59 / 125
59話 ビアンカがいなくなった!
しおりを挟む
「ビアンカがいなくなった?」
学校では突然の失踪に騒ついた。
池で溺れた猫を助けるためビアンカが池に飛び込んだと報告が入った。
男性が助け出し医務室へ運んだはず……なのに医務室にはビアンカの姿はなかった。
フェリックスは「探せ」と数人の護衛に命令した。
学校では基本、護衛はつけてはならないことになっていた。たとえ元王族とはいえフェリックスはオリソン国では公爵令息でしかない。
ただいざという時に配備はされている。
ビアンカがいなくなった。常に護衛をつけ目を光らせていたのだが学校には学校の護衛達が配備されているため、安心していたのは確かだった。
簡単に敷地内には入ってこれないはずだった。
嫌な予感がする。
フェリックス自身はすぐに門へ駆け出した。
門番に怪しい馬車が通ったか聞いたがもちろんそんな馬車は通らない。
もしかしたら裏門から、業者が?
そう思い学校で出入りしている業者を調べるように頼む。
自らも裏門へ回り、門番に話を聞いたら何台もの馬車の出入りがあったと話した。
食堂があるため食材の運搬や備品の搬入、業者の打ち合わせなど裏門は頻繁に出入りをしているが必ず許可証を発行されていていつ誰が通ったか全て記帳されていた。
ビアンカの友達のミーシャ達は猫を助けるために人を呼びに行っている間に起こった失踪に呆然としていた。
「え?ビアンカがいない?」
「どこに行ったの?」
「探さなきゃ!」
ミーシャはオリエに少しだけ話を聞いてはいた。
ビアンカは継母にもしかしたら狙われているかもしれない。だから常に護衛がいて彼女を見守っていると。ただ、学校内はしっかりと巡回されているし警備員も配置されていて安心できるだろうとのことだった。
「わ、わたしがしっかりビアンカのそばにいてあげればこんなことにならなかったのに……」
ビアンカの失踪の報告を聞いたオリエ達も学校へ駆けつけていた。
「ミーシャ、悪いのはビアンカを連れ去った犯人よ。貴女達のせいではないわ」
オリエもフェリックス達と合流して捜索を始めた。まだ犯人は断定できないが、男が連れ去ったこと、そのそばに女性がいたとの証言をとっていた。
その女性の容姿からミラー伯爵夫人だろうと思われた。
オリソン国での手がかりはなく、継母が何処にいるのか掴めないままいた。
父である公爵が捕まり、娘な継母は一人大金を隠し持って逃げ出した。
彼女の性格を考えればビアンカを今もなお逆恨みして狙うだろうと考えられ常に護衛をつけていた。
なのに安全だと思われていた学校に忍び込みビアンカを連れ去った。
「絶対に見つけ出す」
フェリックスは馬車の行方を追った。
怪しい業者を見つけ出すのに手間取っている間に………
✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎
ミラー伯爵は妻であるビアンカの継母、セシリナの行方を追ってオリソン国へとやってきていた。
離縁はまだしていないが、彼女を守るためではない。
殺されたアーシャ、虐待され続けたビアンカへの贖罪は自分も同じ罰を受けることだと思っていた。
だからこそ離縁せずにミラー伯爵家の妻としてセシリナの罪を問うつもりだ。
夫である自分も、妻を見逃し続けた罪を償うつもりだった。
再婚した時に愛などなかった。
公爵家に脅され、無理やり再婚させられた。
『残された娘が可愛くないのか?大切ではないのか?君の妻のようになるかもしれないぞ』
カルソン公爵の言葉は、ミラー伯爵を脅すには効果的だった。
そしてもしかしてアーシャは殺されたのでは?との考えが消えることはなかった。
事故死で証拠などない。もしあったとしても公爵家が証拠など簡単に消し去るだろう。
継母のセシリナのビアンカへの態度は冷たく鞭を打つことも知っていた。
『ビアンカなど放っておけばいい。もうあんな娘のことなどどうでもいいのだから』
娘への関心はなく冷たい態度をとった。再婚した妻をとても大切にした。
愛してもいないセシリナに愛を囁き、キスをして彼女を抱く。
