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初めての話し合い
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「何か用事があるのか?」
いきなり部屋に入って来て、無愛想な顔で一言。
ーーうん、この人、やっぱり無理!怖すぎるわ……なんて話せばいいのかしら?
いきなり『あなたの愛人のアンミリカさんのことですが?』と聞いてみる?
いやいや、ますます怒って大変なことになりそう……
わたしが無言で固まっているとカルロが咳払いをした。
「コホンっ!………お二人とも……ご夫婦なのですから少しは会話をなさった方がよろしいかと。ティア様は記憶をなくされているとはいえこの屋敷の侯爵夫人であります。旦那様も奥様ときちんと向き合うべきだと思います」
「そ、そうね。わたし一応グレイ様の妻だったのよね?うん、そうだった……」
ああー、わかってるの。わたしが聞きたいと思ったんだもの。ノエル君が母親を求めてるし、父親であるグレイ様にも、ノエル君にもう少し優しくしてあげて欲しいのに……
「あ、あの、グレイ様?……ノエル君は熱を出して何度もお母様を求めております。アンミリカさんがお母様なのでしょう?虐待して許せない、そうは思います。
でもそれでもノエル君にとっては大切な母親なら、どうか会わせてあげたいと思っているんです。周りに人がいればアンミリカさんも酷いことはしないと思うんです。
それにノエル君と離れて反省していると思うんです。だってあんなに可愛らしいノエル君を嫌うなんてありえないですもの」
一気に話した。少しでも言葉に詰まったらもう怖くて話せそうもない。
だって冷たい空気がだんだん氷のように冷たくなってきているんだもの。
カルロはグレイ様の後ろの壁に立ったまま微動だにしない。
ーーこんな時は助けてよ!無駄にいつも世話を焼くくせに!
何度となく目をカルロに向けるが、わたしと目を合わせない!
グレイ様は……怒ってる?か、顔が……
「………アンミリカはただの乳母だ。アレはノエルの母ではない」
「えっ?えそ?だって、ノエル君はグレイ様の息子でしょう?わたしとグレイ様は結婚して5年………ノエル君は3歳になったばかり……だったら愛人の子としか考えられないのに…………」
ーーえっ?じゃあ、だれ?だれなの?タバサはいつも口を濁して教えてくれないし、他の使用人達は絶対口を開こうとしない。
「あーーーー!わかったぁ!」
「…………思い出したのか?」
グレイ様が驚いた顔をしてわたしを見た。
「へっ?思い出す?……まさか……全く」
大きく首を横に振る。
「ふふふ、違・い・ま・す!!グレイ様には他に愛する人がいてその人とは別れてしまったんですよね?
亡くなったと思ってたけど違うかなぁと思ってやっぱりアンミリカさんだと思ったけど……もう!カルロの言い回しが難しくてよくわからなかったわ。辛いお別れだったんですね?
わたしが邪魔をしたとか?
ぜひもう一度愛を育んでください!
わたし応援しますから!本当の母親ならノエル君を大事にしてくれるでしょう?もうわたしったら勘違いばかり!」
思わず事実がわかって嬉しくてグレイ様にテンション高めに伝えると、お顔が………さらに怖くなっていた。
ーーえっ?違うの?だったらノエル君は誰の子?もしかして遊びで一夜を共にしたどこぞの見知らぬ女性の子供とか?
ええー?それとも高貴なお方との愛の結晶?
「違う!」
わたしがぶつぶつと言っているのをグレイ様が聞いていたらしい。
「違うのですか?」
聞こえてしまったなら仕方がない。開き直った。
「ではノエル君は誰の子供なのですか?ノエル君がお母様に会いたいと言ってるんです!会わせてあげたいじゃないですか!」
「ノエルは俺とティアの子だ!」
………………はああ?ふざけんな!このおっさん!
