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豊穣祭。⑤
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『お父様、アイシャちゃんは生きることを望んでいないみたい』
『ああ、そうだな、いくら癒しの力があっても本人に生きる希望がなければ助けることはできない』
『あの子の育った環境を考えればいっそ死んだ方がいいのではないかしら?』
『リサ、何を考えている?』
カイザは娘の言葉に不信感を抱いた。自分たちは医師であり魔術師でもある。人の命を助けるのが仕事なのだ。
『以前からずっと研究していた『転生』あれをアイシャちゃんにどうかと思って』
『まだ未完成の魔法だ。動物にしか実験を行っていないし、成功したことはないだろう?』
『ええ、でも、あの純粋な綺麗な魂。あの子なら成功する気がするの……それにあんな親や身内じゃ、ろくに幸せになれないわ。それならいっそ死んでもう一度生まれ変わって幸せになるのもいいんじゃないかしら?』
『…………リサ、研究を先急ぐな。やめておけ。』
『別に何かするわけじゃないわ。生きたくないなら死ぬのもひとつかと思っただけよ』
リサは口を尖らせ少し不満な顔をしたがそれ以上何もカイザに言わなかった。
✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎
『ねぇ、あなた。エマさんの家の護衛をしているのよね?』
リサは冷たい瞳を護衛に向けた。
そして………
『アイシャのいる部屋はわかるでしょう?裏から回って火をつけなさい』
リサは護衛に魔法をかけた。
リサの命令を聞くように。
そして火をつけたあと護衛はその時の記憶は消えてしまい、いつものように護衛の仕事に戻った。
アイシャが逃げられなくなって、必死で火を消そうとした人々のなかに護衛もいた。
自分が火をつけたなど全く知らずに。
リサは燃え盛る炎を見て嗤った。
死にそうなくせに、また生きる希望を持とうとするからよ。
さっさと死んでくれれば、『アイシャちゃんのために』と言い訳して転生の魔法をかけられたのに。
あの若くて綺麗なアイシャの純粋な魂は喉から手が出るほど欲しい。
殺人は犯したくはないけど、リサ自身が癒しの魔法を使わなければアイシャはどのみち死んでいくしかない。
もうすぐ帰国が迫っていた。
帰ってしまえば、アイシャは助からない。でも本人からの手術の希望はいまだにこない。
手術はそろそろ間に合わなくなる。どうせ死ぬのならば自分が少し手を加えてもいいだろう。
そう判断したリサ。
カイザはまさか娘が魔法を使い護衛に火を起こさせたなど知る由もない。
アイシャの綺麗な魂はこっそりリサが王城内のリサ達が寝泊まりしている客室に持ち帰った。
そして、『転生』の魔法をかけられたアイシャの魂。
いつ、どこで生まれ変わるのかはわからない。
でもアイシャの周りの人々の近くで生まれ変わることはわかっていた。
彼女の魂は遠くにまで行かない。
カイザは『アイシャ嬢の転生を行ったのか?』とリサに尋ねた。
『だって亡くなってしまったんだもの。あの子の命をこのまま終わらせるのも可哀想よ。多分数年後彼女の魂に引き寄せられて私達も会うことができるはずだわ』
『……幸せな家庭に生まれ変わっていたらいいが』
カイザは娘がアイシャを殺したことなど知らなかった。
だから、『転生』が成功して、アイシャが次は温かい家庭に生まれてくることを祈った。
そして、キリアンが留学してきてカイザとリサに教えを乞うことになった。
キリアンと接するうち、妹のカレンがアイシャの生まれ変わりだと気がついた。
カイザは『転生』の魔法が成功し、カレンが今幸せに暮らしていることをただ嬉しく思った。
リサは、彼女がどこまで記憶を持っているのか、今のカレンの状態がどんな感じなのか、とても興味が湧いた。
いつかどこかでアイシャの生まれ変わりが生まれてくるはず。
でもそれがすぐなのか、数年後なのかはわからなかった。
まさかあのエマの娘として生まれてくるなんて。
リサはエマのことはとても気に入っていた。さっぱりとした性格で意志の強さを持つ女性。
知り合ったばかりのアイシャに同情し、大切にしていたエマ達家族を心良く感じていた。
そして今回キリアンと共にカレンに会いに訪れる機会を手に入れた。
ついでにエマのことも助けてあげるのはリサの気まぐれでもあった。
それにキリアンは素直で魔法使いとしても有望。
エマの病気の治し方をキリアンに教えようと考えていた。
エマの治療を終えて王都でしばらく過ごした。
そして今また辺境地へと戻ってきたカイザとリサ。
リサはしばらくこの土地でカレンの様子を見る予定にしていた。
リサはカイザと別行動で豊穣祭に足を運んでいた。
そしてカレンがローゼに連れ去られるのをたまたま見て後を追った。
ーーわたしの研究材料を攫うなんて!許せないわ!
でも面白いことになりそうだわ。
リサは楽しいことが大好きで、今のこの状況がこれからとても楽しくなりそうだとワクワクしていた。
『ああ、そうだな、いくら癒しの力があっても本人に生きる希望がなければ助けることはできない』
『あの子の育った環境を考えればいっそ死んだ方がいいのではないかしら?』
『リサ、何を考えている?』
カイザは娘の言葉に不信感を抱いた。自分たちは医師であり魔術師でもある。人の命を助けるのが仕事なのだ。
『以前からずっと研究していた『転生』あれをアイシャちゃんにどうかと思って』
『まだ未完成の魔法だ。動物にしか実験を行っていないし、成功したことはないだろう?』
『ええ、でも、あの純粋な綺麗な魂。あの子なら成功する気がするの……それにあんな親や身内じゃ、ろくに幸せになれないわ。それならいっそ死んでもう一度生まれ変わって幸せになるのもいいんじゃないかしら?』
『…………リサ、研究を先急ぐな。やめておけ。』
『別に何かするわけじゃないわ。生きたくないなら死ぬのもひとつかと思っただけよ』
リサは口を尖らせ少し不満な顔をしたがそれ以上何もカイザに言わなかった。
✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎
『ねぇ、あなた。エマさんの家の護衛をしているのよね?』
リサは冷たい瞳を護衛に向けた。
そして………
『アイシャのいる部屋はわかるでしょう?裏から回って火をつけなさい』
リサは護衛に魔法をかけた。
リサの命令を聞くように。
そして火をつけたあと護衛はその時の記憶は消えてしまい、いつものように護衛の仕事に戻った。
アイシャが逃げられなくなって、必死で火を消そうとした人々のなかに護衛もいた。
自分が火をつけたなど全く知らずに。
リサは燃え盛る炎を見て嗤った。
死にそうなくせに、また生きる希望を持とうとするからよ。
さっさと死んでくれれば、『アイシャちゃんのために』と言い訳して転生の魔法をかけられたのに。
あの若くて綺麗なアイシャの純粋な魂は喉から手が出るほど欲しい。
殺人は犯したくはないけど、リサ自身が癒しの魔法を使わなければアイシャはどのみち死んでいくしかない。
もうすぐ帰国が迫っていた。
帰ってしまえば、アイシャは助からない。でも本人からの手術の希望はいまだにこない。
手術はそろそろ間に合わなくなる。どうせ死ぬのならば自分が少し手を加えてもいいだろう。
そう判断したリサ。
カイザはまさか娘が魔法を使い護衛に火を起こさせたなど知る由もない。
アイシャの綺麗な魂はこっそりリサが王城内のリサ達が寝泊まりしている客室に持ち帰った。
そして、『転生』の魔法をかけられたアイシャの魂。
いつ、どこで生まれ変わるのかはわからない。
でもアイシャの周りの人々の近くで生まれ変わることはわかっていた。
彼女の魂は遠くにまで行かない。
カイザは『アイシャ嬢の転生を行ったのか?』とリサに尋ねた。
『だって亡くなってしまったんだもの。あの子の命をこのまま終わらせるのも可哀想よ。多分数年後彼女の魂に引き寄せられて私達も会うことができるはずだわ』
『……幸せな家庭に生まれ変わっていたらいいが』
カイザは娘がアイシャを殺したことなど知らなかった。
だから、『転生』が成功して、アイシャが次は温かい家庭に生まれてくることを祈った。
そして、キリアンが留学してきてカイザとリサに教えを乞うことになった。
キリアンと接するうち、妹のカレンがアイシャの生まれ変わりだと気がついた。
カイザは『転生』の魔法が成功し、カレンが今幸せに暮らしていることをただ嬉しく思った。
リサは、彼女がどこまで記憶を持っているのか、今のカレンの状態がどんな感じなのか、とても興味が湧いた。
いつかどこかでアイシャの生まれ変わりが生まれてくるはず。
でもそれがすぐなのか、数年後なのかはわからなかった。
まさかあのエマの娘として生まれてくるなんて。
リサはエマのことはとても気に入っていた。さっぱりとした性格で意志の強さを持つ女性。
知り合ったばかりのアイシャに同情し、大切にしていたエマ達家族を心良く感じていた。
そして今回キリアンと共にカレンに会いに訪れる機会を手に入れた。
ついでにエマのことも助けてあげるのはリサの気まぐれでもあった。
それにキリアンは素直で魔法使いとしても有望。
エマの病気の治し方をキリアンに教えようと考えていた。
エマの治療を終えて王都でしばらく過ごした。
そして今また辺境地へと戻ってきたカイザとリサ。
リサはしばらくこの土地でカレンの様子を見る予定にしていた。
リサはカイザと別行動で豊穣祭に足を運んでいた。
そしてカレンがローゼに連れ去られるのをたまたま見て後を追った。
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