心の中ではアーシャにすまないと謝りながら。
助けを求める娘の目から顔を背け、冷たい目で娘を見ていた。
それが唯一、ビアンカの命を守り助けるのだと信じて。
そしてアーシャと仲の良かったクーパー侯爵家がビアアンカを助けると名乗り出てくれた。
セシリナには邪魔な娘を家から追い出すためだと説明した。
セシリナは喜んでビアンカを追い出した。
こうしてビアンカはダイガットに嫁いだ。まだ15歳と言う若さで嫁いだ。
もちろん実際は籍は入れていない。形だけの結婚でいずれはカルソン公爵家の手前、ビアンカを白い結婚で屋敷から追い出す予定だった。アーシャの実家のオリソン国へ逃す予定だった。
本当はすぐにでもオリソン国へビアンカを逃せばよかったのだとわかっていた。
それでも、アーシャの面影の残るビアンカを手放すことができなかった。本当はとても娘を愛していた。とても大切な娘だった。
あとはセシリナ達の犯罪を証明するだけ。それができなければカルソン公爵とセシリナを殺して自分も死ぬつもりでいた。
なんとかカルソン公爵を捕えることができた。あとは妻であるセシリナを捕まえるだけなのにしぶとく逃げ回った。
やっとオリソン国にいるセシリナの居場所を見つけ出した。逃げ出されては困る。人を集め、ビアンカに害を及ぼす前に捕えようと向かった。
そして向かった先で見たのは傷だらけで今にも死にそうなほどぐったりとしているビアンカの姿だった。
ビアンカは男に抱えられ小さな屋敷へと運ばれて行った。
そこには嗤いながら歩くセシリナがいた。
「……ビアンカ……」
学校では突然の失踪に騒ついた。
池で溺れた猫を助けるためビアンカが池に飛び込んだと報告が入った。
男性が助け出し医務室へ運んだはず……なのに医務室にはビアンカの姿はなかった。
フェリックスは「探せ」と数人の護衛に命令した。
学校では基本、護衛はつけてはならないことになっていた。たとえ元王族とはいえフェリックスはオリソン国では公爵令息でしかない。
ただいざという時に配備はされている。
ビアンカがいなくなった。常に護衛をつけ目を光らせていたのだが学校には学校の護衛達が配備されているため、安心していたのは確かだった。
簡単に敷地内には入ってこれないはずだった。
嫌な予感がする。
フェリックス自身はすぐに門へ駆け出した。
門番に怪しい馬車が通ったか聞いたがもちろんそんな馬車は通らない。
もしかしたら裏門から、業者が?
そう思い学校で出入りしている業者を調べるように頼む。
自らも裏門へ回り、門番に話を聞いたら何台もの馬車の出入りがあったと話した。
食堂があるため食材の運搬や備品の搬入、業者の打ち合わせなど裏門は頻繁に出入りをしているが必ず許可証を発行されていていつ誰が通ったか全て記帳されていた。
ビアンカの友達のミーシャ達は猫を助けるために人を呼びに行っている間に起こった失踪に呆然としていた。
「え?ビアンカがいない?」
「どこに行ったの?」
「探さなきゃ!」
ミーシャはオリエに少しだけ話を聞いてはいた。
ビアンカは継母にもしかしたら狙われているかもしれない。だから常に護衛がいて彼女を見守っていると。ただ、学校内はしっかりと巡回されているし警備員も配置されていて安心できるだろうとのことだった。
「わ、わたしがしっかりビアンカのそばにいてあげればこんなことにならなかったのに……」
ビアンカの失踪の報告を聞いたオリエ達も学校へ駆けつけていた。
「ミーシャ、悪いのはビアンカを連れ去った犯人よ。貴女達のせいではないわ」
オリエもフェリックス達と合流して捜索を始めた。まだ犯人は断定できないが、男が連れ去ったこと、そのそばに女性がいたとの証言をとっていた。
その女性の容姿からミラー伯爵夫人だろうと思われた。
オリソン国での手がかりはなく、継母が何処にいるのか掴めないままいた。
父である公爵が捕まり、娘な継母は一人大金を隠し持って逃げ出した。
彼女の性格を考えればビアンカを今もなお逆恨みして狙うだろうと考えられ常に護衛をつけていた。
なのに安全だと思われていた学校に忍び込みビアンカを連れ去った。