「そんな訳ないじゃないですか!わたし産んだ覚えもないしあなたと結婚した覚えもないんですよ?」
いきなり部屋に入って来て、無愛想な顔で一言。
ーーうん、この人、やっぱり無理!怖すぎるわ……なんて話せばいいのかしら?
いきなり『あなたの愛人のアンミリカさんのことですが?』と聞いてみる?
いやいや、ますます怒って大変なことになりそう……
わたしが無言で固まっているとカルロが咳払いをした。
「コホンっ!………お二人とも……ご夫婦なのですから少しは会話をなさった方がよろしいかと。ティア様は記憶をなくされているとはいえこの屋敷の侯爵夫人であります。旦那様も奥様ときちんと向き合うべきだと思います」
「そ、そうね。わたし一応グレイ様の妻だったのよね?うん、そうだった……」
ああー、わかってるの。わたしが聞きたいと思ったんだもの。ノエル君が母親を求めてるし、父親であるグレイ様にも、ノエル君にもう少し優しくしてあげて欲しいのに……
「あ、あの、グレイ様?……ノエル君は熱を出して何度もお母様を求めております。アンミリカさんがお母様なのでしょう?虐待して許せない、そうは思います。
でもそれでもノエル君にとっては大切な母親なら、どうか会わせてあげたいと思っているんです。周りに人がいればアンミリカさんも酷いことはしないと思うんです。
それにノエル君と離れて反省していると思うんです。だってあんなに可愛らしいノエル君を嫌うなんてありえないですもの」
一気に話した。少しでも言葉に詰まったらもう怖くて話せそうもない。
だって冷たい空気がだんだん氷のように冷たくなってきているんだもの。
カルロはグレイ様の後ろの壁に立ったまま微動だにしない。
ーーこんな時は助けてよ!無駄にいつも世話を焼くくせに!
何度となく目をカルロに向けるが、わたしと目を合わせない!
グレイ様は……怒ってる?か、顔が……
「………アンミリカはただの乳母だ。アレはノエルの母ではない」
「えっ?えそ?だって、ノエル君はグレイ様の息子でしょう?わたしとグレイ様は結婚して5年………ノエル君は3歳になったばかり……だったら愛人の子としか考えられないのに…………」
ーーえっ?じゃあ、だれ?だれなの?タバサはいつも口を濁して教えてくれないし、他の使用人達は絶対口を開こうとしない。
「あーーーー!わかったぁ!」
「…………思い出したのか?」
グレイ様が驚いた顔をしてわたしを見た。
「へっ?思い出す?……まさか……全く」
大きく首を横に振る。
「ふふふ、違・い・ま・す!!グレイ様には他に愛する人がいてその人とは別れてしまったんですよね?
亡くなったと思ってたけど違うかなぁと思ってやっぱりアンミリカさんだと思ったけど……もう!カルロの言い回しが難しくてよくわからなかったわ。辛いお別れだったんですね?
わたしが邪魔をしたとか?
ぜひもう一度愛を育んでください!
わたし応援しますから!本当の母親ならノエル君を大事にしてくれるでしょう?もうわたしったら勘違いばかり!」
思わず事実がわかって嬉しくてグレイ様にテンション高めに伝えると、お顔が………さらに怖くなっていた。
ーーえっ?違うの?だったらノエル君は誰の子?もしかして遊びで一夜を共にしたどこぞの見知らぬ女性の子供とか?
ええー?それとも高貴なお方との愛の結晶?
「違う!」
わたしがぶつぶつと言っているのをグレイ様が聞いていたらしい。
「違うのですか?」
聞こえてしまったなら仕方がない。開き直った。
「ではノエル君は誰の子供なのですか?ノエル君がお母様に会いたいと言ってるんです!会わせてあげたいじゃないですか!」
「ノエルは俺とティアの子だ!」
………………はああ?ふざけんな!このおっさん!
「そんな訳ないじゃないですか!わたし産んだ覚えもないしあなたと結婚した覚えもないんですよ?」
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