たらちゃんとハーブが生えているようでしかも花まで生えている。
 芝桜も満開の桜のようにピンク色に世界樹の枝が染っている。
 いちごもところどころ赤い実がついているのでケン達におすそ分けをしに行こう。
 1番驚きなのはアカシアの木がツル状に変化して枝に巻きついて黄色く色づいていた事だ。


 アカシアの木の影からバスケットボールくらいの影が見えたので元気になって、アカシアの蜜を吸っているのだろうと思った。
 この子が、私が樹頭と読んでいる場所のちょうど真上20m程上に大きな巣を作り始めたのだが今は元気になったことを喜ぼうと思う。

 

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

ねえ、今どんな気持ち?

かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた 彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。 でも、あなたは真実を知らないみたいね ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

私は逃げ出すことにした

頭フェアリータイプ
ファンタジー
天涯孤独の身の上の少女は嫌いな男から逃げ出した。

悪役令嬢の去った後、残された物は

たぬまる
恋愛
公爵令嬢シルビアが誕生パーティーで断罪され追放される。 シルビアは喜び去って行き 残された者達に不幸が降り注ぐ 気分転換に短編を書いてみました。

私と母のサバイバル

だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。 しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。 希望を諦めず森を進もう。 そう決意するシェリーに異変が起きた。 「私、別世界の前世があるみたい」 前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?

処理中です...