「絶対に見つけ出す」
フェリックスは馬車の行方を追った。
怪しい業者を見つけ出すのに手間取っている間に………
✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎
ミラー伯爵は妻であるビアンカの継母、セシリナの行方を追ってオリソン国へとやってきていた。
離縁はまだしていないが、彼女を守るためではない。
殺されたアーシャ、虐待され続けたビアンカへの贖罪は自分も同じ罰を受けることだと思っていた。
だからこそ離縁せずにミラー伯爵家の妻としてセシリナの罪を問うつもりだ。
夫である自分も、妻を見逃し続けた罪を償うつもりだった。
再婚した時に愛などなかった。
公爵家に脅され、無理やり再婚させられた。
『残された娘が可愛くないのか?大切ではないのか?君の妻のようになるかもしれないぞ』
カルソン公爵の言葉は、ミラー伯爵を脅すには効果的だった。
そしてもしかしてアーシャは殺されたのでは?との考えが消えることはなかった。
事故死で証拠などない。もしあったとしても公爵家が証拠など簡単に消し去るだろう。
継母のセシリナのビアンカへの態度は冷たく鞭を打つことも知っていた。
『ビアンカなど放っておけばいい。もうあんな娘のことなどどうでもいいのだから』
娘への関心はなく冷たい態度をとった。再婚した妻をとても大切にした。
愛してもいないセシリナに愛を囁き、キスをして彼女を抱く。
心の中ではアーシャにすまないと謝りながら。
助けを求める娘の目から顔を背け、冷たい目で娘を見ていた。
それが唯一、ビアンカの命を守り助けるのだと信じて。
そしてアーシャと仲の良かったクーパー侯爵家がビアアンカを助けると名乗り出てくれた。
セシリナには邪魔な娘を家から追い出すためだと説明した。
セシリナは喜んでビアンカを追い出した。
こうしてビアンカはダイガットに嫁いだ。まだ15歳と言う若さで嫁いだ。
もちろん実際は籍は入れていない。形だけの結婚でいずれはカルソン公爵家の手前、ビアンカを白い結婚で屋敷から追い出す予定だった。アーシャの実家のオリソン国へ逃す予定だった。
本当はすぐにでもオリソン国へビアンカを逃せばよかったのだとわかっていた。
それでも、アーシャの面影の残るビアンカを手放すことができなかった。本当はとても娘を愛していた。とても大切な娘だった。
あとはセシリナ達の犯罪を証明するだけ。それができなければカルソン公爵とセシリナを殺して自分も死ぬつもりでいた。
なんとかカルソン公爵を捕えることができた。あとは妻であるセシリナを捕まえるだけなのにしぶとく逃げ回った。
やっとオリソン国にいるセシリナの居場所を見つけ出した。逃げ出されては困る。人を集め、ビアンカに害を及ぼす前に捕えようと向かった。
そして向かった先で見たのは傷だらけで今にも死にそうなほどぐったりとしているビアンカの姿だった。
ビアンカは男に抱えられ小さな屋敷へと運ばれて行った。
そこには嗤いながら歩くセシリナがいた。
「……ビアンカ……」
2,098
あなたにおすすめの小説
僕は君を思うと吐き気がする
月山 歩
恋愛
貧乏侯爵家だった私は、お金持ちの夫が亡くなると、次はその弟をあてがわれた。私は、母の生活の支援もしてもらいたいから、拒否できない。今度こそ、新しい夫に愛されてみたいけど、彼は、私を思うと吐き気がするそうです。再び白い結婚が始まった。
愛なんか消えてしまえと願う私は悪くないと思う
ましろ
恋愛
「赤ちゃんができたの」
母の言葉に目眩がした。
我が家の両親は恋愛結婚。身分差から駆け落ち同然で一緒になった二人は未だにその愛は消えず、燃え上がり続けているのだからある意味凄いわ。
でもね? どうしてそんなにも子どもを作ってしまうの⁉
私を入れて子どもは七人。お父さんの給料ではお手伝いさんなんか雇えるわけもなく、おっとりしたお嬢様気質の抜けないお母さんだけで家事育児などできるはずもなく。
そうなると働き手は長女の私だ。
ずっと小さな頃から弟妹のお世話と家事に明け暮れ、それなのにまだ産むと言うの?
