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嫌です。別れません
20話 リオ編
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「かあちゃん……待ってて……」
魔道具を受け取った。
空を飛びながらなぜか涙がいっぱい溢れた。
かあちゃんを苦しめたとうちゃん、僕を捨てて死んだと思っていた王様。
二人とも要らないや。
魔女さんと母ちゃんさえいてくれたらいいんだ。
急いで帰ってかあちゃんを助けなきゃ。
かあちゃんの時を止めて、その間に薬を作るって魔女さんが言ってた。
でもかあちゃんは病気を僕からもらって、寿命を僕にくれた。
母ちゃんの病気が治っても寿命はもうあまりない……
僕が母ちゃんの子になんかなったからかあちゃんが苦しんでる。
ずっとずっと、いつも一人になると寂しそうな顔をしてた。
でも僕ができることはかあちゃんの前で笑うことだけ。だからどんなにとうちゃんが帰ってこなくて寂しくても、ちょっと熱が出ても、僕は笑ってた。
ま、病気したり怪我をするとかあちゃんが、あの優しい笑顔で「仕方ないな」って言いながら僕を治してくれる。だから……今回だって母ちゃんが治してくれたと思ってたんだ。
まさか治すんじゃなく、僕の病を引き受けてくれたなんて。僕……嫌だ、母ちゃんが死ぬなんて。僕のせいで……
空の下に僕の涙がポロポロと落ちていく。
急げ、急ぐんだ。
家が見えた。
急ぎすぎて着地に失敗。
頬も膝も血だらけ。肘は服のおかげでヒリヒリしてるだけだった。でも、背中の魔道具だけは庇ったから大丈夫。
こんな姿をかあちゃんが見たら真っ青になって目を潤ませながら慌てて僕のそばに駆け寄ってくる。
なのに今は誰もこない。
また泣きそうになりながら、自分の足で立った。
早く魔道具を魔女さんに渡さなきゃ。
早く行かなきゃ。
そう思って走った。
箒を引き摺りながら。
「魔女さん!もらってきた!」
「思ったより早かったね?」
「それより早く、これ!」
話なんかする暇あるの?かあちゃんは?
僕はベッドの中を覗き込んだ。
真っ青な顔をして眠り続けるかあちゃん。
「リオ、あんた派手に転んだね?手当てするから、顔と手を洗ってきな」
「僕のことなんてどうでもいい、早く!かあちゃん。たすけて!」
「わかってる、でも、マナの薬を作るには時間がかかる。先にあんただよ。マナが目を覚ましたら、リオを見てもっと体調が悪くなるよ。あんたの怪我を無理矢理でも治そうとするだろう?」
「………わかった」
そうだった、かあちゃんは自分のことより僕のことを大切にしてしまう。
急いで顔と手を洗った。
魔女さんは薬草で作ったクリームを塗ってくれた。
「あんたのかあちゃんほどじゃないけど、このクリームを塗れば早く傷は治るから、マナも心配しないさ」
痛くなかった傷が今頃なぜかズキズキと痛んだ。
魔女さんの手がとってもあったかくて。
かあちゃん、僕、早くかあちゃんの美味しい料理が食べたい。
魔道具を受け取った。
空を飛びながらなぜか涙がいっぱい溢れた。
かあちゃんを苦しめたとうちゃん、僕を捨てて死んだと思っていた王様。
二人とも要らないや。
魔女さんと母ちゃんさえいてくれたらいいんだ。
急いで帰ってかあちゃんを助けなきゃ。
かあちゃんの時を止めて、その間に薬を作るって魔女さんが言ってた。
でもかあちゃんは病気を僕からもらって、寿命を僕にくれた。
母ちゃんの病気が治っても寿命はもうあまりない……
僕が母ちゃんの子になんかなったからかあちゃんが苦しんでる。
ずっとずっと、いつも一人になると寂しそうな顔をしてた。
でも僕ができることはかあちゃんの前で笑うことだけ。だからどんなにとうちゃんが帰ってこなくて寂しくても、ちょっと熱が出ても、僕は笑ってた。
ま、病気したり怪我をするとかあちゃんが、あの優しい笑顔で「仕方ないな」って言いながら僕を治してくれる。だから……今回だって母ちゃんが治してくれたと思ってたんだ。
まさか治すんじゃなく、僕の病を引き受けてくれたなんて。僕……嫌だ、母ちゃんが死ぬなんて。僕のせいで……
空の下に僕の涙がポロポロと落ちていく。
急げ、急ぐんだ。
家が見えた。
急ぎすぎて着地に失敗。
頬も膝も血だらけ。肘は服のおかげでヒリヒリしてるだけだった。でも、背中の魔道具だけは庇ったから大丈夫。
こんな姿をかあちゃんが見たら真っ青になって目を潤ませながら慌てて僕のそばに駆け寄ってくる。
なのに今は誰もこない。
また泣きそうになりながら、自分の足で立った。
早く魔道具を魔女さんに渡さなきゃ。
早く行かなきゃ。
そう思って走った。
箒を引き摺りながら。
「魔女さん!もらってきた!」
「思ったより早かったね?」
「それより早く、これ!」
話なんかする暇あるの?かあちゃんは?
僕はベッドの中を覗き込んだ。
真っ青な顔をして眠り続けるかあちゃん。
「リオ、あんた派手に転んだね?手当てするから、顔と手を洗ってきな」
「僕のことなんてどうでもいい、早く!かあちゃん。たすけて!」
「わかってる、でも、マナの薬を作るには時間がかかる。先にあんただよ。マナが目を覚ましたら、リオを見てもっと体調が悪くなるよ。あんたの怪我を無理矢理でも治そうとするだろう?」
「………わかった」
そうだった、かあちゃんは自分のことより僕のことを大切にしてしまう。
急いで顔と手を洗った。
魔女さんは薬草で作ったクリームを塗ってくれた。
「あんたのかあちゃんほどじゃないけど、このクリームを塗れば早く傷は治るから、マナも心配しないさ」
痛くなかった傷が今頃なぜかズキズキと痛んだ。
魔女さんの手がとってもあったかくて。
かあちゃん、僕、早くかあちゃんの美味しい料理が食べたい。
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