【完結】え?嫌です、我慢なんて致しません!わたしの好きにさせてもらいます

たろ

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思いは重なる。

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思わず出てしまった呟き。

「………馬鹿ですか?」

「ふっ、やっぱりいくら大人になっても君の根本は変わらないね。俺は君のその儚げな見た目と違い、負けず嫌いで辛くても真っ直ぐに人の目を見ることができる君が好きだったんだ」

「……こんなわたしがですか?……そんなことで誤魔化さないでください。貴方は自分の人生を台無しにしようとしているのですよ?それでいいのですか?」

「俺はこの国を出たら君に会いにいくつもりだったんだ」

「どうして?会いにきても受け入れないかもしれないでしょ?それにわたしには新しい婚約者がいるかもしれないし恋人がいるかもしれないのに?」

「……それでもダメでも……もう一度会いたかったんだ……後悔したくなかった。君を愛しているんだ。だから君が幸せなら………黙って去るつもりだったんだ」

「やっぱり馬鹿ですよね?……わたしも馬鹿です。貴方の噂を怖くて耳に入れないようにしていました。貴方に婚約者が出来たと聞いてしまったらわたしは自分勝手にも辛くて泣いてしまいそうでした。
 貴方が他の人と幸せそうにしている姿を見ることができなかった。でも忘れないといけない、もういい加減に捨てないといけない。だから最後にこの国に戻ってきて貴方への想いを捨てて帰るつもりでした」

「なのに……マリアナ様と貴方の姿を見てわたしは動揺して辛くて……捨てるなんてかっこいいこと思っていたくせに…本当は捨てることもできないで……」

「お願いだ。もう一度俺のことを考えて欲しい。少しでも気持ちを捨てることをやめたいと思ってくれるのなら……信じて欲しいんだ。俺はもう決して君を傷つけない。愛してるんだ」

ーー彼の手を取っていいのかな?
ーーううん、手を取ればまた辛い日々に戻るかもしれない……
迷うということは無理なんだと思う。

なのに……わたしの手に落ちる涙は……

「イーサン殿下……もう終わったはずの恋なのに忘れられなくて、なのにあの頃の辛い思いもまだ忘れられなくて……どうしていいのかわからない……でもさよならが出来ない……狡いんです」

「俺は君のその気持ちに無理やりつけ込もうとしている狡い奴なのかもしれない……もし君に少しでも気持ちが残っているなら俺は諦めたくない」

そう言うとイーサン殿下はわたしを抱きしめた。
わたしは抵抗することも忘れて彼の胸の中で泣いた。

ーーもういいよね。意地をはらなくても……

まだ好きなんだもの正直でいたい。

「……わたしも貴方が好きです」

記憶を全て取り戻したわたしが初めて彼に素直な気持ちを告げた。

涙がやっと止まり彼の腕の中にいる自分がだんだん気恥ずかしくなってきて

「あ、あの、は、離してください」と彼から離れようとした。

「嫌だ。やっと捕まえたのに」イーサン殿下はわたしをギュッと抱きしめて離そうとしない。

「ここ、公園なんです。ひ、ひとが見ています、お願いですから離してください」

わたしは周りの視線が気になって恥ずかしくて、必死で彼から離れようとした。

「ぷっ」

イーサン殿下はわたしが真っ赤になっているのを見てクスクスと笑い出した。

「殿下!わたし本当に恥ずかしいのですよ?」

「ごめん、照れてるカトリーヌが可愛くてつい意地悪してしまった」

「もう、ほんと、恥ずかしい」

わたしは顔だけでなく耳まで真っ赤になっていた。



その後殿下はリーゼ様の屋敷に送ってくれた。

「明後日父上達に会うんだよね?俺も一緒に付き合うからね」

「え?ええ?」

「きちんと報告したいから」

イーサン殿下はそう言って微笑み、私の手を取って……手の甲に唇を落とした。

ーー恥ずかし過ぎてわたしは呆然と立ち尽くしてしまった。










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