「……ねえ、お母さんにとって子どもって何?」
「うふふ。それはね、愛の結晶よ」
愛。愛って何? 私はあなたの愛のために働き詰めなのですけど?
自分達の手に余るなら、そんなモノなど捨ててしまえっ!
❦R-15は保険です。
連載中のものが止まったままのくせに!とは言わないで(泣)
現在、作業中のものがなかなか終わらなくて息抜きのための不定期連載です。
(完)妹の子供を養女にしたら・・・・・・
青空一夏
恋愛
私はダーシー・オークリー女伯爵。愛する夫との間に子供はいない。なんとかできるように努力はしてきたがどうやら私の身体に原因があるようだった。
「養女を迎えようと思うわ・・・・・・」
私の言葉に夫は私の妹のアイリスのお腹の子どもがいいと言う。私達はその産まれてきた子供を養女に迎えたが・・・・・・
異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定。ざまぁ。魔獣がいる世界。
誓いを忘れた騎士へ ―私は誰かの花嫁になる
吉乃
恋愛
「帰ってきたら、結婚してくれる?」
――あの日の誓いを胸に、私は待ち続けた。
最初の三年間は幸せだった。
けれど、騎士の務めに赴いた彼は、やがて音信不通となり――
気づけば七年の歳月が流れていた。
二十七歳になった私は、もう結婚をしなければならない。
未来を選ぶ年齢。
だから、別の男性との婚姻を受け入れると決めたのに……。
結婚式を目前にした夜。
失われたはずの声が、突然私の心を打ち砕く。
「……リリアナ。迎えに来た」
七年の沈黙を破って現れた騎士。
赦せるのか、それとも拒むのか。
揺れる心が最後に選ぶのは――
かつての誓いか、それとも新しい愛か。
お知らせ
※すみません、PCの不調で更新が出来なくなってしまいました。
直り次第すぐに更新を再開しますので、少しだけお待ちいただければ幸いです。
王様の恥かきっ娘
青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。
本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。
孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます
物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります
これもショートショートで書く予定です。
【完結】純白のウェディングドレスは二度赤く染まる
春野オカリナ
恋愛
初夏の日差しが強くなる頃、王都の書店では、ある一冊の本がずらりと並んでいた。
それは、半年前の雪の降る寒い季節に死刑となった一人の囚人の手記を本にまとめたものだった。
囚人の名は『イエニー・フラウ』
彼女は稀代の悪女として知らぬ者のいない程、有名になっていた。
その彼女の手記とあって、本は飛ぶように売れたのだ。
しかし、その内容はとても悪女のものではなかった。
人々は彼女に同情し、彼女が鉄槌を下した夫とその愛人こそが裁きを受けるべきだったと憤りを感じていた。
その手記の内容とは…
始まりはよくある婚約破棄のように
喜楽直人
恋愛
「ミリア・ファネス公爵令嬢! 婚約者として10年も長きに渡り傍にいたが、もう我慢ならない! 父上に何度も相談した。母上からも考え直せと言われた。しかし、僕はもう決めたんだ。ミリア、キミとの婚約は今日で終わりだ!」
学園の卒業パーティで、第二王子がその婚約者の名前を呼んで叫び、周囲は固唾を呑んでその成り行きを見守った。
ポンコツ王子から一方的な溺愛を受ける真面目令嬢が涙目になりながらも立ち向い、けれども少しずつ絆されていくお話。
第一章「婚約者編」
第二章「お見合い編(過去)」
第三章「結婚編」
第四章「出産・育児編」
第五章「ミリアの知らないオレファンの過去編」連載開始
ガネット・フォルンは愛されたい
アズやっこ
恋愛
私はガネット・フォルンと申します。
子供も産めない役立たずの私は愛しておりました元旦那様の嫁を他の方へお譲りし、友との約束の為、辺境へ侍女としてやって参りました。
元旦那様と離縁し、傷物になった私が一人で生きていく為には侍女になるしかありませんでした。
それでも時々思うのです。私も愛されたかったと。私だけを愛してくれる男性が現れる事を夢に見るのです。
私も誰かに一途に愛されたかった。
❈ 旦那様に愛されなかった滑稽な妻です。の作品のガネットの話です。
❈ ガネットにも幸せを…と、作者の自己満足作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる