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母になりました。
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「お月様がとても綺麗ね?」
「おつきさま、まんまる」
「ふふっ、ほんと、丸くて大きいわね」
「うん、おっきいね」
ノエル君と二人で寝室のベランダに出て夕涼みをして過ごしていた。最近たくさんの言葉を覚えたノエル君はいろんなことを聞いてくる。
「このおはなは、なんていうの?」
「どうしておつきさまは、まんまるだったり、ちいさくなったりするの?」
「アリスはどうしてアリアのことを、『おかあさま』とよぶの?」
「ままは、おかあさまなの?こわいの?」
「パパはどうしてグレイさまなの?」
「ままは、『ノエルくん』と、どうしてよぶの?」
「どうして、おひるねしないとだめなの?ぼくねむたくないのに」
「このむし、おいしい?どうして、たべたらだめなの?」
ーーむし……って……無理無理!
疑問に思ったことはなんでも聞いてくるノエル君。答えられない質問の時わたしは「どうしてなのかしらね?」と困った顔をして答える。
グレイ様がそばにいてくれた時は、グレイ様はノエル君を抱っこして散歩に行こうと誘う。三人でのんびりと庭園を散歩するのが最近の日課。
そしてノエル君の質問にひとつひとつ答えてくれる。
今日はグレイ様がいないので二人でベランダで過ごした。
「まま、ノエルね、ずっとこわかったの……あのおうち、きらい」
庭園の奥にある小さな家はもう取り壊されて跡形もない。でもノエル君はいまだに怖かった頃の記憶が抜けず、思い出すと「こわい、やだ」と泣き出す。
わたしは「ごめんなさい」と謝ることしかできない。わたしがこんな小さな子供の心を傷つけてしまった。
今も夜中に突然泣き出すノエル君。わたしはただ隣でノエル君を抱きしめてあげることしかできない。
いつかノエル君が大きくなったら全てを話すつもり。自分が行ったことを隠すつもりはない。
ーーたとえノエル君に嫌われても……
それでも少しずつノエル君の心は良い方向へと向かっていった。
わたしやグレイ様を見るとニコッと笑い走ってきてくれる。
「ノエル君!」
手を広げて走ってくるノエル君を受け止めて抱きしめる。
「まま!」
ーーわたしはこの笑顔を守りたい。
「はあ………ノエルは眠ったようだな」
仕事を終わらせて急いで寝室へとやってきたグレイ様はノエル君の寝顔をそっと覗いて、優しく頬に触れる。
「今日もノエルとの時間があまり取れなかった」
ガッカリするグレイ様にくすりと笑う。
「お仕事がお忙しいのだから仕方ありませんよ」
「しかし、俺はいい父親としてノエルのそばにいたい……それにティアとの時間も大事にしたいんだ」
「ノエル君はちゃんとグレイ様がお忙しいことも理解していますよ?」
「俺は二人にあまりにも無関心で傷つけてきた。これからはずっと大切にすると誓ったんだ」
「グレイ様……わたしね、今はあなたと結婚して幸せなの……初めは……突然知らない場所に住んで子供も居て、父も兄も亡くなっているし、心がついていかなかったけど……あなたがどんな時でもわたしを受け止めてくれたから……安心して過ごすことができたの」
グレイ様の頬にそっとキスを落とした。
まだ彼と夫婦として過ごすことは出来ないけど、ノエル君の両親としてなら共に生きていける。
そして、多分……彼を夫として愛してしまうだろう。だって、グレイ様にじっと見つめられるとドキッとしてしまうことがあるんだもの。
グレイ様は驚いてわたしを見て固まった。
「グレイ様……わたしとノエル君の親としてこれからも一緒に暮らしましょう」
「……もちろんだ。俺は二人を守っていく」
「ありがとうございます」
10年後………
「まま、だっこぉ」
「ミィリア、走ったら危ないわ」
わたしが慌てて声をかける。
「おいで!」
「あっ!にいちゃま!」
ノエルがミィリアのそばまでかけて抱っこした。
ミィリアはノエルの頬に自分の頬をスリスリして「だいすき」と言うと、ノエルも「兄様も大好きだよ」と二人でイチャイチャし始めた。
ノエルはもうすぐ14歳。ミィリアは3歳。
家族が一人増えて四人家族になった。
そしてアリスは15歳になり、ノエルとアリスは、今は王立学園の寮で暮らしている。
全寮制のため二人とも屋敷にいないため、長期休暇で帰ってくるとミィリアは二人にベッタリとくっついて離れない。
「アリス、二人はしばらくお散歩するみたいだからわたしとお茶でもしましょう」
「はい、ティア様」
庭園をノエルとミィリアが散歩している間、四阿でのんびりアリスとお茶を飲んで二人を見守っていた。
「アリスはあと一年で卒業よね?」
「はい、その後はフォード家の領地で前侯爵夫人の元で1年間過ごすことにしました」
「そう、決めたのね?」
「ノエルは反対したのですがこれからの領地運営をしっかり覚えておきたいんです」
「わたしも向こうのことは義両親にお願いして、こちらの仕事を優先にしてたから助かるわ」
ミルフォードの街は今では流行の最先端として賑わっている。グレイが始めたドレスを扱うお店や宝石店を集め、高級感のある街並みを整備してそこに出店させたことでたくさんのお金が落ちる街へと変わっていった。
騎士として生きていきたいグレイを支えるため、わたしが中心となって王都での仕事をこなして、領地の仕事は今も元気な義両親が請け負ってくれている。
アリスはノエルの婚約者として領地での仕事を覚えるため1年間領地で暮らすことを決めた。
ノエルが2年後卒業したら二人は結婚して領地と王都を行き来する日々が始まる。
「ノエルとアリスは幼い頃からずっと一緒に暮らして、初めて離れることになるのね?」
「はい、ノエルは一年待って一緒に領地に行こうと言ってくれているんですが、少しでも早く仕事を覚えたいんです」
「まだ先は長いから無理はしないでね?でも領地の仕事を覚えてもらえるのは助かるわ。わたしも王都の仕事が忙しくて領地は任せっきりだから気になっていたの」
「孤児で平民だったわたしが今幸せに過ごせているのはグレイ様とティア様、そして両親のおかげです。それに……ノエルとの結婚も反対されるどころか喜んでもらえてとても嬉しいです、感謝しております」
「わたしは本当はアリスの母親になりたかったの。だけど今はアリア達が引き取ってくれて良かったと思っているわ。こんなに優秀で美しく、心優しい女の子に育ったのは二人のおかげだもの……アリスがノエルと結婚して娘になってくれることが楽しみなの」
ノエルとアリスはお互い惹かれあって婚約した。もしも二人が愛し合うことがあれば結婚させてあげたいとグレイやカルロ達とも話をしていた。
ノエルが「アリスと婚約したい」と学園に入る前に言ってきた時、わたし達はみんなで顔を見合わせて喜んだ。
やっと、アリスもわたしの娘になれる。
ノエルは幼い頃の記憶が朧げで、あの小さな家で過ごした頃の記憶があまりなかった。
アリスはほとんど覚えているけど口に出すことはなかった。
二人が婚約する時、わたしは意を決して全てを話し二人に頭を下げた。
グレイも隣でわたしと同じように二人に頭を下げた。
ノエルは「もう過ぎたことです。それに辛い日々だったのかもしれませんが……あのことがなければアリスに出会えなかったんです」と言った。
わたしの罪は消えない。だけど二人はそれを打ち消すくらい幸せになってくれた。
記憶を失くして10年以上経った。もうあの頃のわたしが戻ってくることはない。
ーーううん、本当はとうの昔に記憶は戻っていた。だけど嘆き悲しむわたしは消えて、『今』をきちんと受け入れられた。
グレイはそんなわたしに気がついていても口に出すことはなかった。常にそばにいてわたしをひたすら愛してくれる。そんな彼をわたしも愛してしまった。
ーー兄様、お父様、空の上で見ていますか?
わたし……母になりました……そして幸せに暮らしています。
いつかお会いする日が来たら、わたしもお二人に「愛しています」と伝えたい。
終
◆ ◆ ◆
読んでいただきありがとうございました。
明日からは【たろの短編、番外編】を始めます。
読み切りや数話の短編などを書くつもりです。
以前書いた作品の主人公達の『今』や『if』も書ければいいなと思っています。
そしてもうひとつ。長編も今、書き始めています。これはまた後日かな……
いつもいいね、エール、感想ありがとうございます。
「おつきさま、まんまる」
「ふふっ、ほんと、丸くて大きいわね」
「うん、おっきいね」
ノエル君と二人で寝室のベランダに出て夕涼みをして過ごしていた。最近たくさんの言葉を覚えたノエル君はいろんなことを聞いてくる。
「このおはなは、なんていうの?」
「どうしておつきさまは、まんまるだったり、ちいさくなったりするの?」
「アリスはどうしてアリアのことを、『おかあさま』とよぶの?」
「ままは、おかあさまなの?こわいの?」
「パパはどうしてグレイさまなの?」
「ままは、『ノエルくん』と、どうしてよぶの?」
「どうして、おひるねしないとだめなの?ぼくねむたくないのに」
「このむし、おいしい?どうして、たべたらだめなの?」
ーーむし……って……無理無理!
疑問に思ったことはなんでも聞いてくるノエル君。答えられない質問の時わたしは「どうしてなのかしらね?」と困った顔をして答える。
グレイ様がそばにいてくれた時は、グレイ様はノエル君を抱っこして散歩に行こうと誘う。三人でのんびりと庭園を散歩するのが最近の日課。
そしてノエル君の質問にひとつひとつ答えてくれる。
今日はグレイ様がいないので二人でベランダで過ごした。
「まま、ノエルね、ずっとこわかったの……あのおうち、きらい」
庭園の奥にある小さな家はもう取り壊されて跡形もない。でもノエル君はいまだに怖かった頃の記憶が抜けず、思い出すと「こわい、やだ」と泣き出す。
わたしは「ごめんなさい」と謝ることしかできない。わたしがこんな小さな子供の心を傷つけてしまった。
今も夜中に突然泣き出すノエル君。わたしはただ隣でノエル君を抱きしめてあげることしかできない。
いつかノエル君が大きくなったら全てを話すつもり。自分が行ったことを隠すつもりはない。
ーーたとえノエル君に嫌われても……
それでも少しずつノエル君の心は良い方向へと向かっていった。
わたしやグレイ様を見るとニコッと笑い走ってきてくれる。
「ノエル君!」
手を広げて走ってくるノエル君を受け止めて抱きしめる。
「まま!」
ーーわたしはこの笑顔を守りたい。
「はあ………ノエルは眠ったようだな」
仕事を終わらせて急いで寝室へとやってきたグレイ様はノエル君の寝顔をそっと覗いて、優しく頬に触れる。
「今日もノエルとの時間があまり取れなかった」
ガッカリするグレイ様にくすりと笑う。
「お仕事がお忙しいのだから仕方ありませんよ」
「しかし、俺はいい父親としてノエルのそばにいたい……それにティアとの時間も大事にしたいんだ」
「ノエル君はちゃんとグレイ様がお忙しいことも理解していますよ?」
「俺は二人にあまりにも無関心で傷つけてきた。これからはずっと大切にすると誓ったんだ」
「グレイ様……わたしね、今はあなたと結婚して幸せなの……初めは……突然知らない場所に住んで子供も居て、父も兄も亡くなっているし、心がついていかなかったけど……あなたがどんな時でもわたしを受け止めてくれたから……安心して過ごすことができたの」
グレイ様の頬にそっとキスを落とした。
まだ彼と夫婦として過ごすことは出来ないけど、ノエル君の両親としてなら共に生きていける。
そして、多分……彼を夫として愛してしまうだろう。だって、グレイ様にじっと見つめられるとドキッとしてしまうことがあるんだもの。
グレイ様は驚いてわたしを見て固まった。
「グレイ様……わたしとノエル君の親としてこれからも一緒に暮らしましょう」
「……もちろんだ。俺は二人を守っていく」
「ありがとうございます」
10年後………
「まま、だっこぉ」
「ミィリア、走ったら危ないわ」
わたしが慌てて声をかける。
「おいで!」
「あっ!にいちゃま!」
ノエルがミィリアのそばまでかけて抱っこした。
ミィリアはノエルの頬に自分の頬をスリスリして「だいすき」と言うと、ノエルも「兄様も大好きだよ」と二人でイチャイチャし始めた。
ノエルはもうすぐ14歳。ミィリアは3歳。
家族が一人増えて四人家族になった。
そしてアリスは15歳になり、ノエルとアリスは、今は王立学園の寮で暮らしている。
全寮制のため二人とも屋敷にいないため、長期休暇で帰ってくるとミィリアは二人にベッタリとくっついて離れない。
「アリス、二人はしばらくお散歩するみたいだからわたしとお茶でもしましょう」
「はい、ティア様」
庭園をノエルとミィリアが散歩している間、四阿でのんびりアリスとお茶を飲んで二人を見守っていた。
「アリスはあと一年で卒業よね?」
「はい、その後はフォード家の領地で前侯爵夫人の元で1年間過ごすことにしました」
「そう、決めたのね?」
「ノエルは反対したのですがこれからの領地運営をしっかり覚えておきたいんです」
「わたしも向こうのことは義両親にお願いして、こちらの仕事を優先にしてたから助かるわ」
ミルフォードの街は今では流行の最先端として賑わっている。グレイが始めたドレスを扱うお店や宝石店を集め、高級感のある街並みを整備してそこに出店させたことでたくさんのお金が落ちる街へと変わっていった。
騎士として生きていきたいグレイを支えるため、わたしが中心となって王都での仕事をこなして、領地の仕事は今も元気な義両親が請け負ってくれている。
アリスはノエルの婚約者として領地での仕事を覚えるため1年間領地で暮らすことを決めた。
ノエルが2年後卒業したら二人は結婚して領地と王都を行き来する日々が始まる。
「ノエルとアリスは幼い頃からずっと一緒に暮らして、初めて離れることになるのね?」
「はい、ノエルは一年待って一緒に領地に行こうと言ってくれているんですが、少しでも早く仕事を覚えたいんです」
「まだ先は長いから無理はしないでね?でも領地の仕事を覚えてもらえるのは助かるわ。わたしも王都の仕事が忙しくて領地は任せっきりだから気になっていたの」
「孤児で平民だったわたしが今幸せに過ごせているのはグレイ様とティア様、そして両親のおかげです。それに……ノエルとの結婚も反対されるどころか喜んでもらえてとても嬉しいです、感謝しております」
「わたしは本当はアリスの母親になりたかったの。だけど今はアリア達が引き取ってくれて良かったと思っているわ。こんなに優秀で美しく、心優しい女の子に育ったのは二人のおかげだもの……アリスがノエルと結婚して娘になってくれることが楽しみなの」
ノエルとアリスはお互い惹かれあって婚約した。もしも二人が愛し合うことがあれば結婚させてあげたいとグレイやカルロ達とも話をしていた。
ノエルが「アリスと婚約したい」と学園に入る前に言ってきた時、わたし達はみんなで顔を見合わせて喜んだ。
やっと、アリスもわたしの娘になれる。
ノエルは幼い頃の記憶が朧げで、あの小さな家で過ごした頃の記憶があまりなかった。
アリスはほとんど覚えているけど口に出すことはなかった。
二人が婚約する時、わたしは意を決して全てを話し二人に頭を下げた。
グレイも隣でわたしと同じように二人に頭を下げた。
ノエルは「もう過ぎたことです。それに辛い日々だったのかもしれませんが……あのことがなければアリスに出会えなかったんです」と言った。
わたしの罪は消えない。だけど二人はそれを打ち消すくらい幸せになってくれた。
記憶を失くして10年以上経った。もうあの頃のわたしが戻ってくることはない。
ーーううん、本当はとうの昔に記憶は戻っていた。だけど嘆き悲しむわたしは消えて、『今』をきちんと受け入れられた。
グレイはそんなわたしに気がついていても口に出すことはなかった。常にそばにいてわたしをひたすら愛してくれる。そんな彼をわたしも愛してしまった。
ーー兄様、お父様、空の上で見ていますか?
わたし……母になりました……そして幸せに暮らしています。
いつかお会いする日が来たら、わたしもお二人に「愛しています」と伝えたい。
終
◆ ◆ ◆
読んでいただきありがとうございました。
明日からは【たろの短編、番外編】を始めます。
読み切りや数話の短編などを書くつもりです。
以前書いた作品の主人公達の『今』や『if』も書ければいいなと思っています。
そしてもうひとつ。長編も今、書き始めています。これはまた後日かな……
いつもいいね、エール、感想ありがとうございます。
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感想ありがとうございます
素敵なお話でした。
ありがとうございました。
感想ありがとうございます😊
完結おめでとうございます。最後まで書ききってくださりありがとうございます。
良いお話でした。別なお話のキャラクターのその後の部分もちょっと読めて嬉しかったです。
感想ありがとうございます。
本当に、書いてて難しかったです。
書けなくて、いつもの時間に更新出来ず、他の話を書いたり、他の方の作品を読み漁ったりして気分転換をしながら書きました。
こんなの初めて!……でした。